この戦いの先の事・・・・・・・・・
俺とミリーニャはテントから出て、緑の空間にて、対峙をする。もちろん俺の意向ではない。彼女は、無理やり戦えって言ってるから仕方ないことだ。しかしなにも真夜中でやることじゃないだろうに。
「ミリーニャなんで俺と戦うことになったんだ?」
「そりゃ、君と戦った後のせいか興奮してあまりにも寝付けないからね。退屈しのぎでここに来てしまったよ。そういう君こそ起こされたのに機嫌が悪そうにも見えないね」
「・・・・・・・そうだな。不思議にな。お前に起こされたのに、怒る気もならない。もしかしたら昨日は寝すぎたせいで、体がなまっていたせいかもな」
今の俺は、眠たい気分じゃない。なぜならこんな空間にいるんだ。退屈でしょうがないから気を紛らせたい気分でならなかったからだ。
その時ミリーニャは、腰に下げていた、木の剣を俺に投げつけ、俺は、慌てながらも受け取とった。
そしてミリーニャは、構える。
「来なよ。お互い退屈な人間同士派手に汗をかこうか。別に青い炎は使ってもいいよ。僕はこれでも魔術は使えるんだ。体中に何重のも結界を張ってやるよ」
ミリーニャから静かな風が吹き音が聞こえる。どうやら結界を張ったようだ。
「いいのか?俺はまだこの力の事を知らない。お前にもしなにがあった・・・・」
俺が喋る途中に、ミリーニャは、飛び出し涼し気な表情で俺の喉元を突こうとした。
俺は、咄嗟に来た一撃で驚きその反動で俺はのけぞり後ろに転んでしまった。
「痛ッ」
「話は、もう終わり・・・・ほら来なよ。さあボクを楽しませてくれよ」
「やろぅ。どうなっても知らねえぞ」
ミリーニャの顔は、先程までニヤニヤしてた表情が消え、戦う戦士・・・・・いや騎士としての顔をしていた。それに対し俺は、右手から青い炎を灯す。
「来たね、来たね青い炎を・・・・・・・ボク、なんだかわくわくしてきたぞ」
ミリーニャは、念願の青い炎が来て興奮した顔で舌をなめずりする。やれやれお前はどこの戦闘民族だよ。
ミリーニャが足を動き出そうと音がする瞬間俺は、周囲炎を囲ませミリーニャを包ませようとする。
だが、相手は俺の想像を超える速さでかわし、この空間に縦横無尽に動き回り俺を翻弄しようとしていた。
くそ、何て速さだよ。これが、けが人の動きなのかよ。・・・・・・これじゃあ騎士と言うよりどちらかというと忍者じゃねーか。
彼女の速さは、炎をかわしながら徐々に俺に近づこうとしている。
「どうしたのさーーーーーアルマリア?君の力はその程度かい。ボクそろそろ攻めてもいい?」
「だったら」
俺は、さらに巨大な炎でミリーニャの周囲を青い炎で覆わせる。この炎は攻撃用ではない。これによってミリーニャの移動範囲を制限するフェイク。この天にも届きそうな炎で、俺の姿をくらませ、相手に隙が出た時に、俺が持ってる木剣で攻撃をする算段だ。
「おおーーーーーー凄い凄いさらに勢いがある炎じゃないかーーーーー」
ミリーニャは余裕気に口笛を吹きその炎を眺めている。舐めやがって。
良し、相手は、油断している。この隙に俺は、後ろから奇襲を駆けmこの木剣で頭を軽く小突いてやる。
俺は、燃え盛る青い炎から飛び出し、後ろから攻めようとするだが・・・・・・・
「甘いよ・・・・・」
「なん・・・・・・・だと」
ミリーニャは、その一撃を華麗にかわし、俺の腹に蹴りを入れる。さほど痛くなかったが俺は軽く飛ばされた。そしてそれと同時に青い炎は消えてしまった。
「確かにいい作戦だけど爪が甘いよ。ボクにはこんな小細工は通用しないからね」
「くそ・・・」
ミリーニャはゆっくりと近づき木剣を俺の額に近づけようとする。
「ほらこの距離で青い炎を出したら君も巻き込まれるよ・・・・・君の青い炎は強力だが、接近戦には向いてない。それが今ある君の弱点・・・・・・」
「・・・・・・」
ミリーニャは、俺に斬りかかろうとしない。俺が立つのを待ってるらしい。俺は、とりあえずゆっくりと立ち上がり、緊張し手汗が染みる木剣を震わしながら構え斬りかかろうとする。
だが俺の一撃、一撃は、華麗に避けられ、当たろうとしなかった。
「そして、剣術も疎い。どうする、一回間合いを取ろうか?そしたら青い炎を使うことが出来るよ」
「舐めるな・・・・」
俺は、挑発になりながらも、木剣に炎を纏わせる。これなら、接近戦にも通用するはずだ。
だがこれは、あまりにも強力な炎で、自分の装備が燃え尽きるのが弱点らしい。
だがミリーニャは、それを待ってるらしい。だからその為にも俺を挑発させたんだ。これからの魔王軍の戦いの為に・・・・・・だから俺は、その期待を応える。
俺は、取り憑かれたように自分の力を青い炎に預け攻める。どうやらこの炎は自分自身を乗っ取らせることもできるようだ。
気のせいか斬撃の速度早く剣圧が重く感じ俺は、ミリーニャの激しい斬激の嵐を受けれるほど上達していた。
「ツア!!!」
「ぐ・・・・・・・重い」
木剣同士が激しくぶつかり合い、周囲が衝撃で木霊し震えている。だがそんなのは関係ない。今彼女は、先程から余裕が消え焦っている。木剣は、青い炎に耐え兼ねあっという間に黒く変色している。さっさと決めないと・・・・・・・・
「これで終わりだ!!」
「ならこっちも、ボクの力を解放するよ」
思い俺は、力を込め渾身の一撃を纏わせぶつける。ミリーニャも今まで使わなかった魔力を覆わせ、木剣を白く発光させ全力でぶつけようとしていた。そして相互の一撃が交わり、衝撃が走るように感じ俺は、その風圧で吹っ飛んでしまい。気が付くと地面に倒れていた。
砂煙で曇ったメガネを即ふき取り、俺は立ち上がり、今の状況を見るために俺は起き上がる。
「ん?どうなったんだ?」
まわりは土煙で見えないが、人影が見えるどうやらミリーニャのようだ。姿は見えないが無事らしい。
俺は彼女に近づくべく進もうとすると、近くに何かが降ってるように見え俺は、それを受取ろうとした。
それは、ミリーニャが被っていたキャスケット帽だった。
「あああーーーーーーーボクの帽子返してよ」
声が聞こえ土煙からミリーニャは、飛び出し俺に近づいてきその帽子に指を指していた。
彼女は、土煙で汚れながらも平気な表情をしていた。いやそれよりも俺が注目したのはそれじゃなかった。
「ミリーニャお前無事だったのか・・・・・・ってえ?」
「んどうかした?」
「お前、猫耳が・・・・・・」
俺はそれに指を出す。それはミリーニャから茶色の猫耳が可愛く生えているのが見えた。ミリーニャは俺のリアクションを構わず俺からキャスケット帽を取りそのまま被った。
「ふうこれで落ち着く・・・・・・ってどうした?」
「どうしたじゃない。お前獣人だったのか?」
「獣人って今はそんなに珍しくないだろ・・・・・・・あそうか君まだこの世界に来てこの山から出てないんだな」
「ああ。この村に獣人とかエルフがいなかったからもしかしてこの世界に人間と魔族しかいない世界と思ってたからな」
「とりあえず今日は止めといてそのことに話そうか」
ミリーニャは腰を下ろしたので俺も一緒に座る。
「どうボクの猫耳?」
ミリーニャは再び帽子を脱ぎ猫耳を見せる。
「まあ、可愛いと思うぞ」
俺は、照れながらも感想を言う。すると、ミリーニャは含み笑いをしていた。
「なにが可笑しい・・・」
「まさか・・・・・いいまさらこのことで驚いている奴がいるなんて思わなっかったよ」
「しょがうないだろこの世界に来たばかりだしこの村に来てから人間と魔族しかあってないからそりゃ驚くわ。もしかしてお尻に尻尾生えてないよな?」
「生えてるよ。なんなら見る?」
ミリーニャは、お尻を向けズボンを脱ごうとする。
「分かった分かった。脱がんでいい」
「ええ~~いいじゃないか。女同士だし~~~~~」
「やっぱいい分かったから」
俺は、目を隠しミリーニャのお尻を見ないように目を塞ぐ。くそなんで見ないんだよ。本当は見たいのに見る勇気もない。俺はヘタレすぎる。そう思いながら俺は、地面を拳を叩き付け殴りつけた。
そして俺は、目を隠しながらあることを考えた。
「そんなんだからお前は、拘束されて魔族に犯されるんだ」
「ムッまだ犯されてないよ―――――------だ」
ミリーニャは膨れた顔でムッとした顔で魔族に拘束されて犯されてないと言っているようだ。何を言ってるだ君は?普通女騎士は、拘束されるとオークなどの魔族は犯そうとするんだぞ。あくまで二次の想像だがな。
「そもそも魔族は人間相手には性欲は湧かないらしいんだ」
「マジ?」
「マジだよ。っていても昔は、出来るようになったんだけど神様がそれに怒り出してそうさせないために呪いでできないようにってさ」
神様がそうさせたってこの世界の神様は同族愛萌えかな?
「と言うか。お前に女としての魅力がないんじゃ・・・・」
「それどういうことだよ~~~~~~」
「バカ、近寄るな」
ミリーニャは、下半身脱いだまま俺に詰め寄る。俺は、下半身を見ないように必死に目を隠す。
くそーーーーこんな事なら前の世界でさっさと志和さんと初体験して女の体を慣れるべきだったんだ。そう思いながらこのくだらないやりとりがしばらく続いた。
ようやく事が落ち着きミリーニャが、ズボンを履くのを確認すると俺は、話を戻そうとする。
「なあ・・・・・・・・この世界に獣人やエルフなどいるのか?」
「いるよ普通に・・・・」
ミリーニャはそう答えた。どうやら本当に魔族以外の異種族がこの世界にはいるらしい。
俺はそう思うと不思議と嬉しく思えた。
「なんだよなんだよ。さっきはお尻を見ようとして目を隠そうとしてたのに今度は含み笑いか。いやらしいな」
「うるさい!!」
ミリーニャのからかいがしばらく続きながらも俺とミリーニャはさらに話を続けた。そして、とある問いに俺は、固まった。
「なあアルマリア。君はこの戦いが終わったらどうするつもりなの」
俺はそれに対しなかなか答えることは出来なかった。俺はこの先のことなんて考えてなかった。俺はただこの世界で、俺の前の人格のアルマリアに託されて、魔王ギルギスを倒し妹を救うことを目的をしていたからそれ以降の事なんて考えてなかった。
しばらく沈黙が続く中俺は、口を出す。
「さあな、それはまだ考えたことはない・・・・・・・だけど俺は、この戦いが終わったらこの世界をゆっくりと旅をしたいと思う。今度こそリアルで充実をした人生を歩みたいと思うんだ」
「そうか・・・・・・」
ミリーニャは急に立ち上がった。
「じゃあボク帰るね」
「ん?もういいのか」
「うんいいよ。それより寝付けなくて無理やり試合を申し込んでごめんな。ボク興奮すると周りが見えないって周りからよく言われるらしいんだ」
「そうなのか?」
「じゃあまた明日おやすみこのことは副隊長達には内緒ね」
ミリーニャは舌を出し手を振りながらこの結界を出ていた。
俺はそれを見送りながら、しばらくこの緑色の空間をしばらく見つめ今後の事を考えた。




