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バドミントンでわんこそばの掛け声をやったった……  作者: 三好ペペロンチーノ
第4章 迅城、ツンデレキャラにチャレンジしたった!

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第23話

 処刑と書いて部活と読むものをした翌日の放課後。

 俺と大陸は難多羅高校へとやってきていた。

 その目的は俺の目指すキャラ変の参考だ。難多羅高校に通っている府董は、その名の通りキャラが普通らしい。府董の悩みは普通ではないクレイジーな何かになりたいとからしいが、俺の悩みは真逆でクレイジーな何かから普通になりたい。

 ということで、利害一致で放課後会うことになったのだ。

「大陸」

「何だ?」

「……なぜ俺はメイド服を着て難多羅高校の門の前にいるんだよ?」

「服を着ないと捕まるからだ」

『にぼっしー、すごく似合ってるよ!』

 俺は優花ちゃんをフル無視して大陸に言った。

「そういう話じゃなくて、何で制服じゃなくてメイド服を着てるかって話だよ!お前が制服着てて俺がメイド服なのは不公平だ!」

「弐星は俺にメイド服を着させたいのか……。そういう趣味は自分の身体で我慢してくれよ」

『……とうとう女装することが趣味になったんだね』

「いやいやいや!そうじゃなくてさ!俺も制服を着たいんだよ!」

「待ってろ。今、セーラー服を調達してくる」

「男が着る制服だ!」

「セーラー服着てる男だっていたぞ」

「誰だよそいつ!」

「バカ〇スの吉〇明久」

「それはギャグだからだろ!」

「これもギャグだから問題ないな」

「問題大ありだっつうの!」

「もう!弐星は文句ばかり言って。……これはな、府董の頼みなんだぞ?」

「誰かが困ってて相談に乗る分には別にいいんだけどさ。府董に俺がメイド服を着てる姿を見せる必要なんて全くと言っていいほどにないと思うのだが!」

「府董の悩みってさ正直俺には理解できないんだよね。普通のほうがどう考えてもいいじゃん。だからお前が体張って変人にならないほうがいいってことをあいつに伝える必要があるんだよ」

「お前の言いたいことはわかったけどさ。だったらお前が体張れって話にならないか?」

『小白ちゃんのストーカー軍団の幹部より、にぼっしーのほうがすごく似合ってるから安心して』

 安心できる要素が1つもないのだが!

「メイド服着たら不審者扱いされて捕まりそうでこわいじゃん」

「俺は別に捕まってもいいっていうのかよ!」

「うん。だってすでにお前、パンイチで街中を走ってたじゃねえか。メイド服を着る程度は余裕だろ?」

「お前のその考えを改めろ!」

 大陸と言い争っていると、

「えっと……確か弐星さんと大陸さんでしたっけ?お久しぶりです。俺、府董です」

『……ナ……ナス…………?』

 声を掛けてきたのは大きなナスだった。ナスから手足が生えていて顔がある。イメージは機関車トー〇スに手足が生えたようなものだ。

 俺はナス野郎に口を開いた。

「……府董の悩みって確か自分が普通だってことだよな?」

「そうですそうです」

「ナスの恰好してるやつのどこが普通なんだよ!」

「さっき、俺が2人に会おうと廊下を歩いていたらですね、東村さんに声を掛けられたんですよ。なんて言ったんでしたっけ?あ……、そうそう!『お前、今から弐星と大陸の変人講座を受けるんだって聞いたんだけど。受けるなら失礼のないように少しでも変人っぽくならなくちゃな。だから、このナスの着ぐるみやるよ。これ着てあいつらの講座を受けるんだな』でした!あ、語尾も変人っぽくしろって言われたんだった!……ナス。これでいいでナスか?」

「「『……』」」

 東村は府董に変なことを吹き込むなよ!というかあの野郎、難多羅高校に不法侵入してないか?

「あ、あの何かダメな点でもありました……ナス?」

「「『大ありだーっ!』」」

「どこがですかナス!」

 大陸が口を開いた。

「この変態女装野郎に近づいているところが」

『確かに』

「大陸が着せたんだろうが!」

「え……。2人ともコスプレしてるから、コスプレ大会みたいなもので俺だけ浮いているわけじゃないと思ってたんナスけど」

「なんで俺もコスプレしてる判定なんだ?」

「だって大陸さんは大海高校を退学しちゃったって東村さんから聞いたナスけど。だから大陸さんが今着ている制服は……」

「俺は退学してねえよ!どちらかといえば弐星のほうが退学しそうなんだぞ!こいつ生活指導RTA1位だし」

「うるせえな!」

「それで本題に入りたいんナスけど」

「「本題ってなんだっけ?」」

「俺に変人の極意的なことを教えてくれるってことナス!」

「変人といえば弐星だよな。1周回って変態になるくらいだし。だから弐星が教えてやれよ」

「おい!大陸だって変態じゃねえかよ!『小白ファンクラブ』の幹部なんだし!」

「俺をバカにしても『小白ファンクラブ』をバカにするのは許さな……。やっぱり『小白ファンクラブ』をバカにしても俺をバカにするのは許さないぞ!」

「お前にプライドはないのかよ!」

『2人とも十分変態じゃん』

 優花ちゃんには言われたくない。

「それで変人にどうなったらなれるナスか?」

「「『もうなってるよ!』」」

「そうなのでナスか!それじゃあ明日から外出するときは必ずナスの恰好をするナス!」

「「『ナスの恰好しないで!あとその語尾もやめて!』」」

「俺、ナスの恰好をしながら語尾をナスにするの結構気に入ったんナスけどね」

「そんなもんを気に入るな!弐星みたいに警察に捕まるぞ!」

「俺はまだ捕まってねえよ!」

()()ってことは捕まる予定があるということだね』

 そんな予定あってたまるか!

「じゃあ警察に捕まらないような変人になるにはどうしたらいいでナスか?」

 俺はため息をついて言った。

「変人になろうと思ったらダメなんだよ。ならないと思ってたら自然となれるものなんだよ。だから府董は自分が普通だって思ってることをやってればいいんだよ」

 俺、かっこよくね?名言だよ!名言!

『迷言だね』

 黙れ。

「奥が深いでナス……ですね」

「よかったよかったこれで一件落着だな。それじゃあ弐星、もう帰ろうぜ」

「あぁ。そうd……って俺の目的が全然果たせてないじゃんかよ!」

「弐星の目的?あぁ、そうだったな。女装した弐星の撮影会をするって話だったな。すまん。すっかり忘れてたよ。今からすぐに準備するからちょっと待っててくれ」

「撮影会するんですか!きっと盛り上がりますよね!今から写真部のみんなを呼んできます!」

『にぼっしーはどんな煽情的なポーズで写真撮るのかな!すごく楽しみだよ!』

「お前ら待て!撮影会するって話、初耳だぞ!大陸はカメラの設置の作業をするな!府董は観客を呼ぼうとするな!」

 そして優花ちゃんは変な妄想で興奮するな!この中でお前が1番の変態だ!

「弐星、自分でやりたいって言っておいて急に止めるってどういうことだ!」

「一言もそんなことを言った覚えはねえぞ!……俺は府董に用があるんだよ」

「俺に……ですか?あっ!わかりました。今から知り合いの女子から制服を借りて女装します!それじゃあいってきます!」

 俺は慌てて府董の肩を掴んだ。

「なんでそうなるんだよ!」

「え……。だって俺も女装して弐星さんと一緒に撮影会に参加するって話ですよね」

「そんな話は1ミリもしちゃいねえよ!」

「じゃあなんなんですか!……あっ!すみません……。弐星さんの女装姿を見たらお金がかかるんですね。いくらですか?」

「だからなんでそうなるんだよ!俺の女装には触れないでくれよ!そうじゃなくて、お前と同じような用だよ」

「どういうことですか?」

「俺は普通になりたいんだよ。だからザ・普通の男で有名だというお前に会いに来たんだよ。それで普通の極意的なものを教えてほしい」

「そう言われてもですね……。普通っていうのはあくまでも自分にとっていつもの行動のことを言うんですよね。でも俺の場合は、普通じゃない行動をしても周りの人たちは俺のことを普通だって言うから困ってるんです」

「俺は逆にそうなりたいんだよ」

『なんか似たもの同士だね』

「「はぁ~……」」

 俺と府董はため息をついた。

 大陸が俺に口を開いた。

「弐星には普通になるなんて絶対に不可能だとしか思えない気がしてきた」

「なんで?」

「だってお前に普通なんて言葉似合わないからな」

『もしかしてボーイズラブ!略してBLの!キャーッ!そしてこの後の展開はまさかキキキキキス!!!』

 お前、本当に黙っててくんないかな。

「お前は普通よりアホか変態がお似合いだ」

「ぶっ殺す!」

「やれるもんならやってみやがれ!」

「今日こそお前を倒す!」

「あ、あの……。喧嘩はやめてください……」

「「府董は黙ってろ!」」

「……す、すみません!……ってなんで俺は謝ってるんだろう?」

「「それじゃあいくぞ!」」

 俺たちは拳を互いに向けた。

「な、殴り合いが……始まっちゃう…………」

「「セーフ!アウト!よよいのよい!」」

 俺はパーを出して大陸はチョキを出した。

「クソ!負けちゃった!」

「さぁ!1枚脱ぐんだな!」

「スカートなんて邪魔だ!」

 俺は即行でスカートを脱ぎパンツが現れた。

「次いくぞ!」

「今度は負けねえぞ!」

「……あほくさ」

『……弐星はなんであんなにアホなんだろう。あんなにすぐパンツを見せたら扇情的な姿になれないじゃんか!』

 2人に冷たい目で見られているが無視だ無視。

 どっかの幽霊はまたアホなことを言ってるし。

「……普通でいたほうがいいのかもしれないな」

「「『それはそう!』」」

 俺は大陸に向けて言った。

「もう野球拳するのやめねえか?」

「お前から始めたことだけどな」

「あぁ?」

「やんのか?」

「いいぜ!続けようぜ野球拳!」

「続けないでくださいよ!ただでさえ、スカートを身に着けていないメイドのコスプレをした男と、制服のコスプレをしてるようにしか見えない男と、ナスの恰好をした俺が集まっている時点で、下校しようとしていた人たちの注目を浴びているのに、ここで野球拳を始めたらもっと悲惨なことになると思いますよ!」

「「それのどこが悲惨なんだ?」」

「この人たちは完全に手遅れだ!」

 俺は訳のわからないことをほざいているナス野郎に向けて口を開いた。

「お前も1回だけでいいからさ。野球拳やろうぜ!きっとハマるから」

「嫌ですよ!変態みたいなことをしたら俺は何かを失う気がしてならないですし!」

「変態だって言われてるぞ、大陸」

「変態は弐星の間違いだろ」

「なんだと?」

「やんのか?」

「やめてくださいよ!」

「「セーフ!アウト!よよいのよい!」」

 俺と大陸はパーを出し、府董はグーを出した。

「思わずグーを出してしまった……」

「ほら、参加したならルールに従ってもらうよ」

「さぁ、1枚脱ぐんだ!」

 俺と大陸は、自分の拳を見つめている府董に言った。

「もうナスの恰好してる時点でアウトなんだし、……もうどうとでもなってしまえ!」

『ついに府董が普通じゃなくなってしまった……』

 府董はナスの着ぐるみを脱ぎ、普通の男子高校生の姿へと変わった。

「「「セーフ!アウト!よよいのよい!」」」

 俺と大陸は府董を交えた野球拳を始めて20分くらい経過した。

「おら!今回もお前の負けだ!」

 パンイチの大陸は荒っぽく言った。

「ほら最後の1枚のパンツを脱げよ!」

 パンイチの府董は俺たちと打ち解けて素でしゃべった。

 仲良くなれて何よりだ。

「俺は男だ!男らしくパンツだって脱いでやるよ!」

「さすが弐星!」

「かっこいいね!」

『……』

 優花ちゃんがゴミでも見るかのような目で俺を見ているのが気になる。今はそんなことはどうでもいい。

 俺がパンツのゴムのあたりを掴んだとき、

「府董、何してんの?」

 俺たちのところへやってきたのは、難多羅高校との練習試合でいた女子だった。名前は確か爾弧鋳(じこちゅう)だったっけ。

「……ちょっと外の……空気を……身体全体で……味わいたく…………て」

 府董の顔がどんどん赤くなっていった。

 だがそんなことなんてどうでもいい。それより俺がパンツを脱ぐということのほうが100億倍大事だ。

「それじゃあ俺は男になるとするか」

「いいぞー!やれー!」

「おおおおおおおお前ら?ななななななななな何してるんだ?変態か何かか?」

 府董はおかしなことを言った。

「何って、俺たちは野球け……もごもごもご」

 府董は俺の口を手で塞いできた。

「ねぇ府董。この人が野球拳って言おうとしてなかった?」

「そそそそそそそそそそんなわけない……じゃん…………」

「じゃあこの2人との関係は?」

「……偶然ここで会っただけの赤の他人です」

 急に府董がおかしなことを言った。

「俺たちとの友情はそんなに軽かったのかよ!」

「野球拳で中を深めたじゃないか!」

 俺と大陸は必至で府董の正気を取り戻そうと叫んだ。

「この2人はこう言ってるけど、本当は友達なんじゃないの?」

「あ、あなたがたは誰……ですか…………?」

「「おい!」」

『野球拳で芽生えた友情ってこんなに簡単に終わるんだね』

「じゃあこの2人は通報してもいいってこと?」

「全然大丈夫だよ!」

「「ふざけんなよーっ!」」

『いや通報されて当たり前でしょ!』

 俺と大陸は全速力でこの場を去った。

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