第10話 圧倒的炭水化物
高校1年生、16歳の天音雫です!
何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです!
「え、えーとお母さん、これって……」
一ノ瀬家の食卓テーブル。
そこに並べられた夕ご飯のラインナップに葵は顔を引き攣らせていた。
「2人が今日帰ってくるかなーって思って2人の大好物を作っておいたのよ〜!」
「あぁ、成る程……
私の好きな食べ物がスープカレーで、お姉ちゃんの好きな食べ物がスパゲッティだから……」
葵はテーブルに並んだスパゲッティとスープカレーを見た。どちらも人数分用意されていることが恐ろしい。
チキンОrビーフ的な選択式ではないらしい。
「だからこんな感じの炭水化物のオンパレードになったんだね…?」
「無理して食べなくてもいいが、沙奈が張り切ってたから少しは食べてやってくれないか?」
「あ、うん。向こうで夕ご飯は食べてきてないからお腹は減ってるわ、私達。ただ……ちょっと組み合わせにびっくりしだけよ!」
慌てて姉が両手を振る。
父はこの組み合わせをなんとも思わなかったのだろうか。
「まぁ、確かにそうなるよな」
豪快に笑う父親に葵と瑠依も釣られて笑ってしまう。
色々なことが重なっていて大変な状況下。
それでも家族の温かさで2人の心の傷は癒されてきていた。
「1日ぶりの皆揃っての夕食だな」
「1日ぶりって。
それもうカウントする必要なくない?」
いつもより口角が上がっている父親がTVをつけ、食卓テーブルのいつもの位置につく。
葵と瑠依、沙奈も座って一ノ瀬家のメンバー集結だ。
『続いてのニュースです。
昨日午後1時50分ごろ、大阪府都島区のラーメン屋で火事がありました。
消防車5台などが出動し、火はおよそ3時間後に消し止められましたが。客と店員を含めた5人が病院へと搬送されましたが、うち1人は、死亡が確認されました。
警察と消防は、火が出た原因を調べています。』
「ラーメン店か……
多分ガス爆発だろうな」
「お母さんもくれぐれも、くれぐれも気をつけてね、本当に」
「えぇ勿論よ!私はいつだって気をつけてるわ!」
「絶対よ、お母さん」
「もう、そんなに言わなくても大丈夫。
ほら、暗いニュースを聞くと心も暗くなっちゃうわ。違うチャンネルに変えましょう?」
おっちょこちょいかつ事件に巻き込まれやすい性質がある母。
その性質を案じる子ども2人に沙奈は頼もしげに頷きTVのチャンネルを変える。
「あ、そういえば二人とも、聞いてくれ!
二人のせいで俺の大切な足の小指がだな…!」
「えー、またどっかにぶつけたの?」
「冷たいなぁ!」
「だって気をつけてればぶつけなくない?」
血の涙を流す父に呆れる葵。
しかし、瑠依が不思議そうな顔をした。
「あおちゃんはぶつけないの?」
「あんまりぶつけないけど……
え、お姉ちゃん頻繁にぶつけるの?」
「3日に1回はぶつけてるわ」
「いやぶつけすぎ!折れちゃうって!」
突っ込む葵に沙奈と、祐介が笑い自然と葵と瑠依も笑う。
幸せで平和な日常風景があったことを、ここに記しておく。




