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青百合戦記  作者: 夕凪
運命を紡ぐ蒼炎編
19/39

大戦の真実

「皆下がれこの女は私が始末する。手出しは許さん・・・・・・・よろしいでしょうか。ギルギス様」

「構わん」

「ありがとうございます」

インヴィーは、ギルギスの許可を下りると深く礼をしそして前進し俺の前に立つ。



「では、アルマリア ピュールシュ不生このインヴィーがお相手いたす」

「・・・・・・分かった。俺も全力であんたに挑もう」

「感謝」


見た目と相反あいはんした騎士道精神のある魔族インヴィーは俺の許可を下りるとバカでかい大剣を構え俺に振りかかろうとする。それに対し俺は、燃やした魔族が持ってた剣を両手に持ち青い炎を纏い体を乗っ取らせ反撃する。この部屋は無駄に広く天井も高いので奴の持っている大剣は十分に振り回せていた。

俺は乗っ取らせた体で避けながら反撃する機会を待ち様子を見る。なんせ俺の青い炎は接近戦に向いてない。今持ってる両剣を炎を纏わせ攻撃するのもいいが奴は連続的に体験を振り回すことが出来るので一発打ち込むだけでお釈迦になる両剣では無理だろう。

なので充分に距離を取り大剣で防げぬほどの炎で奴を倒さなくてはいけない。なぜなら奴の持ってる大剣は、俺の炎と同じ魔術を打ち消す能力だからな。ここは冷静に対応しなくてはな。

「おおおおおおおおおお」

俺は奴の連続技を避ける中で床や壁が崩壊しほこりが舞う。その隙を突いて青い炎を連続で打ち込むことにした。



「どうだ」

「無駄だ・・・・・」

とりあえず攻撃を仕掛けたがやはり無駄だった。だが、奴の持ってる大剣からパキッと小さな音が聞こえた。

「・・・・・・・何?馬鹿な私の『アビスサイフリート』にヒビが入るだと・・・・なぜだこの剣は魔術を受け付けないはずなのに」

奴の大剣に微弱だがヒビが入っている。よし効いてるぞ。


「どうやら俺の炎はあんたの剣の効果に影響はないらしいな。実を言うとこのバカでかい剣実はたいしたことないんじゃねえのか」

「何?」

「言った通りだ。こんなのただデカいだけのアンティークだそこらに飾った方が価値があると思うぞ」

「ぬかせ。小娘がーーーーーーー」

青い炎に乗り移ったせいで頭がさえ奴に挑発をする。予想通りインヴィーはどうやら自慢の剣に傷が入り先より冷静さがかけ大ぶりな攻めを入る。ドコン、ドコンと大きな音が響き渡りほこりやチリがさらに舞う。

「私の愛剣がお前みたいな下等種にヒビが出る訳がなかろうがーーーー私は、ギルギス様の右腕ここで負ける者か!!」

「残念だがあんたは終わったよ・・・・・・燃やす」



激情で戦い隙だらけのインヴィーの背後に着き青い炎を放つ。

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオこの私がーーーー」

青い炎は激しく燃え盛り奴の持ってる大剣は、崩れるようにガシャンと鈍い音が経ちうるさく響いた。俺は冷静な顔で奴が燃えつく姿を見守った。

「悪いな・・・・・下等種の中では落ちこぼれの俺でも勝って先に進まなければいけないんだ」


「そんな・・・・・・・インヴィー様が!?」

「何者なんだ?奴は?」

インヴィーはあっという間に灰に変わり、ギルギス様と女王以外の魔族は怯えて震えていた。だがそれでも俺は容赦しない。俺は正義の味方ではないが苦しんだ人達の為に奴らを灰にしなくてはいけない。その為に自分は復讐の炎を振り被せなけらばならない。


「次はあんたらだ。バーベキューは食べたことあるのかな?味合わせてやるよ」

「怯むなああああ。一斉にかかれええええええええええええ」

俺は、呆れた顔でため息をつき魔族の雑魚共が攻める中自分の中にある殺戮の心を出し青い炎を震わせ無双することにした。




あれからどれくらい経ったか気が付くと俺がいる広い奴隷部屋は苦い煙が漂い床は灰で黒ずんでいた。その灰はもちろん魔族の亡骸だ。周りをみると部屋にはギルギスと女王しかいないからそれだけの量の魔族を燃やしたから相当の量の魔族を倒したのだろう。そして床だけではない俺の両手も真っ黒で恐らく全身灰まみれらしい。その付着した灰と不愉快な臭いで俺は、せき込んでしまう。

「ごほっごほっ派手にやりすぎたかな」

灰で見えなくなったメガネはこれからの戦いで邪魔の為に捨て、不愉快な臭いの中俺は、玉座にのんびりと眺めてる魔族を再び見据えた。



パチパチパチパチパチパチパチパチ

ギルギスは、この重たい空気の中平然と拍手をし重い腰を上げた。

「驚いた。まさかお前のようなただ一人の人間が私の、部下を全滅するとは予想だにしなかった・・・・・・また裏世界に戻り優秀の仲間を集めなければな・・・」

「・・・・・・・・・」

ギルギスは、ゆっくりと階段を降りながら、右手を広げた。すると、ドス黒い空間から黒い剣を取り出した。そして、俺を静かに睨み続けた。そして奴が階段を完全に降りると、

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

地面から何かが震える音がした。

「何だ?地震か?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

地震の中、ギルギスは、俺ではなくどこか別の方向を見て舌打ちをした。



「チッ、魔術師め、見世物の場所をここにしたのはこの為か・・・・」

「何?どういうことだ」

魔術師は儂をここに移動することで何かよからぬことをしてるらしい。ここは地下だ。その為地上の状況については何も分からない。部下がすでにここに入ってないとするとすでに何かが起きたな?もちろんお前の連れにもな」

「ミスティが?」

「ああその為には今すぐにでも魔術師を始末しなければならぬ。だがお前がいては不愉快だ。ここでお前を倒していくとしよう」

「させるか」


俺は、青い炎を繰り出し、奴にぶつけようとしたが、それをうまく避けられ高速の一撃で俺に斬りかかろうとする。

「あッ」

俺は、それを避け間合いを開け青い炎で、二、三重に囲い奴の移動を防ぐことにした。その間に俺は、青い炎でブーストを付け、速攻で玉座の方にいる女王の方に向かった。ミスティは、女王を倒すのが最優先だと言った。だったら俺は、まず女王を倒し、ギルギスを無視しつ、魔術師の方に向かうだけだ。

そう意識しながら、俺は、玉座にたどり着き、青い炎で燃やすことにした。

「アアアアアアアアアアアアアアア」

不細工の女王は鈍い悲鳴をわめきもだえる。ギルギスは、ようやく炎を抜け出したがもう遅い。これで魔族が増えることはない。後は、ミスティを救うだけだ。


「・・・・・・・・・・・・・・・・」

ん?おかしい!?なぜ奴は女王を助けずにこの光景を眺めているんだ?女王はお前にとって大切の存在じゃないのかよ。



「ギルギス、なぜ助けに来ない!?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

敵ながらなんで俺は本音を言ってしまったんだ。俺は。バカなのか



「ああ、奴は用済みだ」

「用済みだと」

俺はギルギスの言う言葉に理解が出来なかった。そして断末魔の女王の声を聞くと・・・・・

「はぁはぁ・・・・・・・・・・・・オ・・・・・ネエ・・・・・・・チャ・・・ン」

え・・・・・・・・・・・・・・・・今なんて言った。お姉ちゃん?確かに言ったよな。俺は後ろに振り返り、青い炎を消し危険ながら断末魔の方に向かった。



「おいどういうことだ。お前今確かにお姉ちゃんって言ったな。なんでだ説明しろ」

「・・・・・・・・・アル・・・・・・・・・オ・・・・・・・・エ・・・・・・・・ン・・・・・・・シダ・・・・エ・・・ルゼ・・・・・・・ヨ」

ほぼ何を言ってるか分からないが、今こいつ自分の事をエリゼって言ったよな。エリゼ?確か前の儀式で生贄になった幼女・・・・・まさか

最悪の筋書を絵描いた俺は、ギルギスに怒りを込める。



「ギルギス!!!!!!どういうことだ」

「ふっやっと気が付いたか。ここにいる女王は紛れもない。前の生贄の対象者だ」

ギルギスは、すべてを認めゆっくりと階段を上る。



「まさか」

「そうだ・・・・・・お前も知ってるだろう。魔族と人間じゃ子は生まれない。それは事実だ。だが、人間を魔族にすれば問題はないことだ」

「今回の儀式で俺の妹も魔族にするつもりか・・・・・・・?」

「・・・・・・・こいつは小づくりでもう寿命は尽きかけでそろそろ替えが欲しくてな。その為の三ヶ月だというわけだ」

「なぜそんなことを・・・・・・」

「決まってるだろう。種の繫栄だ。そして、再び神に復讐するためにだ。その為に魔術師と協力し人間を魔族に変える法を手に入れた」

ギルギスは、階段を上り終え、さらに語ろうとした。させるか話す前に始末させてやる。



「復讐だが何だか知らないがお前はここで・・・・」

「まあ、話を聞け」

「動か・・・・・・・・・ない」

その時何かの力で俺は、動かなかった。どうやら金縛りにあったらしい。幸いにも青い炎は、使えるが奴は青い炎が届かない距離に戻りだした。これじゃあ届かねえ。



「無駄だ。儂の持つそれは、魔術ではない。お前の炎では燃やせぬよ。お前もインヴィーの魔剣と同じで異なった能力だが対策は同じだ。要は触れなければいいことだ」

「くっ」



「一つ昔話をしよう。はるか昔神と魔族が普通に存在した世界、魔族は多種族とも結ばれる世界でみな平等だった世界だった。中には、よくまみれで人間なども孕ませる罪深き者もいたがそれもほんの一部だ。それでも我らは、エルフやドワーフのような普通な種族だった。あることがきっかけで全てが崩れてしまった・・・・・・」

ギルギスは、険しくさらに話は続いた。



「ある時一人の魔族がとある半神の美しい娘を襲い、その娘は、魔族の子を宿してしまう。その親は、よりによって最上位の神だった。怒りに震えた神は、自分の娘の胎内にある子を切り刻みその後全神を募り、魔族を殲滅しようとさせた。それが、お前達の知ってる『災厄の審判』だ。それまで魔族と縁を結んだのだがこれをきっかけにすべてが崩壊した。神とその他の種族は、一同に魔族を攻め始めた。その規模は、大陸全土を震撼した。魔族側も何度も降伏しようとしたが、神はそれを許さなかった。お前達の知識だと神と魔族が互角の戦いをしたと聞いたがそれはまがい物だ。ただの一方的な虐殺だった。そして戦いは終盤になり魔族が9割も減り数度目の降伏になると神はようやく認めその罰として魔族全てを多種族に欲情させない呪いをかけてしまうのだった。そして戦争の終焉と同時に神は人間に魔術を教え永久とわの眠りをついた・・・・・それが話の真実だ」


ギルギスは、こう語ったが一言言おう。長すぎるせめて三行でお願いします。まあ冗談はさておきなんで奴がそんな話をしてるのか訳が分からなかった。


「そんな話をなぜ俺に聞かせる?」

「それはお前が、俺達と同じ目をしてるからだ・・・・・お前も神に復讐したいのであろう?」

確かに俺は、神を憎んでいるがこいつらと同類扱いだとムカつくな。


「オネ・・・・・・・・エ・・・・・・ぐぐぐ」

断末魔の女王はの方を見ると傷口はふさがってるように見えた。




「そら、さっさとそれを殺せ」

「何?」

「安心しろ金縛りはすでに解いた。どの道、彼女に救いはない。早くしないと理性を失いお前は襲われるぞ」

ギルギスの言う通り金縛りは解かれ自由に動ける。だが魔族になったエリゼにもはや理性はなく俺を襲う満々だった。


「グオオオオオオオオオオオオオオオ」

そしてエリゼは俺を襲う。正直お前との記憶はない。だが前世の自分とリュミエールはお前と親しかった。

「お前を殺したくない。だけど・・・・・・・・・・・」

牙をむいた瞬間俺は、青い炎で、エリゼを完全に燃やし尽くした。そしてなぜか俺は涙を流していた。

「ご・・・・・・・・めんなさい」


俺は、エリゼに謝ると、その灰から声が聞こえる。





ありがとうお姉ちゃん





そう聞こえた。



「何を泣いてる?この程度で泣くとは人間は理解出来んさて儂は、魔術師を・・・・・」

俺は、この時怒りが完全に爆発するのを感じた。俺は自然に手を広げ武器を手繰たぐり寄せる。奴を倒すほどの武器を。

すると、インヴィーが持ってたバカでかい大剣『アビスサイフリート』がそれに反応し俺の手に吸い付いた。そしてその刀身を奴に向ける。


「お前それでも儂に挑むのか」

「ああ。そうだ。正直昔話なんてどうでもいい。初めから言ったはずだぞ。ギルギス!!!!!俺は、お前を・・・・・お前達を殲滅すると・・・・・・・そしてこの手でこの地に蒼い青空を再び見えるように全てを灰に還してやる」





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