目覚めた先
有馬君・・・・・・有馬君・・・・・・・
視界が暗い。そして声がする。
有馬君・・・・・・・・・ねえ有馬君・・・・・・・お願い・・・・・・・目を覚まして・・・・・・・・・
声が段々と近づいてくる。誰の声だ?
お願い・・・・・・お願い死なないで・・・・・・・・・・あなたはまだ死んじゃいけないの・・・・・・・・ねえ有馬君
この声聞いたことがある。・・・・・・・・だめだ思い・・・・・・出せない
私よ・・・・・・志和よ。私が分かる?
志和?誰だ・・・・・・・・・・・・・・・
どいて下さい。・・・・・・君大丈夫か?
また別の声がする。それもそうなんだけどなんか騒がしい。何があったんだ?
そして、なんか揺れている。地震か?
私も乗ります。
君は?
私は彼の恋人です。最後まで彼と一緒にいたいんです。
分かりました。一緒に乗ってください。
彼氏?もしかして俺の事かな?あれ?俺彼女いたっけ?
いやそれにしてもさっきから地震が続くな。
まるで車にも乗った見たいに揺れてるな。うるさくて眠れやしない。
それに何回も俺の名前を呼ぶ志和って人本当に俺の彼女か?こんな落ちこぼれでボッチな俺に
いやいやないない。ありえねえよ。
女と話すだけでキョドってしまう俺に・・・・・・ありえねえよ。本当に・・・・・・・・
でもなんだこの気持ちは?彼女が俺の名前を呼ぶたびに胸が切なくなる。
心が空になる気分だ。
一体何なんだ?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・思い出した。
俺あの時怪しげな男に刺されたんだ。そして意識が遠のいて・・・・・・・そして最後の力を振り絞って起きるも彼女の素顔を見て涙を流した後に視界が真っ黒になったんだ。
と、いうことは俺は今、生と死の狭間いると思っていいのか?
有馬君・・・・・・ねえ、有馬君・・・・・・・・・お願い・・・・・・・もっと一緒にいたい・・・・・・・・いてほしいの・・・・・・・
俺もだよ志和さん俺も一緒にいたい。あなたと一緒にいたい・・・・・・・・だから頼むよ神様もう少しだけ俺を生かしてくれよ・・・・・
頼むよ・・・・・・・・・・
有馬君・・・・・・・有馬君・・・・・・・・・・有馬君・・・・・・
「志和さん・・・・・・・・」
俺は右手を上げ手を広げた状態で目を開ける。
「ここは?」
俺は目を開け起きて、周りを見わたす。
視界が入ったのは見慣れない部屋だ。白い空間の病室ではなく・・・・・・木造でいわゆるゲームにあるRPGの世界によくある洋風の一室だ。
その部屋はゴミ一つなく家具もオシャレに揃えていて清潔感がある。俺の部屋のゴミ屋敷と大違いだ。
「こんな部屋見たこともないぞ。一体どこなんだ?・・・・・・・」
俺は寝ぼけた頭でベット上でキョロキョロする。頭に整理がつかない。
「痛っ」
頭がズキズキする。なんだ頭痛か?俺は、頭に手を向ける。
なんだこれは、部屋に鏡がないから分からないがどうやら頭に包帯がぐるぐると巻かれているらしい。
どういうことだ。俺確か胸に刺されたはずなのになんで頭を怪我してんだ?
俺はそう思い胸を触ろうとする。すると・・・・・・
「ん?」
なんだこの感触は?なんか柔らかいぞ。と、いうか俺胸なんか膨らんでいるぞ。しかもデカい片手では収まらな程の大きさだ。
ていうか今気が付いたんだが、なんだ?このオシャレなピンクの花柄のパジャマは?俺いつ着替えせられたんだ?
っていうかツッコミどころが多いぞ。
「どうなってんだこれは」
混乱してまともに整理がつかない俺は立ち上がろうとする。だが、
「ッツ!!」
頭部だけではなく体中が痛い。立ち上がるのを止め俺は自分の身体を調べる。
すると腕や足首など、他にも数か所包帯で巻かれており、しかも刺されたはずの胸には傷一つもない。
「もしかして俺女になったのか?」
俺はやっと今の状況を理解した。俺は今女の姿になっている。当然なぜそうなったか分からない。
女体化か?それとも入れ替わりか?いやそんなことより俺はこれからどうすればいいんだ?
コンコン
扉の向こうから誰かがノックする。
「姉さん入るよ」
女の子の声がする。もしかしたらこの子ならなんか知ってるかも。
「どうぞ」
「え?」
呼ばれたので返事をすると彼女は、驚いた声を出し、そして扉を慌てるように開けた。
「姉さん。アルマリア姉さん良かった。やっと目を覚ましたんだね」
その女の子は部屋に入りベット上で座っている俺を抱きつこうとした。それに対し俺はそれを受けるように支えた。
てか、アルマリア?それ俺の名前か?
「えーーーーーとどなたですか」
「私の事忘れたの?私だよリュミエールだよ。良かった目が覚めたんだ。」
そのリュミエールと言う茶髪で長髪の女の子は俺の胸で甘えるように泣き出した。
「あの?これは一体・・・・・・」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
彼女は俺に泣きながら何度も謝り続けた。
「なんで泣いてるの?」
「それも忘れたの?あの時崖の上で咲いてる母さんが好きな青い百合の花を取ろうとして崖から落ちたじゃない」
え?そうなの?
「気が付くと血まみれでひどいケガで私の治癒魔法でも治せないから村の人に協力してここまで運んだんじゃない」
え?どういうことつまり俺は崖から落ちて死にそうになったってこと?
なんか話が合わないな。
「それも覚えてないの?」
「ああ、覚えている。覚えている」
俺は嘘をついた。彼女はどうやら俺が女になった理由をしらないらしい。
「・・・・・・・・・・・」
彼女はしばらく不思議そうな顔をした後に泣きじゃくった顔で部屋から出ようとする。
「じゃあ、私今からオジサンとお医者さん呼ぶからしばらく安静にしてて」
「うん・・・・・・」
「後・・・・・・オジサンからの説教はなるべく長いから病み上がりだけど頑張ってね。私もなるべく説得するから」
「分かった」
「あの・・・・・・」
「何?姉さん?」
「鏡ってある?」
俺はそのリュミエールと言う妹に鏡がいるように頼んだ。なぜならどんな顔に代わっているからこの目に拝みたいからだ。
「鏡?確か姉さんの机の引き出しにあるはずだけど」
「あっ、そうだった。ごめん気をつけるよ」
「あと、メガネもそこに閉まっているから」
「分かった」
そう言いながら彼女はその部屋から出た。どうやら彼女はメガネをかけてたんだな。
いやそれよりもこのRPGにありがちな西洋の木造の作りの部屋にさっきの外国人そしてその少女が喋る言語が普通に聞き取れる現象間違いないどうやら俺は異世界に来てしまったようだ。
俺はしばらくの間自分の今の状況を受け入れると立ち上がり、痛みが軋みながらも机の引き出しから手鏡と丸メガネをを取り出した。
「あった。あった。」
俺はメガネをかけ今外見がアルマリアと言う女性になったその顔を拝む。
その姿はやや痩せ細っているが顔が整って髪は妹と同じ茶髪の長髪で綺麗でサラサラで美しく、一見するといわゆる外国の村娘のような見た目だ。
加えて一際目立つ巨乳でお尻も触るとなめらかな感じがして、まさに豊満な体の持ち主だ。
男であった俺の体型と天と地の差だ。
「これが俺の体・・・・・・・」
俺はしばらく手鏡を持ち、体をベタベタ触りながら女性になった姿を見続けることにした。