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第13話 安全第一!!

高校1年生16歳の天音雫です!

テスト無事に終了しました!

また少しずつ投稿していくので読んでいただけると嬉しいです!!

何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです!

「………歯磨きと歯磨き粉は持ったわね?救急セットも持った?」


「うん、持ったよ、大丈夫。」


「もう忘れ物してないから大丈夫よ、お母さん。」


「だって心配なんだもの。

2人とも怪我していたし、またアミューズメントパークみたいなところに行くなら持っていたほうが良いでしょう?」


2日後の、一ノ瀬家の玄関前。


心配そうな顔つきの母親に様々なことを荷物を持たされていた。


前述の歯磨き粉から始まり、2人に傷がある事が判明したため救急セット(大きい)、着替えの服、除菌シート、ホッカイロ、更に予備シャンプーetc………


それらを大きな旅行バッグに詰め込んで背負った2人を母親は心配そうな顔つきで見る。


「……出来れば、安全に遊んできてね。2人が傷つくとお母さんも傷つくんだから」


「ん、多分きっと今回は大丈夫」


「えぇ、心配しないで……っていうのは無理かもしれないけど…」


「まぁまあ、2人とも高校生なんだし、お泊りぐらいどうってことないさ」


「言葉と表情が合ってないよ?!」


涙ぐみながら母親、沙奈を宥める父に思わず突っ込んでしまう。


一ノ瀬家ではこれが日常だ。


父親、母親、姉が無意識にボケまくり、その全てのツッコミが葵に降り掛かってくる。


ツッコミがもうひとりいたらなんて、今までに何回思ったことか分からない。


「それにしても、せっかく俺が仕事休みの日だったのに2人ともお泊りに行っちゃうなんて俺寂しいなぁ……。

今度また家族で水族館でも行かないか?

うん、そうするか」


「1人で完結しないでってば。

もう、本当に子離れしない父親なんだから」


冗談めかして笑いを浮かべ、緊張をほぐす。

隣に立つ瑠依も花がほころぶような笑みを浮かべている。


しかし葵には見える。その目の奥の怯えと恐怖が。

平和な日常風景が、壊れてしまうかもしれない。


その可能性が、この瞬間、じわじわと増しているのが何よりも恐ろしかった。


姉と二人、揃って一歩下がる。


「じゃあ、行ってくるね」

「行ってきます、お父さん、お母さん」


「あぁ、行ってらっしゃい」

「行ってらっしゃ〜い!

あ、もしもお時間があったらたまーにでいいから連絡してくれるとすごく、すごーく安心するんだけど……」


「えーと、よ、余裕があったら連絡するわ、お母さん」


「ふふっ、ありがとう。

…………2人がなるべく傷を作らないで帰ってくることを祈ってるわ」


手のひらを組み、祈りのジェスチャーを、してみせる母親に心が痛んだ。


背を向け、姉と肩を並べて歩きだす。

どんどんどんどん、一ノ瀬家から遠ざかる。


安心が、遠ざかる。平和が、遠ざかる。


「2人ともー!!」


母親が叫ぶ。


「楽しんできてねー!!」


ズキリと胸に鈍い痛みが走る。

何も知らない母親と父親を騙しているような、罪悪感が重くのしかかった。


しかし、葵は決めたのだ。

この平和を。この家族を。

この尊さを。


守るのは自分たちなのだと。


「…………うん」


人間界では今日も、柔らかな日差しが街を照らしていた。




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