チャチャル村防衛戦線 その1 反撃ののろし
ここからは主人公不在なので三人称で行います
話しは第十七部のもう一つの続きで村に残った騎士や村人の反乱を描いております。
話は、一度戻りアルマリアとミスティが魔術で、リュミエールになりきり馬車で、魔城に向かう一方チャチャル村では、もう一つの戦いが始まろうとしていた。
怪しく霧が発生している中、常闇に包まれたチャチャル村には、村の松明で光が集まってる中、魔族が村の人間が不可解な行動を侵さぬよう見張っていた。最も真面目に見張ってるのは、わずか数名で、ほとんどの魔族は、村の村長連中と共に村の酒場で酒を飲み浮かれ始めている。無論村の人間は、好きに魔族と飲んでいるのではない。あくまでご機嫌取りだ。彼らにとっては、村を守る為の唯一の方法だろう。
そして、魔族共が酒で酔い始めた頃には、既に魔族に反抗するフェインズ率いる一団が一際離れた路地裏で身を隠し様子が伺っている。その一団はフェインズと残りの騎士に加え、ガイ達を含む村の見張り番や狩猟人がわずか10人弱の村人が加わっている。普段彼らは、魔族の退治より近場の魔物を含む食料となる獣を捕獲を専門としてより魔物より知恵や実力がケタ違いの魔族には無理を生じるだろう。だが彼らは、戦うのだ。ここ一帯を支配する魔族を追い払うために剣を握りしめているのだ。
そんな中一度偵察に向かった騎士の一人が偵察を終えた所で時は動く。
「どうだった?」
「はい。予想通り村の東部の酒屋または、広場に魔族が密集してますね。単独で動いてる魔族はバラバラで村を見張っているようです」
「で、単独および少人数で行動している魔族の数は?」
「ざっと見て恐らく30体程と思われます」
「そうか・・・・・・・・それでも多いな。だが作戦通り決行する。これからあんた達は、気配遮断の魔術を掛ける。それで姿が見えなくなった我々が魔族に奇襲を突くことだ。いいかはっきり言ってあんた達の個々の力では奴らには敵わない。だが、背後から気づかれずに背後から急所を突けば勝てる。だが、しくじれば感づかれ逆に返り打ちにあってしまう。胆に銘じておけ」
この作戦の総指揮官であるフェインズやれやれとため息をし、目上の村人に指揮をする。村人がそれを達成できるか不安感を抱いて持ってる剣が震えてるるそんな中、ミリーニャはうきうきと刃を砥ぎながらこれからの戦いを楽しみに待っていた。
「で、指揮官殿。ボクは予定通りに殺ればいいんだよね?」
「ああ、お前は二人の騎士と協力し広場と酒場に密集している魔族を掃討してくれ。いいなくれぐれも一般人に被害を及ばせるな。特に酒場には村の村長連中がいるから事前に悟られずに店内に睡眠魔法を発動しておけよ」
「ハイハイ。分かってるよっと」
そう言いながら腰を上げ砥いだ剣を颯爽にしまい持ち場に着くために現場に着こうと向かう。そして後ろに騎士が付いてくるときにミリーニャは口を出す。
「あ。別にボクに護衛は必要ないからあんたらは、彼らの援護をしといて」
「おい、ミリーニャ・・・・・」
「大丈夫。大丈夫ボクだけで充分。ようやく本調子に戻ってきたからね。仕返しの為に奴らをミンチにするから援護が来ても邪魔になるから要らない」
「はあっ」
ミリーニャは騎士にシッシッと追い払い向かう姿にフェインズは重い息を吐いた。
「それに君だって周りがいては本領を出せないんじゃないの?」
「・・・・・・・・・分かった。好きにしろ」
「ふふん。分かってるじゃん」
ミリーニャはそう言い残し霧の先に消えて行った。それを見てひとりの騎士がフェインズに声を掛ける。
「隊長・・・・・・・いいんですか?」
「構わん・・・・・・どの道言っても聞かん奴だ。好きにしろ。」
ミりーニャの行動に半場呆れながらもフェインズは、腰に下げてる剣を抜き怯え怯んでいる村民に指揮を執る。
「さて話は戻るがあんた達にこの作戦を参加させるのは非常に酷だと思う。別に帰って我々の様子を祈っても構わない。それでもいいか?」
「ああ。参加する。俺達は、今日まで魔族の奴らに蹂躙されてきた。だからここで終わらせたいと思う。それでいいかみんな」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「そ、そうだ俺達は、ここで終わってはならないんだ。どうせ引き返せないんだ。ここで派手に散っても悪くねぇ。そうだろ?」
「ああ」
「そうだな」
ガイは、意の一番に激を飛ばし他の村民を励ます。その激が通じたか村民一人一人が一丸となって彼らが持ってる剣に自然と震えが止まっていた。この時チャチャル村は一年ぶりに団結力を高めあったのだ。
「それじゃあ。これから全員に気配遮断の魔術を掛ける。それまで待ってくれ。『ノン・フィン」
そう言いつつフェインズは、小声で演唱し、自分を含む作戦に参加する人間に黄土色に帯びた気配遮断の魔術を掛ける。その光は、輝く発光していたが周りに発生している霧のおかげでそれは魔族の奴らに気が付くことはなかった。そして演唱が全員にかかったのを確認するとフェインズは最後に命令を下す。
「これで良し。後は視界に入った魔族を一撃で仕留めろ。もし仕留める前に感づかれても我ら騎士が可能な限り援護をする。幸運を祈る」
そう言い残し村民と騎士は四方に散り作戦を開始する。そんな中ガイも持ち場を着こうとするときフェインズは彼の肩をポンと叩き止まらせる。
「ガイさん待ってくれ」
「どうしたんだ。フェインズさん」
「あんた、この戦いの前にリュミエールさんと会ってなお作戦に参加するのか?」
「ああ。そうだ」
実は、リュミエールは、アルマ達とすり替えた後、この村の医師の診療所にて身を隠していた。そしてガイはこの作戦の前にフェインズに連れられ診療所にて二人を再開させたのであった。こうすることでガイにこの戦線を離脱させようとさせたのであった。
「あんた正直この作戦には参加させたくなかった。あんたは彼女のかけがえない肉親の一人だ。わざわざ犠牲になる理由はないはずだ」
「確かに俺は、リュミは俺の家族だ。勿論人格が変わったアルもだ。だからこそ戦わなくてはならないんだ。俺は、今まで生贄であったあいつをどうすることも出来ずにいた。だからこそこれに参加させて今までの事を償いたかったんだ」
「・・・・・・・・・・・・」
「それに、アルだけがこんなおいしいとこだけもらって俺だけがここでじっとしてるわけにはいかないしな」
そう言い残しフェインズは、彼の肩を放しそれを確認した彼は霧の彼方に消えて行った。
「・・・・・・・さて、どうしたもんかね」
そして一人取り残されたフェインズは一人灰色に染まった霧を上に眺めそう呟いた後彼は作戦を実行する。
そして、ガイを含む魔族に反抗する連中は、村中に覆っている霧を忍ばせ各自に連携をし魔族の背後を取ろうとする。
実際彼らがやってることは戦いと言うより暗殺に違いないだろう。だがこうするしか非力な村人には勝ち目がないのだ。それは有翼騎士団の一人であるフェインズも分かっている。騎士道に相反しても彼らの意思を尊重させるのも騎士の役割の一つだ。汚れても勝ち取り自由を求める村人たちを願っての作戦だ。
そして、ガイは、二人の他の村民と行動し霧の中忍ばせる中、ある一人の魔族が警備をしているのを見かける。
「いた。こいつは俺がやる。ヤバかったら援護してくれ」
「分かった。ガイさん頑張って」
と、村民に相づちをかわす中、ガイは一人積極的に魔族の背後を取る。ガイは、事前にフェインズに言われたことを思い出す。『魔族を狙う箇所は首筋を一点に集中して刎ねよ』それを頭にイメージし実行する。気配遮断の魔術で魔族側には、気づかれない。だが近づくたびにリスクは高くなる。ガイは、不安の重圧に押しつぶされ震える手を抑えながらも前に進む。そして、剣が届く射程位置に入る。
「はあっはあっここなら・・・・・・・届く」
ガイは、緊張し鼻息が荒くなる。それは当然だ。彼は男気はあるが村内では人畜無害の優男で内心、心が小さい男だ。そんな男が目の前の魔族の首を音も出させず殺すことをしようとしてるのだ。
「(はあっはあっくそ、めちゃくちゃ怖え・・・・・もしかしてフェインズさんこんな事を見通して俺を戦線に外そうとしたのか・・・・・だけど俺はやってやる。今の俺の力じゃこれしかできないがやってやる)」
心からそう念じてガイは目を閉じ剣を振るう。
「あっ!!!」
風が切る音がした。そして、ガイが次目をした光景は首を撥ねられ首元から大量の血が噴水の如く吹き出している変わり果てた魔族の姿であった。これを見た時ガイは、緊張が解け腰を抜けたのであった。
「はははは、やった・・・・・」
「ガイさんやったな」
村の仲間がガイの姿を見て励ます。だがガイにはこの声は聞こえず放心しながらもこう思った。
「アル、リュミ・・・・・・・こんな頼りない叔父だけど俺やったぞ」
そして、それを期に村民の反抗が始まった。皆微弱ながらも気配を消し音もなく魔族の一人一人確実に仕留めて行った。気配なく断てたので他の魔族にも気づかれずに次の相手を仕留めることが出来た。村民側も今まで培ってた狩りのスキルがこんなところで役に立つとは思ってなかっただろう。これを気にやる気を出したのであった。この姿を遠目で剣を握り魔族に悟られずに鮮やかにを屠りながらもフェインズは見守っていた。
「ふん・・・・・・どうやら思った以上にやってくれたな」
「フェインズ隊長・・・・・・」
返り血を浴びながら周りを見渡す時に他の騎士がフェインズと合流する。
「なんだ?」
「はいここ周辺に魔族の確認は見られません。どうやら村の人達は、思った以上に貢献してくれるようですね」
「・・・・・・・・当り前だ。ここの連中は今まで魔族に虐げられたんだ。ここで一気に爆発してもらわんとこっちが困る」
「そ、そうですね」
「で、残りの人数は?」
「はい。残り確認されのは、やはりあの酒屋にいる魔族連中のみです」
「っと、言うことは、ミリーニャは広場の奴らを全滅させたのか?」
「はい。今彼女は、あちらに向かっているの事です」
「そうか・・・・・・・なら一度反抗軍を集めよう・・・・・・奴なら大丈夫だ」
その頃とある酒屋では魔族が村長連中と酒を飲み浮かれが続いてるようだ。店内は濃いタバコの煙と熱気によって充満されていた。
「おい酒がまだだぞ早くしろ!!!!」
酒が来るのが遅くイラついた黒いオーク顔の魔族が机を蹴り飛ばし店員に威嚇しその衝撃で机に乗ってるご馳走や酒がはじけ飛びグラスや皿が割れる音が響きあった。
「そ、そうだぞ。天下の魔族様の御頼みだ。早く持って来なさい」
「も、申し訳ございません今すぐにお取りします」
店員は、村長の言葉で今すぐ酒を取りに厨房に戻っていった。それを見た黒いオークの魔族がフンッと鼻を鳴らす。そして、村長は魔族のご機嫌を損なわないよう他の机に置いてあった酒を持ってきてそいつにお酌する。
「申し訳ございませんうち人間が・・・・・」
「ふん、まあいい。今宵はいい日だ水に流そう。それより貴行のグラスに酒は入ってはないではないか次いでやろう」
「あ、ありがとうございます」
村長は、本当は酒が苦手ながらもそれを口にせずに注いで貰った酒を遠慮なく飲み干す。こうやってご機嫌を取りながら村を守るのがこの村長の考えだ。本当は、こんな下劣な人間に屈服したくはないが魔族がここに来てから半分以上の村の人間は奴らに殺されてしまった。だからこそこれ以上被害が出ないようにしてるのであった。
「おお、いい飲みっぷりだ・・・・」
「ありがとうございます・・・・」
「ところで次の生贄の対象者は、考えたのか?」
「止めましょう。今こんなにいい日なのに物騒な話は・・・・・」
「それもそうだな・・・・・・俺が悪かった。だけどこれだけは言っておく。これを気に今後我らに逆らうんじゃないぞ」
「何の事でしょう?」
「とぼけるな。以前広場に処刑を行ってる途中に我らの仲間が消えてしまったそうだ。そしてその夜我らの城に乗り込もうとするふざけた輩がいるではないか。なんでもそれは今日生贄になった人間の肉親ではないか」
「あの件はもういいでしょう・・・・・・彼女は翌日村の広場で死んだと聞きました。もう関わりのないことです」
「そうか・・・・・だけどお前達も酷いことをするな・・・・・・我らの機嫌を取るためにその女を殺すとはな」
「え?何の事でしょう。彼女をやったのはあなた達では・・・・・・?」
「何!?」
互いの矛盾が発生する中、店内のドアが突然開けだし風が吹く。
「誰だ?」
黒いオークが扉の方に向くが誰もいなく、代わりに見たのは共に飲んでいた魔族の仲間が首を撥ねられたリ切り裂かれたりの悲惨な状態だった。その魔族も今あり得ない瞬間を見て茫然とする。
「え?」
そしてこの期に穏やかムードが漂った空間が赤い血が混ざりあう戦慄の戦場に変わってしまった。
「なんだ?なにが・・・・・・」
次何か喋ろとした時に黒いオークが見たのは返り血で体中が赤くなりながらも凛々しく剣を振り払うキャスケット帽を被ったミリーニャが満面の笑みで迎えていた。
「ヤッホー。そして死ね」
これを最後に黒いオークは既に急所を数か所貫かれてしまった。そしてその返り血は、村長を含む連中に浴びらされ店内はあっという間に赤い模様に塗装してしまった。
そして黒いオークは崩れるようにたおれようとする。
「何がおこ・・・・・・・」
「倒れるの鈍いね・・・・・・これくらいの時間なら君を細切れにするのは容易いね」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ」
黒いオークが鈍く倒れ村長連中は怯えた声で叫びだした。ミリーニャはそれを気にすることなく店を出て行った。
「ふ~~~~んこれくらいやったら上出来か~~~~~~」
そしてこの時チャチャル村にいる魔族は全滅し本格的に反乱が始まった。
ここから主人公不在ですがご了承お願いします
チャチャル村防衛戦線は、サブキャラのミリーニャとフェインズにスポットを当てて行きます。
さすがにここを書かないと「こいつら何の為に出たんだ?」って思うので折角生み出したからには活躍をさせないといけません。
よろしくお願いします。




