悩み種
あれ?ここは一体?僕はアパートにいたはずじゃ、香奈恵!香奈恵は!
「香奈恵!」
「おちつきたまえ。香奈恵嬢なら大丈夫だ。今は集中治療室にいるがね」
僕が寝ていたベッドの近くに座っていた人、黒いスーツを着て眼鏡をかけている人が言う。
「初めましてだね。私は倉敷 海斗倉敷家の長男であり、倉敷医院をいずれ継ぐ男だ」
倉敷医院と言えばかなり大きな病院、そして倉敷 海斗は倉敷家では
「倉敷さんのことは噂で聞いてます。家の中では」
「言わなくてもいいよ。凡人の中の理解できない凡人。そう言われているのは知ってる。だが世の中の奴らは私をいずれはこう呼ぶだろう。天才だと」
倉敷さんはメガネを指でくいっとあげ、僕に言う。頭いいのか悪いのかわからない人だな。
「倉敷さん。僕に何かようですか?」
「混乱せずすぐにそう聞くのはいい判断だ。あばれたりすれば君も悩み種にかかっていると判断せざるをおえないからね」
倉敷さんは僕に言った後、一度咳き込み
「まずは妹さんに関してだが私が妹さんの入院代をどうにかしよう。君の家庭は今は複雑かつ大変なことは理解している。私が今もっとも治療に力を入れているのは悩み種だからね」
悩み種。誰も信じてくれないのにこの人は信じているのか。誰も信じてないと僕が思ってるのは姉さんのことがあったから。僕は姉さんと同じ高校だったんだけど姉さんは気が狂ったクソ女って噂になってた。僕は悩み種って病気だと言っても誰も信じてくれなかった。それをこの人は
「悩み種を信じているんですね。本当に」
「もちろんだとも。目に見える治療も大事だが見えないところの治療も大事だからね。父さん達は非現実的なものは受け入れない人だから私は頭がおかしいと言われてるのさ。ま、構わないけどね。それで話を戻すんだが妹の面倒はこちらでみる代わりに君には悩み種にかかった子達の治療を頼みたい。女性側のね」
治療?できるのか?治療が。でもなんで僕が?
「まぁこちらとしては予備軍的な感じかな。今施設にいれる子を厳選している状態なんだ。私の力では限界があるからね。だからできれば施設外で治療を進めたいんだ。そして紅君。君は悩み種にかからない適性がでている。どういうことかはわからないけどね。治療薬的なものはないが悩み種にかかりそうな人を私の目で見ることができる。なぜそんなことをできるかは教えてはやれないがね」
倉敷さんにこう言われた後僕は倉敷さんの話をうむをいわさずに受けた。だって香奈恵のことが大事だから。香奈恵のことを治せるなら、なんでもしてやる。




