桜花 桜 6
「どうだった?学校見学は」
「倉敷さんも意地悪ですね。僕は今日から転校かと思っていたのに」
「それは相良のやつに言ってくれ。私は今日からでも構わないと言ったんだが」
え?相良先生に明日からって倉敷さんが言ったんじゃ
「あいつは嘘をつくところがあるからな。だが悪いやつじゃないんだ。あいつもいろいろ大変な思いをしていてな」
倉敷さんは笑いながら言う。まぁ大変だったけどそこまでってわけでもないから。
「それで?どうだった。桜花君は」
倉敷さんがメガネをくいっとしながら僕に聞く。うーん。どうだったと言われても
「話はしたし僕とは仲良くしてくれそうだよ」
「それは何より。なんでか知らないが俺にはあまりよくしてくれなくてね。俺は悩み種がかかったこの為に尽くしているというのに」
倉敷さんはやれやれといったふうに言う。
「僕はそれより倉敷さんに聞きたいことがあるんです」
「それよりって。まぁいいか。それで何を聞きたいんだ?」
「このアパートの大家さん。神咲さんのことなんですが」
僕が神咲さんの名前を出すと倉敷さんは急に真剣な目つきで
「前田君。まさか神咲が好きになったのか?」
え?なんでそんな話になるの?そんなわけないじゃん。
「そういう話じゃないですよ。神咲さん。悩み種が完全に治ってないらしいですね」
「......その話か。それは俺にも責任があると思っている。彼女のケアは俺が続けていくから君はまず目の前のことに集中してくれ。桜花君を頼む。彼女は悩み種のせいで困っている。治せるのはおそらく君だけだ」
倉敷さんは僕に言った後、部屋から出て行き、倉敷さんが帰った後僕は次の日に備えて就寝した。
次の日、僕は秋塚高校に向かおうとアパートの部屋から出るとアパートから出てすぐ近くに桜花さんがいた。
「おはよう桜花さん。なんでここに?」
「おはよう前田君。相良先生に君と来るよう昨日言われたの。学校までの道、まだ覚えてないだろうから」
桜花さんは僕にいう。確かに一日で覚えられる道ではないとは思うけど。
「ありがとう桜花さん」
「別に大したことではないわ。早く行きましょう」
桜花さんが僕に言った後、僕より先に歩いていく。僕は桜花さんについていきながら道中
「桜花さん。き、今日はいい天気だね!」
僕は桜花さんに話題をふらねばととりあえず話す。道中無言なのはきついし少しでも話して桜花さんのこと知りたいし。
「そんな無理に話さなくてもいいわよ。私に話題をふるの難しいでしょ?私特に趣味は」
「い、いや僕の会話力がないだけですから」




