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少女達は悩みを抱く  作者: アークマ
第二章 才能を求める少女の悩み種
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才田 才子 9

「私の悩み種は」


 桜花さんが自分の悩み種について喋り始めると黒木さんは鞄からノートを取り出し、桜花さんから聞いた話をノートにとる。桜花さんが話し終えた後、黒木さんは満足そうに椅子に座っていた。


「き、今日はあ、ありがとうです」

「いやいや。こちらこそありがとう。気をつけて帰ってね」


 僕と桜花さんは黒木さんと話を終えた後カフェから出た時に黒木さんとわかれる。


「才田さんも色々大変なんだな」

「そうかもね。でも私はあれをみていてあまり気持ちよくはなかったわ」


 僕は才田さんを心配すると桜花さんは今の悩み種にかかって楽しんでいるであろう才田さんの姿を見た時のことを言う。確かにあれは見ていてそんなにいいもんじゃないだろうね。桜花さんは。


「今日は一旦帰ってまた明日これたら来ようか。桜花さん」

「そうね。じゃ私は近衛さんに電話してきますので少し待っていて下さい」


 桜花さんが僕に言った後、近衛さんに電話し、僕達のいる場所を伝えるとすぐに迎えにきてくれた。

 近衛さん来るの早くね?数十分はかかると思ってたんだが。


「私は倉敷様の大事な客人や友を待たせるなどしませんよ。スピードスターを自称していますゆえ」


 スピードスター?近衛さんって真面目な人に見えたけど意外と冗談とか言うんだな。僕と桜花さんは車に乗り込んだあと近衛さんはそれぞれの家に送ってくれた。僕は家についた後一人、才田さんに対しどう対応しおうか考えていた。




 私、才田 才子はいつもの通りに才能化学園から家に帰っていた。いつも通りって言ったけど今日は町田先生に言われて他校の生徒に会ったな。男子の方は微妙な感じといえばいいかどう表現すればいいかわからないけど似ている気はする。女子の方は私と同じで悩み種にかかってる。それはなんとなくだけどわかる。あの女子は悩み種で悩んでるかもだけど私はこの悩み種に感謝すらしている。私はこれのおかげで才能の塊になれたから。

 私は家に着くとメイドが私を出迎えてくれた。私の家、才田家は天才の集まりだ。父も母も天才、兄二人も才能があり、今は自らの才能を磨いている。そして妹も天才、才田家で神童とまで呼ばれている。私はそんな家に生まれた凡人。悩み種にかかるまでは苦悩の毎日だった。才田家の家訓は結果が全て。それ以外は意味がないとまで言われている。私がいくら努力しても兄や妹に敵わず、結果も伴わなかった。だから私は理解した。努力ほど無意味なものはないと。

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