協力して
俺は、あの後服を着替えなおし、落ち着いたところで、外でまたしてたミスティの仲間がテント内に入ることになった。テントの中には、俺を含め四人が入っており、その中で、話を聞くことにした。
まず、キャスケット帽を被った女が手を挙げた。
「では、まずボクから紹介するね。ボクの名はミリーニャ カマベル18歳。一応騎士団では剣士をやっているからよろしくねーー」
「ああこちらこそよろしく」
ミリーニャと言う女はうきうきで自己紹介をし握手をした。見た目が野生児ポイ彼女はどうやら剣士らしい。
「騎士?」
「そう、ミリーニャはここにいる三人の中では剣士なの。つまり剣術においてはかなり優れているの」
「姉さんそんなに褒めると照れるじゃないか~~~~~」
「その代わりこいつは頭があれだけどな・・・・・・」
「ちょっとお!!副隊長それどういうことだよーーーーー」
「事実を言ったまでだ・・・・・命令無視や単独行動を良くする奴だからな。少しは上官の命令を聞いたらどうだ?」
副隊長と呼ばれる男は呆れてため息をついた。
「ムッボクと同年代の癖に生意気いっちゃってさ」
「はいはい、後で言っとくから気にしない気にしない」
ミスティは、拗ねたミリーニャを頭を優しくさすり励ませ、それに対しミリーニャはそっぽを向いて赤くなっていた。う~~~ん騎士ってのは、いろいろいるんだなぁ。
「で、こっちのひねくれているのは、我が小隊の副隊長・・・・・・フェインズ ブルノ。ちなみに得意魔術は土の属性よ」
「よろしく」
フェインズは俺が燃やしたゴーレムの残骸を調べながら返事をした。見た感じ頼りなさそうに見えるけど大丈夫かな?という不安感は俺にはあった。だって土属性って強いイメージないからなぁ。
「副隊長ってことは。いま残っている小隊の総指揮をしているのはこいつなのか?」
「そうなの。隊長はあの時広場で殺され、実質残ってる彼がここのボスってこと」
「でもなんか・・・・・」
「分かる分かるボクも彼の事を見ると頼りないって思ったんだ。ははははははははははは」
ギロリ
「ひっ」
フェインズは、ミリーニャに眼を飛ばし睨みつける。ミリーニャは震えたようにプルプルしてなんか猫のように可愛く見えた。
「まあ確かに彼は、あれだけど、魔術の才能や人を指揮する力は、私より上だからね」
あのミスティより魔術の才能があるって、どんだけ強いんだよこいつは・・・・・・・
「で、残りの仲間は、まだ診療場で療養しているから無理だけどこの二人は、まだ傷は完全に癒えてないけどそれなりに戦えると思うわ」
確かに仲間が増えるのはいいがこの二人の体の数ヶ所には、痛々しい傷が残っていているのが見えていてなんだか可哀想に見えてきた。
「おい、あんた今俺らの事を哀れみな顔で見てたな」
俺がは、言葉通りに哀れみの表情をすると、フェインズが睨みかかってくる。
「言っとくが勝手にやられたのは、俺らの責任だ。あんたは関係ないことだ。そんな顔をするとイラつくんだ止めてくれ・・・・・・・・・」
「そうだよ。ボクらの力不足だからしょうがないけど今度こそ、魔王軍をやっつけてやっぞ」
フェインズとミリーニャは、あれほどの拷問を受けたのに、それでも心を折れずに立ち向かおうと奮起していた。
どうやら心配はいらなかったらしい。彼らは、一度敗北しても立ち上がってくる。・・・・・・・その勇気俺も欲しいもんだ。
「アルマリア君次は君の番だよ。どうか私の仲間の前に自分の事をアピールしてね」
そうか最後は俺か・・・・・・よしこれから共に戦う仲間の前にかっこよく紹介するぞ。そう思いながら立ち上がった。
「じゃあ最後に・・・・・・俺の名前は、アルマリア ピュールシュ見た目は、エロい体のオッパイメガネッ娘だが、こう見えても前世は、男でいま第二の人生を歩んでいる。前世は、何のとりえのない劣等生だが、この世界に転生した俺の武器は、青い炎だけだ。それしかないが、魔族を一撃で葬った力を持っている。最近の悩みは、このエロい体をエロい事が出来ないことだ。それを解決できれば、エロい事何でもやろう。レズプレイ、コスプレ接客なんでも上等だ。だが男とやるのは、勘弁だ。心は清らかな男のままだからホモではない。とにかく、転生したばかりだけどよろしくお願いします」
俺は、そう言うと深く頭を下げる。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
その時周りは凍り付くように静かだった。うわすべった。正直緊張しすぎて後半何言ったか分からねえ。超恥ずかしい。その後俺はゆっくりと座る。
「ははははは、素晴らしい紹介ありがとう」
ミスティとミリーニャは苦笑いしながら重く拍手をした。
「と、いうかあんたの事は、ミストラルさんから大体聞いたから紹介しなくていいけどな」
「じゃあ最初から紹介させんなや!!!!」
「ははは、少しすべったけどこういうムードメーカはチームに必要だからいいんじゃない?」
「すべったいうな。大体ミリーニャお前の方が十分にムードメーカーじゃねえか。俺より濃いキャラはお前くらいだよ」
「それは、同感だ」
「なんだよなんだよ・・・・・・ボクの事を変人扱いしちゃってさ」ムスッ
「アハハハハハハハハハハハハハハハハ」
俺らが下らない争いをするとミスティは笑い出した。
「アルマリア君良かったね。あっという間にここに打ち解けいて」
そうだミスティの言う通りいつの間にかここにいる仲間と打ち解けていたようだ。
「ミスティ、ミリーニャ、フェインズありがとう。微力ながらも俺も、戦いたい協力させてくれ」
三人は、頷いてようやく仲間として認められたようだ。
「じゃあ自己紹介も済んだし、君が村から離れた後の事を説明するね・・・・・」
ミスティは、副隊長のフェインズに相づちをいれ内容を説明する。
「狭霧の儀式まで二日きり村人は、儀式の準備に勤しむ中で、魔族が頻繁に見回りにきたね」
「それって害はないんだよな」
「当り前だ、誓約には、こちら側から手を出さない限りには向こうは手を出さないがな・・・・・・っと言ってもあんたが俺らを助けたせいで、魔族側から怒りをかっているから約束は必ずしも絶対ではない」
やっぱり俺が彼らを助けたせいで村人に被害を及ぶのかよ。そう思いながら俺は、肩を落とす。
「アルマリア君心配しないでそのための作戦はきちんと考えたの・・・・」
落ち込んだ俺にミスティは、優しく肩を撫でた。
「え?どういうことだ」
「君は、すでに死んだことにさせたのさ」
「??」
ミリーニャの言っていることは分からなかった。俺が死んだことになるって?
「今日の昼頃、広場で君の死体が見つかったの・・・・・もちろんそう仕向けたのは私達だけどね」
「簡単に言うと、あんたが死んだおかげで魔族側から脅威を去ったとされて魔族からの怒りは、去ってしまったけどな」
どうやらミスティ達は、俺の死を偽装させることで魔族側から村に怒りをぶつけるのを防いだようだ。
「だけどどうやって
「俺らは、すでにあった隊長の死体を、あんたの。顔、体型に組み替えて再構築させたんだ」
「再構築そんなことも出来るのかよ」
「勿論、難しかったわ。だけどね、この村には、その系統が得意な人がいたのよ」
「誰?」
「診療所にいた先生よ・・・・・・・あの人は、ヘカテ先生と言って元は、王都の有名な医学者だったのよ」
え、あの人王都では、そんなに有名だったのかよ。知らなかったなぁ。ん?そう言えば俺の親父の師だって言ってたな。今度先生にあったら聞いてみるか?
ん?それより俺が死んだことってリュミエールや叔父さんはどう聞いたんだ。
なんでそんなこと忘れるんだ。俺の大バカ野郎が。
「ヘカテ先生は、元々戦争が嫌いで医療班とはいえ弟子を戦争に出させるのは嫌だって噂されてた。その代わり、王都でを臆病者扱いされたけどな・・・・」
「フェインズ、先生の話はいい・・・・それよりリュミエールはどうなったんだ。俺が死んだって真相を聞いてどう反応したんだ?」
俺は、静かに怒りを持ちながらその話を持ち掛ける。
「・・・・・・・・・・」
「おい!!!!黙ってないで答えろよ。それを見てリュミエールは、どう反応したんだよ」
「アルマリア君心配しないで。君が実は生きていることは、ピュールシュさんには説明したから大丈夫だよ。ただし安心したことを魔族に悟られないないよう自宅待機にすることを呼びかけた」
「そ、そうか」
俺は、二人が俺が事実は生きてることを知ると、落ち着くようになった。そうだよな。外に出れば、魔族がウロウロしている。その中には心が読める奴がいるから自宅にいるのは、いい判断だ。
「本当は、あの家族にあんたの死を悟られない方が効率がいいが残念ながらあんたの力は、おかしい。無理に煽ってこちらが全滅すると迷惑なんでな・・・・・・・その証拠にあんたの左腕にいつの間にか青い炎が灯っているぞ」
俺はいつの間にか燃えていた左腕に気づくと消すようにした。
「本当だよ。君の力は凄すぎるよ。ほら見てボクと戦った時に使った剣もほら使い物ならないだろ?」
ミリーニャは、そばに置いた剣を抜きそれを見せると先程俺が防いだ剣が黒く焼き焦がれ使い物にならない代物になっていた。
「なあこの俺の力の正体誰か知ってるのはいないのか?」
「残念ながら君の青い炎の詳細はまだ分からない。こんな青い邪悪の陰気を放つ炎は、今まで記された書物では見たことないよ。ただ一つ分かるのは君の炎は魔術を消すことが出来るだけだよ」
魔術を消す?確かにそうだよな。あの時霧を消したりすることが出来たのはこの力のおかげなんだそれなのになぜか悔しさが止まらなかった。
「そうか・・・・・・・・・・」
「どうしたのさーーーーーアルマリアーーーーーなんか元気がないよーーーー」
俺は辛気臭い顔をするとミリーニャが声を掛けてきた。
「それなんだけど・・・・・・俺なんか不安になってしまった」
「何がーーーーーー?」
「いや俺の力本当に魔王軍を倒せるかなって思っちまってさ。ほら昨日せっかく魔城に踏み込んだのに、訳の分からない結界ごときを壊せることが出来なくて、この力は最強かどうか分からなくなっちまった」
俺は、悔しく腕を握りしめた。そうだ俺の力は強い。魔族やゴーレムなどを倒すことができる。だけど壊せないものを知ると一瞬に劣等感を抱いてしまう。
その時ミスティは、俺の手を優しく両手で握りしめた。
「大丈夫だよ。アルマリア君君は強いよ。そうだよねフェインズ?」
「そうだ」
「あんたがあの時壊せなかったのは、原初の魔法『イニティウムスキル』の一種だから壊せなかったんだ」
「イニティ・・・・・・何?」
「イニティウムスキル・・・・・・原初の魔術神が使った奇跡の法・・・・・・私達普段使っている魔術の原初よ」
「ああ、恐らくその一つ『セフィロム・ポルタ(生命の扉)』と言う超高度の魔術らしい・・・・・・」
原初の魔術?なんか分からなくなってきたな。
「それを破る方法はあるのか?」
「ない・・・・・だがそれを突破する方法はある・・・・」
「信用していいのか?」
俺がそう言うとフェインズは、静かに頷いた。
「大丈夫だよ。副隊長と姉さんなら何とかしてくれるよ」
「・・・・・・・分かった。その作戦を教えてくれ」
「良し・・・・・・そうと分かれば、作戦を練ろう。もちろんミリーニャ・・・・・あなたも考えるのよ」
「えええ~~~ボク考えるのヤダな」
「ハハ」
こうして俺らは、夜深くまで魔城の結界を夜深くまで考えるのであった。
そしてしばらく時間がかかり築くと夜の10時頃になった。ここの結界は日中緑色の空だが恐らく外では、真夜中だろう。ミスティ達は、ここを後にして、村に帰るようだ。ちなみにフェインズは、診療所でミリーニャは俺はかつて使った部屋で寝るらしい。
そして、その三人は、あくびをしながらここを去ったのであった。
確か儀式は明後日の夕方ごろだったな。作戦も考えた。これなら魔城に入り、魔王を倒せる。
俺は、そう安心をしながらテントで眠りに付くことにした。
そして、俺は、真夜中に急に眼を覚めた。もちろんトイレではない。何か不気味な音がしたので、俺は、即メガネをかけてテント内の明かりを付けて周りを見る。すると目の前には見慣れたキャスケット帽を被った少女が俺の顔を覗き込んでいた。
「やあ、こんばんわ。アルマリアーーーーー元気か?」
ミリーニャは、ニッコリ笑って片手で手をひらひらしながら挨拶した。
俺は驚きながらも状況を整理する。何だ?夜這いか?確かこいつミスティにベタベタしてたな。こいつもしかして俺の体狙いのレズじゃないのか?
「どうしたのさーーーーーそんなに顔を白くしてさーーーーーー」
「お・・・・・・まえ何でここに?」
「やろうよ・・・・・・・」
「え?」
やろうよ?やっぱこいつもレズじゃねえか。確かに数時間前にレズプレイ上等とか言ったが急に来ると緊張するじゃないか。
「だからやろうよ。あの時の続き。決闘を」
「は?」
決闘って、何?




