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バドミントンでわんこそばの掛け声をやったった……  作者: 三好ペペロンチーノ
番外編 弐星とどんちゃん騒ぎをしたりしなかったり

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大島と体育祭

 5月に行われる体育祭。最近は地球温暖化とかいうやつのせいで、暑い中でやるとか。これは一種の拷問だ。今氷河期がやってきて地球温暖化と中和してくれたら、快適になるんじゃないか?

 体育祭は綱引き、ムカデ競争、パン食い競争(パンはパンでもフライパンだ。フライパンの持ち手を口にくわえてゴールまで持ってくんだと。)、赤白対抗リレー、応援合戦、玉入れ、騎馬戦、台風の目とあったが、俺にとってこれらは茶番だ。今日、とても大事な競技といえるのは部活対抗リレーだ!

 部活対抗リレーはそれぞれの部活が対抗してリレーをする。そしてその部活の中から選ばれた4人が100mを走り、バトンをつなげていく。

 このリレーは普通のリレーとは違う点がある。

 まず1つ目はリレーに使うバトンだ。あの細長い棒をバトンとして使うのではなく、その部活で使う道具をバトンのかわりとして使うのだ。だから例えば、変態の弐星たちが所属するバドミントン部はラケットが、最近異様な雰囲気を漂わせている野球部はバットがバトンがかわりになる。そうなると俺が所属しているサッカー部はサッカーボールになるのが()()だ。……このリレーの勝利へとつながる要はバトン選びが大事になってくる。持ちづらかったり、次の人に渡しづらかったりすると支障が出てしまう。サッカーボールは持ちづらい。だから別の道具をバトンにしなければ勝てない。そこでサッカー部がバトンのかわりにしたのは練習や試合で使うシューズだ。それもサッカー部の中で足のサイズが一番でかい人のやつだ。そうすれば、バトンとしては悪くないだろう。1つ欠点があるとすれば、そのシューズがとても臭いことくらいだ。

 そして2つ目。それは賭けがあることだ。賭けをしたいと希望した部活の中で、1位になった部活は最下位の部活の4分の1の部費がもらえる。悪く言うなら最下位から奪えるのだ。どの部活動も部費は喉から手が出るほど欲しい。だから、バトンに関してガチで作戦を立てたのだ。

 そんな部活対抗リレーはやはり情報が必要だ。ライバルとなる別の部活のランナーがどんなやつかは知っておかなくてはならない。まず、絶対的強者は陸上部。使う道具がバトンだからバトンを使うのは当然で、しかもリレーは陸上部のテリトリーだから正直言って対策しようがない。バスケットボール部だって、コート内を走り回ったり攻撃や守りで体力を消耗したりするから強敵だろう。コンピューター研究部やら漫画研究部やら茶道部やらは運動部じゃないし、別に走るのがものすごく得意とするやつがいるわけでもないらしいので、それらの部活は一旦切り離す。問題はバドミントン部。アンカーの予想がまったくできない。普通に考えると部長になる。その部長の身体能力を体育の授業で偶然見ることができたが、本当に部長なのかと思わされるほど運動神経が悪すぎた。走る速さが歩く速さとあまり変わらないから、部長がアンカーにはなるまい。

 そうなると、アンカーは東村かな。体育の授業で少人数のグループをつくってそのグループらでリレーの対決をしたのだが、アンカー同士の俺と陸上部の1人が1位の争いをしていて、俺がその陸上部のやつを抜かせたと思ったら、急に速く走りだした東村がゴールして1位になりやがったんだ。……あいつ、絶対空気を読んだ上で空気を読まない行動をしたよな。

 さて、部活対抗リレーが始まるようだ。競技に参加する俺を含む生徒は偶数走者と奇数走者でわかれて位置に着いた。俺はなんだかんだサッカー部で一番足が速い。つまりアンカー。そのため俺は偶数走者の集まる場所にやってきた。

 予想ができないバドミントン部の走順は小白、大陸、弐星、そしてアンカーは岩破だった。アンカーは東村でないのか。これは驚きだ。岩破って先輩だったよな?バドミントン部の唯一の先輩ってことは…………部長だと!運動神経悪すぎたあの!バドミントン部はこのリレーに熱意はないのか?実は賭けに参加していないとか?

 そんなことを考えているうちに、ピストルの合図で部活対抗リレーはスタートした。まずはここでライバルたちを突き放したいところだ。しかし、いつもなら俺と足の速さが五分五分の記録を持つ兆尻(ちょうじり)が全然本気で走れていない。それは他のやつらもそうだ。……バドミントン部の小白を除いて。兆尻たちの視線が小白に集中している。観戦しているやつらもだ。なんでそんなに集中しているんだ?まるで小白に魅了されているみたいに。……これはバドミントン部の作戦なのか?

 小白が兆尻たちとの距離を突き放して大陸とやらにバトンを渡した。その瞬間に我に返ったランナーたちは先ほどとは違い猛スピードで走った。大陸とやらはまるで小白に渡されてすごくやる気なのかなんなのかは知らないが、かなり速く走っている。だが、強豪をなめてもらっては困る。大海高校の陸上部、バスケ部、そしてサッカー部のやつらはみんな足が速い。学校全体の50m走の平均は、この3つの部活のやつらの影響ですごく高くなっているのを忘れるなよ!

 大陸とやらは、予想通り3つの部活のやつらに抜かされた。これらの部活はバトンパスをして、熱いバトルが始まった。ここで突き放された部活は負けだ。頑張れ!サッカー部!そんな中、やっとバトミントン部はバトンパスをした。バトンを受け取ったのは弐星だ。……パンツ一丁の姿の。何で……?あいつは体育の授業のあまりやる気がなく適当に走っていたときとは違い、すごくやる気に満ち溢れているようだ。メイショウブをしている3つの部活に追いつこうと猛スピードで走り距離を縮めてきてやがる!負けるな!サッカー部!

 追いつく前に3つの部活はアンカーへとバトンを渡した。俺もバトンを受け取った。さて100m走12.4秒の俺の本気を見せてやるか!俺は臭いシューズを片手に全力疾走し、陸上部とバスケ部との距離の差が少し出て今サッカー部は1位。このままカーブして直進すればゴールだ。

 バドミントン部の弐星がやっとアンカーにバトンパスをした。ここではバトンではなく()()()()と言うべきだろうか。アンカーの岩破センパイはラケットを持った瞬間、外見がとても変わった。バトル漫画でよくありそうなオーラのようなものを放ちだし、あちこちの筋肉が素人でもすごいと思えるくらいになって体操服がぴちぴちになった。そして、身長が160cmくらいから190cmくらいに伸びた。……ここまできたらほとんど別人だよな。

 センパイはリニアモーターカーをも超えているかもしれないくらいの速さで走った。走っていると、早すぎて周りの観客やらテントやらなんでもかんでも吹き飛ばしてこちらに向かってきた!やばい!殺される!俺は全力疾走していたが、抵抗もむさしく吹き飛ばされた。

 しかし、幸運なことが起こった。周りのやつらは上やら左右やらに吹き飛ばされたが、俺が吹き飛ばされたのは前でたまたまゴールした。頭からゴールテープを切ったのは人生で初めてだ。

 俺はサッカー部を1位に導くことができて嬉しいがそれ以上に嬉しいことができた。それは俺は初めて敬い拝む存在ができたことだ。

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