第21話
昨日で長い夏休みが終わり、今日からまた学校生活が始まる。学校だぞ!学校!俺は学校が唯一の息抜き(部活動を除く)になった。その理由は、
「おい!優花ちゃんが邪魔したせいで、夏休みの宿題を家を出るギリギリまでやる羽目になったじゃんか!おかげで遅刻しちゃうって!」
『夏休みの宿題はね、他人の邪魔をするのが醍醐味なんだよね!』
「お前、本当にふざけんな!…………なんか前からイノシシがこっちに突撃しに来てるんだけど!優花ちゃん!幽霊のすごい何かであのイノシシをなんとかしてくれよ!」
『幽霊はね、何かすごいことはできないよ。しいて言うなら憑依くらいだよ』
「十分じゃねえかよ!頼むからイノシシに憑依して突撃を止めてくれ!」
『しょうがないな~……』
優花ちゃんはイノシシに向かい、『ナカ』に入った。そして、
『どーん!』
イノシシに憑依した優花ちゃんに突撃された。
「ぐわっ!…………何で俺を突撃するんだよ!」
『このままイノシシを止めても面白くないなって思って』
「面白くしようとしなくていい!」
何かイノシシから人の声が聞こえるって不思議な感じがするな。
『あっ!後ろからサルの大群が!』
「俺はそういうのには騙されないぞ!」
『いや!本当なんだって!』
「お前の茶番に付き合ってられ…………」
後ろからサルの大群が現れた。そして、俺に襲い掛かってきた。
『何かシュール』
「俺を助けてくれよ!」
俺はサルどもと激しい乱闘が起こった。
背負っていたバックの中の弁当が盗られてしまった。それだけならまだ、購買とかでごまかせられるのだが、俺が少し前まで死ぬ気で取り組んでいた夏休みの宿題のプリントをすべてビリビリに破られてしまった。
そしてサルどもは去っていった。
「俺の宿題が…………」
『こんなオチになるだろうと思ってた』
「お前はいいかげんにイノシシを解放してやれよ」
こんな感じで優花ちゃんと合宿のあのときから一緒にいた。ラブコメマンガでヒロインと同棲とかしているやつがあるけど、あんな癒し的なものがあるわけがないだろ!だって四六時中ずっと一緒なんだぜ。プライベート空間なんてカスみたいなものだろ。むやみにネットで18禁のあれこれを見れないんだぞ!見ようしたら、優花ちゃんは幽霊だからノックなんてせず問答無用で部屋に入ってくるとか最悪だろ!合宿のときに一緒にいるって約束したけど、その約束を今すぐ取り消したい!
俺たちはなんとか学校に着いた。
『今日から2学期なんだね!今学期はにぼっしーがどんなことをやらかすのかな?楽しみだなぁ!』
「俺が何かやらかすことを楽しみにするな!あとイノシシを開放してやれよ」
始業式を終えて、担任の竹土先生が『文化祭やるんだってさ。このクラスで何するかはお前らで決めてくれ。俺だるいから。文化祭実行委員には文化祭についてのプリントを渡したから、それに書かれてる通りにすりゃあいい。じゃあ俺は屋上でゲームしてるから。他の先生には俺がサボってること内緒にしていてくれ。じゃ』とか言って眠たそうにしながら教室を出ていってしまった。……クソ教師め!
文化祭実行委員の俺と迅城はクラスのみんなの前に立って文化祭の話を進めることにした。
「じゃあ俺たちのクラスは何するか決めたいと思います。何か意見のある人はいますか?」
大島が手を挙げた。
「お化け屋敷はどうだ?」
「お前の意見は全て却下だ。他にありますか?」
「何でだよ!」
ショートヘアの女子が手を挙げた。
「お化け屋敷はどう?」
「いいね!迅城黒板に書いてってくれ」
「オッケー!」
「さっき俺が言ったのに!」
「大島!お前はクラスの雰囲気を乱してるぞ!黙って逆立ちでもしてろ!」
「何でクラスの雰囲気の乱れをなくすのが逆立ちなんだよ!」
「もういい!この窓から紐なしバンジージャンプでもしろ!」
「俺を黙らせる方法は他にないのかよ!しかも俺そんなにうるさくないと思うぞ!」
「顔がうるさい」
「はい、お前を殺す!」
「かかってこいや!」
東村が手を挙げた。
「いっそプロレスでもやれば?『弐星VS大島』とかいいんじゃないか?」
「「却下」」
俺と大島がハモった。
「一応1つの意見として書いとくね」
『お化け屋敷』の左に『プロレス』と書かれた。
気を取り直して。
「他に意見はありますか?」
三つ編みの女子が手を挙げた。
「弐星くんと大島くんのBLマンガを描いて、お客さんにそのマンガを配るのはどうかな?」
「俺と大島のBLものでなければ採用する」
「じゃあ『弐星と東村のBLマンガを描く』と」
「なんで俺を入れたがるんだよ!」
「確かによくないね。ごめんごめん。じゃあこれは消して、『クラスの男子のBLマンガを描く』と」
「そういうことじゃねえよ!」
俺はこの意見を消そうとしたとき、クラスの女子が一斉に立ち上がってきて俺に襲い掛かってきた。俺はよろめきながら意見を消さないことを了承すると女子たちは満足したのか席に戻った。…………女子って怖すぎだろ。なんか男子どもに睨まれているが良しとするか。
「……他に意見はありますか?」
メガネをかけた頭の良さそうで実はテストの学年順位が最下位だった男子が手を挙げた。
「文化祭をずっと回っていたい。そこで俺は何かの作品を展示することを提案します」
「……それはいい案だな。何かの作品って例えば展示するんだ?」
「石とか」
「却下」
東村が手を挙げた。
「石はさすがに良くないよな。そこで俺が愛読している本を参考にして本物ではないが、それをリアルに表現した展示を意見したい」
「参考?別にいいけど、何の展示だ?」
「象の尻」
「お前の愛読してる本ってのは『夜は短し〇けよ乙女』かよ!却下だ、却下!」
「確かに象の尻ってのはさすがに良くないよね」
迅城は頷いて、『クラスの男子のBLマンガを描く』の左に『リアルな尻の展示』と書いた。
「象以外の尻も入れろというわけじゃねえ!」
「別にお尻に対してやらしい気持ちなんてものは一切ないよ。だから弐星のお尻をリアルに表現した展示物も問題ないよね!」
「問題大ありだ!」
やばい!迅城が鼻血をだらだら出しながら言ってるのはとても危険だという合図だ!どうにか止めないと……。
「実は私、ライオンのお尻に興味あったんだよね!」「あたしはパンダのお尻気になってたの!」「アリクイもなかなかいいんじゃないかな?」「ラマって実はすごかったりするんだよ!」「この企画だったら推しのお尻を展示しても大丈夫だよね」
やばい!クラスの女子たちも暴走してやがる!多数決になってしまったらこのクラスの企画がリアルな尻の展示』になってしまう!
ここは男子どもと協力して『お化け屋敷』の票を増やすしかな…………。
「「「「「……『リアルな尻の展示』、ありだな」」」」」
俺たちのクラスは『リアルな尻の展示』をすることになった。…………変態どもめ!
企画書を竹土先生に無理やり提出した後、今日は部活がないため帰宅することにした。
『「リアルな尻の展示」か。すごく面白そうだね!』
「破廉恥すぎるだろ!」
『見えちゃいけないところが見えなければ別に問題ないと思うけど』
「余計に破廉恥になるからダメだ!」
『あぁ……。確かに、にぼっしーの性癖はすごいからね』
「優花ちゃんに見つからないように見ていたはずだが……!」
『1回隠れてにぼっしーの趣味を知ろうと思ってさ!にしてもすごいよね!君は結構尻フェチだもんね!』
「俺は足フェチだ!」
『実は私見てなかったんだよね。にぼっしーのそういうの』
「カマかけやがったな!」
『きゃー!にぼっしー、こっわーい!』
優花ちゃんとしゃべりながら歩いていると、
「弐星。誰としゃべってるの?」
後ろから迅城に声を掛けられた。
「わあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「そんなに驚く?」
「驚くだろ」
「私のほうが驚くんだけど。弐星が誰としゃべってるのかなって思ったんだけど。誰もいない。どういうこと?」
「いや、ここにい…………」
そういえば、優花ちゃんは幽霊なんだっけ。他のみんなには幽霊は見えないのだろうか?
「弐星。もしかして、エアギターならぬエア友達としゃべってたの?」
「別にそういうわけじゃ…………うん!そうだよ!ごめんね!恥ずかしいところを見せちゃって!」
『おい!私をエア友達にするな!私は存在してるよ!』
存在してるという定義かどうか怪しい幽霊が何か喚いている。いつもの仕返しだ……!
「弐星ってさ、…………どんどんおかしくなってるよね」
「そうか……?別に俺は普通だけど?」
「趣味は?」
「野球拳」
「特技は?」
「岩破先輩の強烈なスマッシュに耐えれること」
「休日はどうしてる?」
「部活で死にかけたり、変態どもに追いかけられるからそいつらから逃げたりかな」
「……ちょっと今持ってるバッグの中身見して」
「別にいいけど」
「やましいものは何もないよね?」
「ねえよ」
「筆箱、ノート、スマホは普通だね。あとは、…………なにこれ?塩?しかも2kgもあるし。何でこれ持ってるの?」
「学生の必需品じゃん」
「いやいやいやいや!必需品じゃないよ!何でこれ持ってんの!」
「塩で幽霊に除霊するぞって脅すときに使うけど」
「弐星は日常で幽霊に脅すの!」
「学生ならよくあることだろ」
「全然そんなことないよ!…………気を取り直して。……えっと、ライター?何で?学校を火事にする気?」
「何でそうなるんだよ!」
「じゃあ、これをどう使うのか言ってみてよ!」
「火をつけるのに使う」
「そうじゃなくて!その火を何に使うのかだよ!」
「これは幽霊に脅すときと、飲み物が酒かどうか確認するときに使うかな」
「幽霊を脅すの日常茶飯事なわけ!しかも酒かどうか確認するって、もしかして弐星は不良なの!」
「いや、竹土先生に騙されて飲まされそうになって以来持ち歩くようにしているだけだ」
「弐星の周りで一体何が起きてるの!」
「別に普通だけど」
「それはもう普通じゃないよ!」
「えっ……。俺って普通じゃないの?」
「バリバリの変人だよ!いや、ここまできたら変態だよ!」
「えっ……!」
『にぼっしーが変態……!プププ!』
「でもこれはこれで楽しいし別に良いか」
「良くないよ!」
「そうなのか?」
「そうだよ!今すぐにでもキャラを変えるべきだよ!」
「マジか!じゃあ俺はどんなキャラになるべきなのか?」
「受け」
「BLで考えるな!俺に似合いそうで普通なやつはないのか!」
「弐星が似合いそうなのは…………の〇太くんかな?」
「俺をダメダメなやつにしようとするな!」
「〇び太くんとジャイ〇ンのBLがあるくらいだし、別にいいじゃん」
「だから何で全てBLで考えるんだよ!」
「意外とBLが世界を動かしてることだってあるんだよ」
「例えば?」
「野獣〇輩とか」
「それはBLの域を超えてる!」
「でも今のままだったら、女子に引かれてる状態が続くからね」
「俺って女子に惹かれてるのか!嬉しいな!」
「惹かれてるんじゃなくて引かれてるの!」
「……じゃあ俺はどうしたらいいんだ?」
「さっきのキャラはちょっとやりすぎたかもだけど、私がアドバイスしてあげるからさ、もうちょっとカッコよくなろうよ」
「…………わかった。だけど、俺だけキャラが変わるのって何か嫌だな。何というかさ、一方的じゃん。だから俺のキャラが変わるかわりに、お前もキャラを変えろよ」
「例えばどんなキャラ?」
「俺のイメージだと、幼馴染のヒロインってさだいたいツンデレかヤンデレの2択だと思うんだよね」
「そのどっちかをやれって?」
「うん」
「わかった。試しにヤンデレっぽくなってみるね」
『迅城ちゃんのヤンデレか…………。どんな感じになるんだろ。楽しみ!』
迅城は俺に顔をめちゃくちゃ近づけてきた。しかもめちゃくちゃ睨んでるし。怖……!
「何でいつもしぃちゃんと一緒なわけ!」
「いや、部活で一緒だから……」
「他の女に手を出すんだね!そういうことなんだね、弐星!」
「俺、チキンだから手を出したことないけど……」
「ということは手を出そうとしてるんだね!」
「出すつもりもないけど」
「他の女が寄り付かないように、…………一緒に死の?そしたら一生私と一緒だよね!」
「ストップ!ストップ!ヤンデレキャラやめて!」
「えぇ……。これからがお楽しみだったのに!」
「もうお前はヤンデレ禁止な」
「弐星がやれって言ったんじゃん!」
「お前にはツンデレがいいってことがよくわかった!」
「ツンデレが似合ってるって誉め言葉かどうかよくわからないけど」
「とにかくお互いキャラ変頑張ろうな」
「私がツンデレになるのはよくわからないけど。そうだね。頑張ろう!」
『何この展開!シュール!』
しかし、ツンデレか!迅城がどんな感じに変わるのかちょっと楽しみだな。




