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バドミントンでわんこそばの掛け声をやったった……  作者: 三好ペペロンチーノ
第1章 弐星、バドミントン部に入ったった!
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第2話

 今日は本当に疲れた。東村の言葉でクラスメイトから見られる目が怖くなったのは正直きつかった。

 授業は終わったが、放課後にバドミントン部の活動があるらしい。しかも、外でトレーニングとかめちゃくちゃだるい。ちょっとてきとうに練習に参加しようかな。

 そんなことを考えてるうちに、校庭の端っこに到着した。

 集合場所がここのはずなのだが、誰もいない。俺は場所を間違ってしまったのだろうか?とそのとき、

 「おーい、弐星!遅くなってごめん!」

 東村が見知らぬ体育着姿の女子生徒と一緒にやってきた。

 「東村、その人は?」

 「ああ、この部活唯一の先輩の岩破先輩だ」

 「あたしはしゃべるの苦手だけど頑張って後輩にいろいろ教えるね?」

 「俺は弐星と申します。………あの、先輩。東村がすごく気になることを言ったんですが?岩破先輩が唯一の先輩なら、この部活って、廃部しそうなんですか?」

 「そうなんだよ。あたしの友達や先輩がみんなやめっちゃってさ。ほんとにどうしようか悩んでるところなんだよね。だってさ、この学校って、すぐ入部できるじゃん?それでこの日に入部届を出す人がほとんどなんだよね。つまり、今日部員が規定以上いないと廃部みたいなものなの」

 「部活動は5人以上、部員がいないと成立しなくて、猶予は入学式が金曜日の場合を除いて、入学式のあったその週。つまり、今年の入学式は水曜日にあったから、今日が木曜日。猶予は明日までってことだね」

 東村が付け足すように言った。

 つまり、このままいけば、東村に関わる理由がなくなるから、俺の青春はとても素晴らしいものになるということだ。そうなったらどんなにいいことであろうか。

 「もちろん、部員を集めてくれるよな?」

 東村はニヤリとしながら言った。

 先輩がキラキラとした目でこちらを見ているので絶対に嫌とかはどうしても言えない。どうしよう。

 東村が小さな声で、俺の耳に口を近づけながら言ってきた。

 (なあ、お前ってさ。ベットの下に『俺は異世界に転生したらいきなりチートハーレムになってしまったのだがどうすればいいのだろうか』とかいう題名の小説を書いたノートがあったんだろ?しかも、最近、母親がお前の部屋を掃除してたとき、たまたまそれを見つけられて読まれちゃって、『あんたって、そういうのが好きなんだね』とか言われたんだろ?)

 「何で知ってるん……だ…………よ………………。また、お前に引っかかってしまった…………」

 「いや、今回はそのノートをてにいれたのだが?それがこちらです!」

 「どうやって手に入れたんだよ!」

 「弐星、どんまい」

 「先輩、聞いてたんですか!!!もうやだ!」

 東村は必死に笑いをこらえながら、今度は先輩に聞かれないくらい小さい声で俺に言った。

 (まあまあ落ち着けって。…………これを迅城に読まれたくなければ部員を集めるの手伝えよな?)

 「どこが落ち着くんだよ!」

 俺はしかたがなく部員集めをすることとなってしまった…………。

 「何話してたの?まぁそれはいったん置いとくとして。外練するよ!まずは学校の周りを100周するよ」

 「えぇ!学校の周りってけっこう道のりあるのに、それを100周とか絶対無理。今日は呼吸して疲れたから走れない!」

 俺は誰にでもわかるような嘘をついて、めんどくさい後輩アピールをした。これで、俺は正式にこの部活から出られる。俺って、天才かもしれない。

 「じゃあさ弐星くん。あたしと勝負しない?ルールは簡単。あたしのロングサーブを君がもし取れたりシャトルがコートからでたりしたら、部活に来なくていいよ?ただし、取れなかったらちゃんと練習に参加してもらうからね」

 「いいですよ?ロングサーブが何かはわからないですが」

 「ロングサーブは遠くに高く飛ばすサーブのことだよ。あっ、シャトルとサーブってわかる?」

 「さすがにわかります!たしかシャトルは羽のことで、サーブは最初に打つやつですよね?」

 「まあ、そんな感じ。ラケット、弐星くんは持ってないよね?どうしよう」

 「俺のを弐星に貸しますよ?」

 先輩はコートらしきものの線を描き終わったようだ。

 「コート、できた!準備できた?あたしも準備するね」

 先輩は()()()()()()()()。すると、先輩からバトル漫画でよくありそうなオーラのようなものを放ちだし、あちこちの筋肉が素人でもすごいと思えるくらいになった。そして、身長が160cmくらいから190cmくらいに伸びた。

 俺は夢でも見ているのだろうか。勝負、受けなきゃよかった……。ラケットを持ったらなんでこんなに変わるの!こ◯亀でバイクに乗ると性格が変わる登場人物はいたが、岩破先輩のように変わるやつはいるのだろうか?

 いや、弱気になってはだめだ。まだ、勝機はある。勝負の内容はロングサーブとやらを俺が取れるまたは、そのサーブがコートから出てしまったら、俺の勝利となる。内容的に俺のほうがたぶん有利なはず!

 俺の青春のために、先輩には申し訳ないがここは勝たせてもらう。いくぞ!

 「じゃあ、いくよ!いけ、ロングサーブ!!!」

 シャトルがすごく上にとんだ。どこに行ったか見えないのだが……。

 「なあ東村。ロングサーブとやらはこんなに上に飛ばすものなんだな?」

 「ロングサーブは絶対こんなんじゃない!」

 東村がツッコミをするとは珍しい。ということは、これはとても異常なことだというのだろう。

 シャトルがまだ戻ってきてないのだが。

 「先輩、これは俺の勝ちでいいですか。高く飛ばしすぎたからどこかに行っちゃったんじゃないですか?」

 「…………………」

 先輩は目を閉じて、黙っていた。

 のどが渇いたからコートから出て自分のお茶を求め、自分のバックに向かい歩き始めたそのとき。

 後ろで突風とともに、『ヒューーーーーーーー、ドオーーーーーーーン!』という音があった。気になって振り向くと、俺がコートに先ほどまでいたであろう場所に、黒く焼け焦げたような物体を中心としたクレーターができていた。ちょっと待て。頭の整理が全然できない。どういうことだ?

 東村がつぶやいた。

 「もしかして、あの黒いのってシャトルなのか?」

 東村がクレーターの中に入り、黒い物体を素手で触った。すると、東村はとてもうれしそうにしながら、俺に向けてしゃべった。

 「多分これはシャトルがいったん宇宙に行って、隕石みたいに落ちたとかそんなところじゃないか?弐星、お前は負けたんだよ」

 「クレーターができるくらい強いのを取ったら死ぬわ!!!」

 その後、俺は練習で力尽きた。

 

 次の日の昼休み。悪友に声をかけられた。

 「いいか?バドミントン部の部員を俺たちで1人ずつ集められればそれでいい。何か質問は?」

 「先輩にも手伝ってもらったほうが集めらる気がするのだが」

 「()()()()()()()()()()()先輩はコミュ障で部員集めに適していないから、ヘタに集めるよりいないほうがいいから誘っていない」

 俺も結構コミュ障なほうなのだが。どうせ、何を言っても東村には通用しないだろう。

 そうだなあ、とりあえず、ぼっちなやつを誘うか。グループに声をかけるのはちょっときつい。

 とりあえず、中庭に出た。すると、後ろからクラスメイトの男子たちの話し声が聞こえてきた。

 「今日のサッカーは負けないぞ!俺の本気のシュートでお前らを蹴散らしてやる!見てろ、この素晴らしいシュートの動きを!」

 「大島!前前前!」

 すごい音ともに俺の尻へと足が行き、俺は空高く吹っ飛んだ。

 「ふざけるな、小島ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 「俺は大島だあ!」

 俺はどこまで飛ばされるのだろうか?と思っていたら、屋上のほうへと向かっていた。

 俺は股間に思い切り屋上の柵をぶつけ、悶絶しながら顔から屋上の床に落ちた。超痛い!

 すると、失禁しそうになるくらいめちゃくちゃかわいすぎる女子に声をかけられた。

 「あの、大丈夫ですか?」

 死んでもいいかもしれない。

 「ああ、大丈夫です……」

 ふと、その女子の後ろが気になった。そこには俺が喧嘩したら絶対に負けるくらいに屈強な男ども十数名とその中心に東村がいた。

 東村はカンペのようなものに何かを書き、俺に見せてきた。

 『(俺の後ろにいるのは、お前の目の前にいるその女子のファンクラブだ。お前がその女子に何かしたら、人生は終了すると思え。だから今からこのカンペで、「」内の文字をそのまま言え。そしたら、命()助かるだろう)』

 命は助かるだろうの『は』がちょっと気になるが、死ぬかもしれないならやるしかない。東村がカンペを見せてきた。その文字をそのまま言った。

 「『あの、お名前をうかがってもよろしいでしょうか?俺は弐星です。』」

 「わたしは小白だよ」

 「『俺は今、バドミントン部に入部してくれる人を探してました。突然で申し訳ないのですが、できたら、入部してくれますか?できなかったら、廃部になっちゃうんです!』」

 「まあ、別にいいけど」

 「『ところで、あなたのことがす…………。』」

 「す?」

 「いえ、何でもないです!部活は今日もやるので、ぜひよかったら来てください!ちょっと急用ができたので、それじゃあ!」

 小白さんに手を振り、東村を八つ裂きにするために屋上のドア付近に来たのだが東村の姿がない。もう逃げられたか!

 カンペには『ところで、あなたのことが好きです。付き合ってください。』と書いてあった。東村は言っていた。いや厳密にいうと書いていただが、小白さんに何かしたら俺の人生が終了するとかなんとか。

 つまり、最後のカンペのセリフを口にしていたら、殺されていた。さすがは、嫌がらせのためなら何でもする男だ。あんな野郎を放っておけるか!ぶち殺してやる!とか考えていると、屈強な男に声をかけられた。

 「おい、小白さんにあんなになれなれしくしておいてただで済むと思ってるのか!」

 命は助かるだろうの『は』の意味を理解できた。今理解しても遅いんだよ!

 俺は自慢の逃げ足で逃走した。

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