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バドミントンでわんこそばの掛け声をやったった……  作者: 三好ペペロンチーノ
番外編 弐星とどんちゃん騒ぎをしたりしなかったり

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東村と不思議

 俺の周りの奴らは異常で非常で過剰で過当で多様だ。本当におかしい。不思議。

 例えば、小白。あいつのかわいさ、美しさが何もかもを周りの男女構わず魅了させる凶悪な女。これだけでも不思議だが、もっと不思議なのは高校に入ってからこのようになった可能性があるということだ。今の小白の存在は大海高校だけでなく、難多羅高校、望緑(ぼうりょく)高校にも知られているとか。にもかかわらず中学生までの小白の噂は知らなかった。情報を集めることにおいて右に出る者はいないほどの俺が、知らないということがおかしい。不思議。

 例えば、『小白ファンクラブ』。小白を女神のように拝み、敬う組織。俺は提案し、創設者になったが、異常なほどに成長し、大海高校の域を超えて他校や町中の野郎どもも入ったという組織。巨大になって俺の手に負えなくなりそうなほどにまで成長してしまった。この組織には絶対に守らなくてはならないルールが存在する。小白にこの組織のことがバレることだ。そのため、小白が大変な目に合ったら裏でサポートするしかない。例を挙げると、小白が弐星を探して森に入って気を失ったときのこととか(第10話より)。あのとき、雨が降っていて小白の足跡が消えてしまったため、誰かに発見されにくくなってしまった。小白のエキスパートである『小白ファンクラブ』は小白を誰よりも先に見つけていたが、絶対条件があるため自ら助けることは許されずできない。そこで、まるで小白の足跡があったかのように足跡を作ることで誰かに発見してもらおうとしたのだ。ただ運が悪いことにその発見した誰かというのがこの組織に恨まれている弐星になってしまったが。さすがと言える。俺の予想を超えたことをする。不思議だ。

 例えば、岩破先輩。いつもはひ弱で頼りのない先輩だが、ラケットを持つと筋肉が急激につき、身長が160cmから190cmへと伸び、そして強者のオーラを放つという超人になる。『化け物』という言葉がとても似合うだろう。いや、1周回って『神に近い存在』と言うべきか。やはり不思議だ。どう考えても不思議だ。なぜラケットを持つと、『化け物』または『神に近い存在』になれるのだろうか。『非常な存在』になれるのだろうか。もしくはなぜラケットを持っていないときが『非常な存在』なのだろうか。岩破先輩の情報は俺が大海高校に入学するまで知らなかった。なぜ俺が知らなかったのか。知れなかったのか。俺が入学するまでに大海高校で一体何が起きたのか。不思議。

 例えば、弐星。あいつは想定外な行動をする。毎日の登校は必ずと言っていいほど何かが起きている。基本的にサルかイノシシかクマ、もしくは『小白ファンクラブ』の野郎どもに追いかけられている。こいつのどこを普通と言えようか。そしてさらに不思議なものが増えた。それに気づいたのは合宿の最終日。旅館の前で部活メンバーたちと撮った集合写真のことだ。まあ、弐星は『大地獄』の影響で記憶がないだろうが。その集合写真で写っている、俺たちが無理やりが立たせた弐星。弐星の腕に別のヒトの『ウデ』のようなものがあった。この『ウデ』は俺のでも小白のでも大陸のでも岩破先輩のでももちろん竹土先生のでもない。ではこの『ウデ』は何なのか。まるで心霊現象のようだ。集合写真を弐星に渡した際、弐星にこのことを伝えたが、弐星は『どうせカメラに不具合でもあったんだろう』とか言っていたが、目が泳いでいた。これは『何か』がある。謎。不思議。

 例えば、バドミントン部。俺たちが部活に入る前は部員が岩破先輩ただ1人。大海高校の校則で部活動に関して『部員が減った際、部員が5人以上でない部活動は1週間以内に部員を5人以上にしなければその部活動は廃部とする。』と書かれていた。そしてこの高校は新たな年度になったとき、部活動に入っている生徒はまた入部届を出す必要があり、出さなければ問答無用で退部にされる。これは幽霊部員の対策とされている。ここからわかることはバドミントン部は新たな年度になるまでで、岩破先輩以外の部員が辞めたことになる。この生徒たちは自ら辞めたのか、それとも幽霊部員になったかの2択だ。そのどちらかだとしてもおかしな点がある。それは大海高校のバドミントン部は大会でバドミントンの強豪校の難多羅高校、望緑高校と張り合えるほど強く、毎年、バドミントン部は大海高校の生徒の半分くらいを部員にするくらい部員が多い部活だったという点だ。大人数が急激に辞めるのは異常だ。何か事件があったと考えているがそれに関係する情報がない。不思議だ。

 不思議で不思議でしょうがない。俺は夏休みを全て費やしてでも不思議で謎でおかしいものの情報を手に入れてやる。そうしないと俺の気が済まない。

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