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青百合戦記  作者: 夕凪
運命を紡ぐ蒼炎編
18/39

浅はかだった判断

俺は、魔族の一人を燃やし奥にいる魔王ギルギスを見据えていた。

「魔王様、お会い出来て光栄ですが、消えてくれませんかね?」

「何だ貴様!!魔王様に向かって何様だコラ!!!!」

「貴様みたいな猿が魔王様と向き合うなんてしに等しいぞ」

「オラさっさとあの娘を出さんか。あの村がどうなってもいいのか」

「静まれ!!!!」

魔族がピーピーうるさく騒ぐ中、魔王の恫喝によって静かになった。



「娘・・・・その根性気に入った名は?」

「アルマリア ピュールシュだ」

「・・・・・・・そうか。いい女だ。だが我々には、若い娘が必要だ。貴様には用がない」

あくまでも幼女か・・・・・・どんだけそれにこだわってんだこのロリコン魔族共は。

俺は、それを探ろうとわざと挑発しようとわざと胸元を開け谷間を見せようとと考える。

「ほう、こんないい体なのに、それでも興味ないんだ。」

「・・・・・・・・・・・」

魔族が無表情で俺のポーズを見ている。やめてそんなに無表情になると悲しくなる。



「アルマリア君無駄よ。彼らにそんな性欲は無いんだから」

「だけど、幼女を生贄にするってことは理由はあるだろ」

「そんなことよりほら、来た」

俺がミスティと話している隙に魔族が割って入ってそれを妨害する。俺らは、それらをうまくよけながら距離を取る。やばいな。魔族の下っ端達完全にご立腹だな。


「てめえらいい気になるんじゃねえぞ。俺らに逆らうってんならあの村はただじゃ済まねえぞ。おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

ある魔族の掛け声が周りに響きわたる。その声で周りの音が消されていた。



「てめえら終わったな・・・・・・今村内にいる仲間に警戒信号を送った。これであの村の人間は全滅」

「全滅にならないよ」

「何?」

魔族が話す途中でミスティがほくそ笑む。



「悪いけど村にいる仲間はすでに全滅してると思うよ。こちらも何も考えずにここに来たわけじゃない。前もって準備をしたんだよ」

「前もってだと・・・・・・!?」

「そう・・・・・私達が馬車に連れられてる間に魔族に完全な隙が出来てる隙に仲間が一撃で仕留めさせたのさ。戦闘経験があまりない村人でも奇襲で急所を狙えば簡単に仕留められるのだよ」

「ぐぐぐぐぐぐぐぐぐ」

その発言を聞いて、魔族共は悔しがっている。それはそうとミスティどや顔で言うのはいいがネタバレすんなよ。


「だ、だが山間部にいる仲間にも信号は聞こえている。すでに事情を知っている仲間には奇襲もくそもねえだろう」

「そうだそうだどっちみちお前らは終わりだ」

「仕留めろ――――」

そう言いながら魔族はあっという間に俺達を囲み武器を取り出し攻撃を仕掛けてくる。俺も青い炎を使い応戦しミスティはこりなくそれを避け、魔術で反撃しながら解説を続けた。



「確かにそれは厄介だ。だけど、村には、私より上な魔術師が二人と暴走すると何をするか分からない騎士がいるのでね・・・・それは心配ないだろう」

たぶんそれは、フェインズとヘカテ先生とミリーニャの事だろう。確かに彼らの事なら大丈夫だろう。

つまり俺達の作戦はこうだ。

俺達二人が内部に忍び入り城前の結界を解き術師を倒しながら城内の戦力をある程度そぎ落とし、程よくして撤退する。状況がヤバかったら最低でも結界を壊して身を隠すこと。

そして残った戦力で村内と山間に配置している魔族の殲滅を図ること。

この二つの作戦が終えて山間部で仲間と合流した後再び魔城に乗り込み一斉に魔王を仕留める。

これらが俺らが描くシナリオだ。とは言ってももうすでに城内に入り魔王と会いまみえたんだ。俺は、最初はなっから全滅しに来たんだが、ミスティにそれをどうしても止められたからその野望は内心にしまっとこう。


そして現在俺は、周囲にいる魔族を片っ端から燃やしている。

「くらえーーーーーー」

「ああああああああああああああ燃える燃えるぅ!!!」

「何なんだよこの青い炎はよ!!」

魔族は予想通りに驚きを見せ悲鳴を上げる。蒼白に染まった炎は平常運転で魔族を一撃で燃やし尽くしていた。

「くそ何なんだよ!!この女何という魔術の使いこなしは・・・・」

「~~~~~~~~~~~~~」

それに対しミスティは、舞を見せるか如くの魔術の応酬。そして、高速で術を演唱する集中度。仲間の俺でも引くくらいの力だな。そしてそれに加え・・・・

「このアマ・・・・・・・」

「フン!!」

ガンと鈍い音が聞こえた。魔族の一人が隙を突いてミスティに攻撃を仕掛けるが、逆に重たい拳の一撃が魔族を貫いた。

そう彼女の武器は、何もかも見据える理の天眼とテクニカルな魔術に加えての強靭な力を生む強化魔術・・・・・

ホントに仲間でいて良かったぜ・・・・・




「はあっはあっ」

「はあっはあっはあっ」

気が付くころには周囲に近づいている魔族は殲滅はしたが、それでも魔族は減らない。どんだけ多いんだよ。それに対しミスティお前は余裕だな。あれだけ力を使ったのにまだ余裕こいた顔をしやがる。おいおい大丈夫かよ。まだギルギスは動いてねえんだ、いつ攻撃するか分かんねえんだぞ。

「ミスティ・・・・・大丈夫か?」

「ん~~~~んまだ余裕かな?」

まだ余裕かよこの脳筋体力バカ魔術師が、お前の方が芝居上手じゃねえかよ。



そのミスティは、とある方向に指を指すそれは、周りいる魔族の中にいる黒いローブを来た者にだった。

「ねえそこのローブを着てる人ちょといいかな?」

ミスティはそいつに質問するが、返事はしてこない。それでもミスティは話を続ける。

「あなた、残念ながら十八番おはこの『セフィロム・ポルタ』はすでに破ったわよ」

それと同時に魔族がざわめく。

「け、結界を破っただと・・・・・・」

「ほう・・・・・」

ギルギスもそれに対し反応をしたようだ。

「あの魔術は外見では世界最古の硬度をほこる結界。それは大魔導上位席官も認めてる代物・・・・だがそれを残された文献はまだ完全に解明はされてない。未完成の魔術なのよ。そう・・・・私はここに入る前にそれを発動させるための術式をすでに3つも破壊した。あの魔術は十ある魔法陣を設置することで初めて発動できる。ただし一つでも内部で壊せば簡単に解くことができる。それが例え三流の私でもね」


「バカなその場所をどこに設置してるか分からないはず」

「できるよ。私にはそれを感知できる力もあるから」

「・・・・・・・・・・」

魔族の質問にも簡単に返しミスティは、余裕を見せる。それでもなおローブの術師は口を閉ざしたままだ。


「へえそれでも黙ったままなのかい?だったら・・・・」

瞬間ミスティの姿は、消える。いやそれは一般人の見解だ。ミスティは消えたんじゃない。恐らく強化魔術で足を強化して速度を上げたはずだ。

魔族もミスティがどこにいるか探している。どこに来るか分からないので警戒をしている。


「こっちだよ」

その声と同時に風を吹き荒れながらミスティが高速で黒フードの魔術師の後ろに迫ってそして・・・・・

「はあっ」

重い蹴りの一発が脇腹に直撃しそいつは上空に飛ばされてしまった。そしてその風が激しく周りが吹っ飛ばされるほどの力が走っていた。てかこれやりすぎて死んでるんじゃないか?俺はそれに対しめちゃくちゃひいた。


「ミ、ミスティやりすぎだって」

「大丈夫だよ。死なない程度で仕留めたから」

「いやいや死んでるだろ。たぶん天井にめり込んでるだろ・・・・・・見えないけど」

天井はうす暗く見えないが、確実に仕留めたのは確かだろう。そしてミスティは誇らし気な顔で次の相手を見る。


「さあ次はギルギスさんのお隣にいる見にくい魔族の方。恐らく女王の方かな?まずあなたから仕留めるよ」

ミスティは、次の相手をギルギスの隣の玉座に座る。醜い豚のようにブクブクと太ったオレンジ色の球体のような形をした魔族を示す。たぶんそいつはギルギスの奥さんなのだろう。

「あれは生殖するための魔族で力はないがこれ以上雑魚を生ませたら厄介だしね。サクッと終わらせて撤退するよ・・・・・・・アルマリア君、君はギルギスの足止めをお願い。」

「分かった」

「くそっ魔王様と奥方を守れここを防衛するんだ。

指示が終わり俺達は、魔族の群れを駆け抜け玉座に向かうとした。だがそううまく行かず魔族の壁が立ちふさがる。いいぜこいよ。返り打ちにしてやる。




「まて!!」

攻めようとしたがギルギスの声で周りが止まる。もちろんそれを無視して攻撃しようとしたができなかった。なぜなら奴の言葉で重みがあるように感じ攻めれば逆にやられる程の殺気が声に秘めていたからだ。


「なにかなギルギス。もしかして降参かな?別にいいけど、それをするならそれ相応の態度を示した方が・・・・」

「うぬらは何か勘違いしておられるな」

「勘違いだと?」

「何だ?気が付いてないのか。うぬらが倒してと思っている魔術師はまだやられてない・・・・いやそもそもこの部屋になんて始めからいないはずだが」

「何ですって。嘘だよ。この眼はまだあの魔術師の力を感知して・・・・・・・・・・ああそうか・・・・」

ミスティが喋る途中で声を失い何かを悟るかのように驚愕をしていた。

「ミスティどうかしたのか」

ミスティの姿はおかしい先程の余裕感から逆転し完全におかしく震えていた。

「やられたよ・・・・・・・どうやら私達が挑んだ魔術師は相当な切れ者だったよ・・・」



そして気が付くと部屋の外観が変わり広くなっておりそしていつの間にか先程の3倍ほどの魔族に取り囲まれている状況になっていた。

「え?こいつらいつのまに?こんなに多く増えてんだ?」

「・・・・簡単だよ相手も幻惑魔術を使い戦力を誤認させたんだよ。つまり最初からこの数以上の魔族に戦いを挑んだんだよ。

「何だって」

「今頃気が付いたか。ここは俺の部屋じゃない。ここはお前達を懐柔をする奴隷部屋なのだ。まあ一つ誤算なのは、本当はもっと長く惑わせて作業を始めたかったがどうやらお主の青い炎のせいでその効果を弱めたらしいな」

「くっだったら魔術師はどこにいるんだ?」

「さあな恐らくお前達が堕ちるところを高みの見物するためにどこぞの部屋にいるはずだろう」

「くそっ、おいミスティ魔術師はどこにいるんだ?お前の眼なら分かるだろう」



俺は、ミスティの方に向くがオドオドしてをして完全に戦意を失うように見えた。

「分からない。分からないんだよ。あの魔術師の居場所が・・・・それどころか破壊したはずの魔法陣も増えているどうなっているの・・・・・・・もしかしてあの魔法陣を壊したのも錯覚?はははははははははははあはははははははははははははは」

ミスティは壊れたように高笑いをして、そして右腕から術式のようなものを展開する。すると黄色い閃光が走り、とたんにブチ切れて・・・・・魔術を放った。



「ふざけんなあああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


ミスティの怒りを現わすかように黄色い魔術の砲撃がギルギスを貫こうとする。だがそれは命中することはなかった。その攻撃はとある魔族の大剣によって無効化にされていた。



「そ・・・・・そんな」

「よくやった。インヴィー」

どうやらインヴィーと名乗る体長3メートルをほこる甲冑を来た魔族が持つ巨大な大剣がミスティの魔術を打ち消したようだ。そしてその魔族が俺達の前にゆっくりと歩み始める。



「娘・・・残念だったなこの私が持つ魔剣『アビスサイフリート』の前にはどのような魔術をも受け付けない」

「な。なんだよ。このバカでかい剣はよ・・・・」

その大剣はただでさえ巨体なインヴィーの体型より巨大で片手では無理な大きさにも関わらず奴は平然と振り回していた。


「確かにこいつは5メートル程のバカでかさだが私の力さえあれば振り回すことなど朝飯前だ。お前達も以前来たろくでなしの騎士みたいな末路に会うからな」

「ろくでなし?もしかしてミリーニャ達の事か?」

「??なるほど。彼らは、お前達のいる村にいるのか?ふっそれでもいい。彼らは弱かったがもう一度挑むと強くなっているかも知れない。お前達を倒して彼らをもう一度返り打ちにしようか・・・・・」

どうやら、ミリーニャ達はインヴィーと言う魔族一人によってやられ捕らえられたらしい。いやそんなことはどうでもいい。周りは敵だらけどうすればいいんだよ。



「ミスティどうすればいいんだ?」

「・・・・・・・・・・」

「しっかりしろ!!!!!」

「はっごめん、アルマリア君」

俺は、戦意を喪失したミスティに喝を入れ我に返らせた。


「ごめんなさいアルマリア君・・・・・私あいつらの事正直舐めてた」

「愚痴はいい。これからどうするんだ?」

「とりあえず私は、あの魔族の壁を押しのけて奥にある部屋の扉を出て元凶の魔術師を探そうと思うの」

俺達は魔族の壁の先にある扉を見つめる。

「よし分かった。俺はこいつらを薙ぎ払い退路を開く。ミスティその間に魔術師を探せ」

「分かったわだけど・・・・・」

「ああ、ヤバかったら撤退する。約束だ」

「うん・・・」

俺ミスティにはガッツポーズをし安心させて、その後俺達は、扉に向けて魔族に突っ込む。それと同時に青い炎を展開する。



「いくぞおおおお」

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

青い炎を扉の向こうまで燃やし魔族を焦がし炎の道を作る。その間ミスティはその道を全速全身で風を斬り走る。ミスティは強化魔法で速度を上げたので難なく扉の前にたどり着いた。



「アルマリア君ゴメン・・・・」

そしてミスティは、扉を開け俺に別れをいい先に進んだ。ああミスティ・・・・・また会おうな。この戦いが終わったらな。


「何をしている。奴をおえーーーーーー」

俺はミスティを追ってる魔族を青い炎で道を封じた。だがただ一体それでもなお突っ込む魔族インヴィーが持ち前の大剣で青い炎を打ち消し扉に突っ込もうとしている。



「させない。この身はギルギス様の為に誰も逃がしはしない」

「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁ」

全速走るインヴィーに対し俺は青い炎をジェット噴射の如く加速し扉の前にあっという間にたどり着きその間に拾った斧を青い炎で覆い向かいうつ。


「ああっ」

大剣と斧のぶつかり合いで周りが響きあう。所持した斧は崩れ落ちたがそれでもインヴィーを阻止しミスティを先に進んだ。


「ふっどうやら娘は行ったがお前一人でこの数の魔族にどうするつもりだ」

インヴィーの後ろにはあれだけ倒してもまだ多くの雑魚魔族がいた。クソッタレめ・・・・・

確かに奴の言うとおりだこの部屋には、俺以外敵で仮にこの魔族の群れを倒したとしても奥にはまだギルギスと女王がいる。しんどいがそれでも俺は青い炎を纏いいばらの道を進むことにした。



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