詫楼とゴールデンウィーク
ゴールデンウィーク初日。今日は僕たちの部活はない。
というわけで書店に模武と共に向かっている。何のためか。それは三大欲求の1つである性欲を発散するためだ。もちろんエロ本を買うわけではないぞ。エロ本を買うには18歳からでなければならないからな。しかし、性欲を発散するのに、エロ本は必要不可欠。今はインターネットでエロ本と同等の価値のあるものを見たり読んだりできる。しかしそうするとだな、検索履歴やら何やらが残って誰かに見られてみろ。性癖がバレてしまうのだ。見られるのが男友達なら別に構わない。だが女友達やら親やらに見られてしまったら、死にたくなるだろうな。ではどうしたらいいのか。僕が導き出した答えは、合法でかつ性欲の発散が可能なエロ本のかわりを用意すればいいということだ。それは一体何か。ライトノベルだ。ライトノベルには少々失礼なことをするが、話を読むのではなく、絵を見るのだ。挿絵とかエロいのがあるよな。あれを使うんだ。あれがあればエロ本のかわりになれるだろう。僕って天才なのではないだろうか。
僕たちは駅からショッピングモールへと続く道を歩いていると、
「何で俺はお前がライトノベルを買うのに付き合わなきゃいけないんだよ!」
「小白さんに似てるヒロインを探すために決まってるだろ!」
「お前らの組織が盗撮でもすればいいいじゃんかよ!犯罪だけど」
「それはもうした!」
「したのかよ!」
「でもさ、そういうのはいけないって最近気づいてさ、ほんのちょっと怖くなったんだよ……」
「最近気づいたのかよ!しかもほんのちょっとしか怖くないのか!」
「とにかく俺の買い物に付き合え!」
「1人でやれ!」
「いいじゃんかよ!1人よりさ2人のほうが探すの効率いいじゃん」
「それこそ、『小白ファンクラブ』の活動じゃないのか?」
「同志たちは俺たちとは違う書店で買ったり、用事があったりで今から行く書店には俺だけが行くんだよ」
「じゃあ東村を誘えば良かったんじゃね?あいつはノリいいから、そういうの一緒にやってくれそうなんだけどな」
「東村は用事あるらしいから無理だってさ」
「詫楼と模武でも誘えば?……そういや、あの2人も『小白ファンクラブ』なんだっけ?じゃあダメか」
「あいつらにはこの活動のことは伝わってない。だって他校だし、伝えるのはちょっと苦労するから伝えられていない。ラ〇ンの交換するの忘れてさし」
「それで俺に行き着いたのはわかったけど、俺も用事があったんだよな……」
「何?」
「家族で日帰りの温泉に行くっていう用事だよ!」
「お前はどこでも裸になるやつだから、弐星にとってここも温泉とほとんど変わらねえだろ」
「めちゃくちゃ変わるわ!あと俺は温泉はただ裸になるだけの場所だと思ってねえからな!」
「えっ!そうなの!」
「マジの驚きやめろ!」
話がある程度終わったみたいなので、僕と模武は前にいる弐星と大陸に声を掛けた。
「よう!久しぶり!」
「久しぶり」
「おぉ!同志の詫楼と模武じゃないか!まさかライトノベルを買いにか!」
「そうだ。だが、お前らと目的は違う」
模武は口を開いた。
「大陸と目的が違うのはどういうことだ?お前らも小白さんに似てるヒロインが目当てじゃないのか?」
「いやな、エロ本のかわりになるやつを探そうと思ってさ」
「大陸、ごめん。俺、この2人のほうに付き合うわ」
「おい弐星!ふざけんなよ!……いや待てよ。…………俺にいい案があるのだが聞いてくれないか?」
大陸は真面目な顔で僕たちに言ってきた。
「「「何?」」」
「小白さんに似てるヒロインがいて、エロ本のかわりになるライトノベルを探せば良くないか?」
「「それはいい案だ!」」
「ちょっ!2人とも!……しゃあない。俺もそっちに付き合うしかないか」
「それじゃあ決まりだな!」
そのとき、前から急に小白さんが現れた。わぁ~……!小白さんだ!今日も可愛い!
「弐星くん!ちょっとごめんね!」
「小白さん!」
弐星の後ろに小白さんが隠れた。
(おい弐星どういうことだ!俺たちに殺されたいってのかよ!)
(僕は弐星を同志だと思っていたのに!ひどいよ!)
(裏切者!)
(ちょっと待て!この状況は俺にもわけがわからないのだが!)
弐星を模武と大陸と一緒に処刑しようとしたとき、僕たちの横を爾弧鋳が通ってった。
小白さんはあたりをきょろきょろ見渡して、弐星から離れた。
「弐星くん!ありがとう!それじゃあみんな、またね!」
小白さんは僕たちに手を振って、この場を去っていった。
小白さんがいなくなったのを見計らって、模武と大陸は弐星を思い切りぶん殴った。
「痛っ!なにすんだよ!」
「そこに裏切者がいたからだが、問題でもあったか?」
「問題大ありだ!」
「模武と大陸。いったん冷静になってくれ。小白さんは爾弧鋳に追いかけられていた。つまり、弐星のこれは不可抗力とかだ。だから、弐星をひどい目に合わせるのは間違っている」
「詫楼は弐星を許すのかよ!」
「そうとは言っていない。だから僕は提案するよ。毎日釘バットで千本ノックの刑にするってので手をうとうか」
「「賛成!」」
「おい!おかしいだろ!……お前らさ、小白さんに自分の鼻を向けて小白の香り嗅いでなかったか?」
僕たちは目を明後日の方向に向けた。模武は口笛も吹いていた。
「僕は……そんな……ことしてないよ?」
「嘘つけ!お前らが小白さんの香りを嗅げて満足なら別に俺を処刑しなくてもよくないか!」
「「「……確かに」」」
僕たちは他愛のない話をしながらショッピングモールの書店へと向かった。
大陸が口を開いた。
「さて、目的の本を探すか!」
僕たちはとりあえずラノベが並べられているコーナーへと向かい、探しまくった。僕は『エロかわいい人見知り女子とイチャイチャしたい!』というラノベを発見した。弐星はこの本に手を伸ばしていた。
「詫楼もこれがいいのか?」
「そりゃもちろんだよ!エロかわいいし、顔とかスリーサイズとかが小白さんに似てるし!」
「確かにな」
大陸と俺たちのほうにやってきて口を開いた。
「おいおい!こっちのほうがいいに決まってるだろ!」
こちらに見せてきたのは『最強にかわいいヒロインと付き合う最強な作戦を考えている』という本だった。確かにそちらも似ている。……くっ!なかなかやるな!
「……というか詫楼がその本を買うなら俺は別のにしなきゃな」
弐星はそう言うと、並べられているライトノベルから1冊の本を抜き取った。それは『密室エロかわ女子事件』という本だった。それもなかなかおもしろそうだな!
「お前ら、そんなちんけな本を選んでんじゃねえよ」
模武が僕たちの前に現れた。というか模武、口悪いな!模武が選んだのは『99%エロ本』という本だった。
そんなのあったのかよ!しかも表紙にいるヒロインが小白さんにめちゃくちゃ似てやがる!よく見つけたな!
大陸が口を開いた。
「なあお前ら。それらの本を『小白ファンクラブ』に寄付しないか?」
「「「絶対に嫌だ!」」」
「なんでだよ」
「自分の部屋で読みたい」「そして自分の部屋でシ〇りたい」「そして自分の部屋でこの本のヒロインに毎日『おはよう』から『おやすみ』まで言いたい」
僕、模武、弐星の順で言った。……僕以外のこの2人、すごく不純な理由じゃなかったか?
「さすがに1冊は組織の活動上の都合で寄付しなきゃならないんだよ。……じゃあ、俺たちでじゃんけんして負けた1人が寄付するってのはどうだ?」
「「「それなら、……まあいいか」」」
僕たちで円を作って、手を出した。
「「さいしょは……」」
「「セーフ!アウト!よよいのよい!」」
僕と模武は『さいしょはぐー』をしようとしたら、弐星と大陸が謎の掛け声をしてきた。
僕と模武はそのよくわからない掛け声に驚いて反射でぐーを出した。弐星と大陸はチョキを出していた。つまり、僕たちは勝った!やったー!
弐星と大陸はTシャツを1枚脱いだ。…………は?
「ちょっと待て!お前ら、急に脱ぐな!ここは店の中だぞ!」
「「ああ、ごめん。脱いだ服が邪魔なんだな。でも大丈夫だ。服はちゃんと持ってるから」」
「そうじゃなくて!なんで服を脱ぐんだよ!」
「「普通じゃんけんは服脱ぐだろ」」
「じゃんけんイコール野球拳じゃないからな!」
弐星は俺の肩を叩いて言った。
「野球拳をしたらおもしろさがわかるから!1回でいいからやってみ?」
僕と模武はしょうがなく野球拳をすることにした。
10分後。
「ひゃっはー!僕はパンイチでピンチだったけど、弐星がとうとう負けたぞ!残念だったな!」
「くそがあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
野球拳、超楽しいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!
「……あのお客さん。店内で騒がれては困ります。あと服は着てください」
店員さんに怒られてしまった。
というわけで僕たちは野球拳を全力で勧めた。




