第20.5話
私、迅城は文化祭を弐星と2人で回っていた。
「俺のことが好きならそう言えって。……お前を誰にも渡したくない」
「ば、バッカじゃないの!弐星のことを好きになるもんか!……ふん!」
……。
「「ぷっ!はははははははははははははははははは!!!」」
「俺にこのキャラは絶対に似合わねえだろ!」
「私だって似合わないよ!」
「……いや、お前のツンデレはなんかこう……グッとくる」
「そんなことないって!」
私たちはキャラ変にチャレンジしていた。
弐星と一緒にキャラ変をするタイミングがちょうど文化祭がいいという話になったんだよね。
というか私にツンデレって似合うのかな?弐星をキャラ変させるために私もキャラ変することになってけれど、急に自分を変えるのって難しい。
……ぷっ!弐星の演じてるイケメンっぽい(弐星的には)キャラと顔が全く一致していないのが面白すぎる!
やっぱり弐星はちょっと失礼だけど変な感じがいいよね。このイケメン(?)キャラも十分変だけど、いつもの変な感じが一番しっくりくる。
弐星と初めて出会ったときは、こんな変人?変態?じゃなかった。それから、東村とも出会っているうちにだんだん面白いところが見つかってきて、気が付いたらずっと……弐星のことを見ていた。サルに襲撃されて宿題のプリントがビリビリにされて悲しんでいた弐星、東村に嫌がらせをされて萎えていた弐星、授業中にクラスのみんなが偶然同じタイミングでシャー芯が折れて折れたシャー芯が弐星の目に入って『何があったらこうなるんだよおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!』とか叫んでいた弐星、そして……私がなんとなく学校が嫌になっていたとき一緒に学校をサボってくれた弐星を見ていると、胸が熱くなってくる。
弐星は変だけど、面白くて優しくて楽しませてくれる人。
やばい!このことが頭をよぎると、顔が熱くなってくる。何か別のことを考えないと!
そうそう!何でキャラ変することになったんだったっけ?
確か、最近弐星がすごくおかしいって話をしてて…………。




