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青百合戦記  作者: 夕凪
運命を紡ぐ蒼炎編
13/39

入浴中での戦闘

「う~~~ん眠たい」

俺は、深いあくびをして目を開け、頭に何か違和感があるか自分の頭を触る。そこには寝る前に、メガネを外し忘れたか、すでにメガネをかけており、しかも頭にぐるぐると包帯が巻かれてたようだ。

頭がボーとしながらも周りを見る。黒色の背景で俺が今寝てる布団とそばにあった木箱以外何もない。そんなテントのような内装に俺はいた。

そして俺の体を見ると、頭だけではなく包帯がそこら中に巻かれたいた。アレ?確かこんな事前にもあったような・・・・・デジャブかな?

俺は、頭を押さえ考える。・・・・・・・・そうだ思い出した。俺は、確か広場で魔族に逆らって追放され、さらに魔王がいる城に侵入失敗したところにミスティに助けられられて。ここにいたんだった。



俺は。寝すぎたせいかはたまた、外傷があるかとにかく頭が痛く感じた。とりあえず、外の空気を吸うべくテントの外に出て、息を吸いなおす。

俺は、改めて周りの世界を見わたす。ここは昨日ミスティが俺の身を隠すための世界・・・・・・・・ここにいる限り、魔族どころか村民でさえ干渉されることができない幻惑の要塞だ。



それにしても見渡しても怪しい空間だなここは、周りが緑色で異様な雰囲気が漂ってこれじゃあ霧が濃かった元の世界と変わらねえじゃねえかと思いながらも俺は、一度テントに戻って改めて木箱の中身に注目する。



その木箱には、何かが書かれている手紙が置かれていた。

「何だこれ?」

それを見ると、どうやらミスティが俺の為に書き残した物のようだ。字面は見たこともない字のはずだがなぜか読める。そんなことはどうでもいい。俺は手紙を読み上げる。



『アルマリア君おはよう。と言ってもこれを書いたのは、昼頃だから、こんにちはかな。

今私は、霧の調査だけではなくあなたの為に色々と作業をしているからここに一度戻ってくるのは夕方くらいだと思います。

君はいい子だと思うからここで待っててね。いい子にはお姉さんからご褒美あげちゃうゾ♡

それよりここに入っている物は君の日常の役に立つものだから遠慮なく使ってね。

ではまたね。

PS、ちなみにこの結界を破壊して外に出ようとすると、君の体に刻んでいる呪いが発動するからここから出るのは控えるように♡これは脅しじゃありません。

ミスティより』


甘ったるい文字で半分脅しに近い文章を残してくれたようだ。っていうかなんだよ呪いって、何勝手に俺の体に何仕込んでんだよ。

俺は、その手紙を目を背けて木の箱を開け、中身を開ける。

そこには、着替えや食料などの必要なものが入っていた。

俺は、まずその中にある時計を手に取り今の時刻を確認する。時計の時刻は4時を示していた。


「今は4時くらいか・・・・・・ってことはあれから結構寝ていたのか?」

予想外の時間で俺は、度肝を抜かれた。ってことは、儀式まであと二日ってことじゃないか。なんてっこった。俺はそう思いながら、頭をガシガシとかきむしった。



寝すぎたのはしょうがない。たしかあいつが帰ってくるのは夕方だったな。それまでに俺は、中に入っている、パンを手に取り食事をした。



食事を終え、俺は、時間を見るまだ5時前だ。確かミスティは夕方に一度ここに帰ってくるから、まだあるな。そう思い俺は、再び、木箱の中を漁る。すると、俺は、その中にある数枚の魔法陣が刻まれている本の切れ端のようなものを見つけた。どうやらこれはミスティが俺の為に残してくれた魔法陣のようだ。

確かあいつは遠慮なく使ってって言ってたからお言葉に甘えて使うとしよう。そう思いながら俺は、外に出る。


その切れ端の中から何を使うか悩む中俺はとあることを考えたそれは、一度風呂に入りたいと考えた。なぜなら昨日は、数時間以上森にさまよい青い炎を使いまくったおかげで汗がにじむから、そう思ったのだ。

その思いが通じたか、一枚の切れ端が風に吹かれるが如く宙に舞い地面に落ちる。

すると、一瞬魔法陣が浮かび出てそれと同時に地面が割れる音がした。


「何だ?何が起こったんだ?」

その後、地面は、うねりながらも土俵と同じ大きさの円にへこみ出した。そして、そのへこみから温かな温水が出ていていた。そしてあっという間に俺の目の前に温泉のようなものが出現しており、その後あの切れ端は白紙となって俺の方に帰ってきた。


「すごいな・・・・・・・どうやらこの切れ端は俺の願いをかなえてくれるようだな」

まさか彼女からこんな便利なものがもらえるなんて嬉しいかぎりだ。そう思いながら俺は、切れ端をしまい木箱の中にタオルを取り出し温泉に入る準備をする。


湯船の広さは、一人はいるのにちょうどいい広さだが、この不気味の空間に一人入るのはやや不安だが俺はとにかく汚れた服を脱ぎ包帯をすべて外して全裸になることにした。

そして俺は、湯船につかり、一息をつく。傷はまだしみるが、自然と治癒をしてくれるように感じがする。

これはやっぱり温泉効果なのか?


それにしてもやっぱまだ女になった体にはなれないな俺は改めて自分の身体を見る。

服を脱ぐにしてもなんか照れるし、なかなか直視できない。自分がこんな豊満な体を持つなんて信じられないくらいだ。俺は、湯船に浮かぶ二つの胸をみてそう思った。

いやらしいことをしようとしても興奮しすぎて出来やしない。これも俺が生前童貞だったせいなのか。

俺は、湯を口に含みながら、緑の空間を眺めながら静かに思った。



その時、結界から何か音がした。俺は、のんびりした顔を切り替えて警戒する。どうやら何者かがこの結界から入るようだ。ミスティか?


「ミスティ・・・・・もう帰ったのか?」

俺はそう叫ぶが返事はない。それどころか音は段々と近づいていた。その音は、何か大きな足音が響く感じがして、とても人が入った感じがしない。

俺は、静かに音が近づく方に注目すると、突然空から巨大な岩のようなものが降り注ぎ、温水が激しく飛び散った。



「敵か・・・・・」

俺は、全裸になりながらも湯気から見える何かを注目する。それは、巨大な岩の兵隊のような物・・・・・恐らくゴーレム数体がこの結界を破り、俺に襲い掛かるように見えた。


「くそがくらえ・・・・・」

俺はすかさず青い炎を出し、ゴーレムに直撃させる。うん悪くない。

ゴーレムは一瞬で燃えカスになった。

俺は、なるべく距離を保ち、青い炎を繰り出す。敵はまだ、十体ほどいて多いが、相手は岩の塊なので鈍くて、助かる。


一気に終わらせようと俺は、周囲にいたゴーレムを青い炎の刃を円状に囲いそれを一気にぶつけるようにした。

ゴーレムは瞬間にハチの巣になり消滅した。

「終わったのか?」

俺は一息入れ、それでも、湯気の中で警戒する。その時、湯元からバシャバシャと何かが走る音がする。

俺はその方に目を向かうと、俺の近くから何かが飛び出した感覚がした。

それは、一瞬だったが人影らしいものが見え剣を持っているように見えた。


「とった!!」

何者かの声が聞こえたが、俺は反応出来ずにいた。そして、刃は俺に迫る。その時。青い炎をまとった右腕がそいつの刃を鷲掴みする。もちろん俺の意思ではない。青い炎が自然と俺の体を動かしたのだ。


「へえ、やるじゃん。まさかボクの一撃を受け取るとはね・・・・・・」

湯気が晴れ、襲ったものの正体が見える。そいつは、青いキャスケット帽をかぶった栗色の小柄な少女だった。年齢的には俺と同じ年らしいが、とにかくそいつは、なめずりしながら俺を斬りかかろうとした。



「お前誰だ・・・・・・・」

「さあね・・・・ボクに勝ったら教えてあげるよ。牛乳うしちちのお姉さん」

そいつは俺に間合いを開け一度離れ、剣を構えようとする。


「待って、ミリーニャもう十分よ」

声の先はミスティだったそして、ミスティの隣には、灰色の髪をした、男がそばにいた。


「姉さんボクもっと戦いたいよ」

「ダメだよ。あなた一応病み上がりなんだから安静しなきゃ・・・・」

「そうだ・・・・・・・奴の力を十分知った。それだけで十分だ・・・・・」

「副隊長まで・・・・・」

副隊長と呼ばれるその男は静かに燃えカスになった、ゴーレムを回収した。



「これほどの力・・・・・・確かにミストラルさんの言うとおりだ。戦力になる・・・・」

「あの・・・・・・・それはいいけどフェインズ、目の前にいる全裸の女性は気にならないの」

「それより破壊したゴーレムの調査をする・・・・・こいつは戦力になる」


「フェインズ、目を背けたらどう?あなたは本当にデリカシーないな」

「そうだったそうだった」

そのフェインズと言う副隊長は、ミスティに言われ目を背けた。そしてそれを笑う僕ッ子キャスケット帽・・・・・何だこいつら?


そしてミスティは俺に近づきテントの方に向かい着替えを用意する。


「アルマリア君ゴメンね。変なことに巻き込んで・・・・・・・」

「それよりこいつらは?」

「心配しないで彼らは味方よ。さっきのは君の力を試したくて襲ってきたけどいい人たちよ」

「味方?」

「そう、彼らは、あの時広場であなたが助けてくれた私の仲間よ」














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