悪夢
青百合戦記二章開幕です。今回はプロローグなのでかなり短いです。
前は7000字以上でボリュームの差は激しいがそこは気にしないでください
あと一章最終回の『アルマ』の後書きで語った二章のタイトル『強欲蔓延』編は推理小説ポイのでボツです。
これからは『黒龍の巫女と強欲の因子』で行きますのでそこのところよろしくお願いします。
どうして・・・・・・・どうしてみんなは僕の事を愛してくれないの?
僕は、何も意地悪な事をしていない。ただこの世に生を受け存在している。
なのにどうして僕のことを認めてくれないの?
僕が醜いから?それとも気づかない所で恨みを勝ったのかな。ううんそれはないよ僕はいい子だ
そんな事はしない
お願い僕の事をいじめないで・・・・・・・・・・・・
なんでも・・・・・・・なんでもしますからお願いします
蹴らないで、殴らないで、腕を・・・・・・・足を切り落とさないで
スグに生える?確かにそうだけど、痛いものは痛いんだ
お母さん・・・・・・・・助けてどうかこの人達を叱ってあげて
ありがとうお母さん。お母さんのお陰であの人達は僕に近づかなくなった。
お母さんはいつでもどんな時でも僕を助けてくれる。温かい
このぬくもりさえあれば生きていける
だけどそれは長く続かなかった
今度は僕のお母さんの親戚が僕をつるし上げて火あぶりにして跡形もなく消し去ろうとしている。
熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い息が出来ない
助け・・・・・・・・て・・・・・・・・・お母さん
お母さんはそれを止めようとしたが複数の大人がそれをさせてくれない。
お母さんがなんとか僕に向かって走ろうとしたがその前に僕は燃え尽きて死んだ
嗚呼・・・・・・・これもすべてお父さんが悪いんだ。
お父さんがみんなにいたずらするからこうなったんだ
僕は許さない・・・・・・・この世界の腹黒い人間とお父さんを
お母さんが愛した世界を汚したからすべてを奪った
僕の持つ強欲、疑い、後悔そして憎しみを持って
お前達を無に変えてやる・・・・・・・・・・・・
「あああ~~~~~~~~~~~」
俺は目を覚め飛び上がるように起きた。起きた先は、宿屋の静けさが漂う一部屋だった。体中が悪寒で振るえて冷や汗が凄い。
「何なんだ、今の夢は」
俺は先程見て夢を思い出すと震えが止まらなかった。それは、果ての無い暗い虚無の空間で子供が静かに詩のようなものを語りだしている夢だった。今まで色んな夢を見てきたがこんな恐ろしい夢は、見たことがない。思い出すだけで吐きそうだった。俺が異世界展開してこんな意味深な夢を見たのは実は三回目だ。一つ目は俺が前世で死ぬ直前の事で二つ目は異世界で俺の前の人格のアルマリアの過去のビジョンと彼女のメッセージ、そして三回目はこれだ。
だが、今回は前とは違う記憶で俺とアルマリアの記憶ではないはずだ。なんだよ。『僕が醜いからとか』『この世界を無に変えてやる』とかガキが中二臭いこと暗く語るなよ。こんなの詩じゃなくてただの怪談じゃねーか。怖すぎて漏らしそうだったわ。いくらムチムチ巨乳の美少女でも怖い夢見てお漏らしとか引くだろ。
俺は、改めて置時計で時間を見る。今は2時か。ああ、最悪な時間に起きてしまったな。2時とか幽霊が活発に動くじかんたいじゃねーか。しかも俺らが今泊まっている所はオンボロないわくつきな宿屋だから余計不気味が感じる。
おまけに部屋は酒臭く隣には地酒を大量に飲み酔いつぶれたミスティさんがいる。俺が彼女をさんづけで呼ぶのは、あの村意向だがそれはどうでもいいだろう。問題は、この状況だ。
ベット上でミスティさんと俺が全裸で抱き着いて寝ている状況だ。勿論事後ではない。いくら俺の体が女になったとは言え純情だから他の女の全裸を見るだけで真っ赤になる俺がそんな事をするわけがない。
恐らくミスティさんが俺が寝てる間に、寝返りで俺を脱がしたのだろうか。前から思ったが、俺が見た異世界の女の子ってみんな変わってるのかな?
だってミスティさんとリュミエールはレズ属性ありそうだしミリーニャは同性相手でもズボンを降ろしてお尻を見せようとするし、・・・・・・・と思ったらミスティさんって今23だから女の子ではないな。これ本人の前で言うと起こりそうだけど。
俺はとりあえず全裸のミスティさんに毛布をかけようとする。こんな人でも今は仕事のパートナだ。ここで風邪を引かれたら明日の仕事に支障が出るからな。だがかける直前に俺は、彼女の背中に意味深に刻まれた文字に注目する。
俺は、部屋にあるランプで彼女に気づかれないようにそれを照らす。俺はアルマリアの体を借りているのでこの世界の文字は読めるが彼女が背中に刻まれている紋章は見たことはなく恐らく古代文字って思った方がいいだろう。おまけにその文字の中心に描く怪しげな六芒星の術式のようなもの、今までこの世界での術式は見たがこんなのは見たことはない。
そう言えばあの魔城で霧を発生させたカーディナスという魔術師はミスティさんのことを『呪い一族』って
言ってたな。あれはどういう意味だ・
「ん~~~~~~ん?」
ヤバい。ミスティさんがゴゾゴゾして起きそうだ。俺は、即毛布を掛け灯りを消し、隣に寝た。
「ん~~~~~~アルマ君これからも・・・・・・・いっしょ~~~~~~~~~」
「!!!」
ミスティさんは寝言で酒臭い息をはきながらそう呟いた。その可愛い寝言で俺はつい意識してしまった。たく歳のことを考えろよな。アンタ今23で今俺を監視している身だぞ。もしこのガキっぽい性格をあと二十年続けて見ろ。40歳で自称17歳を気取ってるアイドルくらいに痛すぎるぞ。
俺はさっき見たくらい不気味な夢より彼女の未来を気にしてゆっくりと眠りに落ちた。




