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バドミントンでわんこそばの掛け声をやったった……  作者: 三好ペペロンチーノ
番外編 弐星とどんちゃん騒ぎをしたりしなかったり

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大陸と入学式

 入学式の日。俺は自分の教室に入った。

 この日俺は『人生の見方』が大きく変わった。小白さんに出会った。小白さんという名の女神を知った。俺の席の隣が小白さんだった。俺は小白さんに話しかけることなんてできるわけがない。絶世の美女だぞ!中学はノリでそんな感じの女子にだって話し掛けることだってできた。だが、高校の補正がかかったのか、その中学の女子よりはるかに可愛かったからなのか、それともそのどちらともなのかは知らないが話し掛けることを恐れていた。

 そのように考えていたら、気が付いた時には、時すでに遅し。もう入学式は終わり、ホームルームでの担任の挨拶も終わっていた。くそ!話し掛けるチャンスだったのに!

 俺は帰ろうと教室から出た。

 「初めまして。俺は東村だ」

 怪しげな野郎に声を掛けられた。カツアゲでもされてしまうのだろうか?

 「誰だ?」

 「お前はさっき座っていた席を見たところ、……えぇっと、お前は大陸と言うのか」

 「俺の質問に答えろ!」

 「俺はもう自己紹介をしたが?つまりその質問は無効となる。というわけで俺の話を聞け」

 「…………なんだこいつ」

 すごく変なやつだ。たぶん関わっちゃいけない人のうち1人に当てはまるのだろう。

 「お前。俺が予想するに、小白とかいう女子に好意を抱いているのだろう?」

 「お前は小白さんを知っているのか?」

 「いや。今知ったところだ」

 「ガチで何なんだよ!」

 「好意を抱いているか抱いていないかどっちなんだ?」

 こいつめんどくせえな!

 「どちらかというとそうだな」

 「そんなお前に提案があるのだが聞くか?」

 「話がポンポン進むな!」

 「俺にはあまり時間がないから早くこの話を終わらせたいのだ」

 「本当にお前何なの?というかその提案を聞いたら何か俺にするつもりなのか?」

 「するといえばするが、別にお前にとって悪い話ではない」

 「聞いた後で何か請求したりするのか?」

 「しないから安心しろ。で話だけでも聞いてくれるか?」

 「……聞くだけなら別にいいか」

 「『小白ファンクラブ』を作る気はないか?」

 「…………は?」

 こいつは急に何を言い出したんだ?

 「これだけじゃ理解できないらしいから、もっときちんと説明してやるとだな。この組織は主に小白、もしくは小白と親しい人物の情報を手に入れ、小白に近づく変態の男を撃退するということをする」

 「なんだよ、そのファンクラブは!」

 「あったら入りたくはないか?」

 「……確かに入りたい。…………ちなみにお前も小白さんのことが好きなのか?」

 「1ミリも好きじゃないが、それが何か?」

 「『それが何か?』じゃねえよ!じゃあなんで作りたいんだよ!」

 「小白を知った男の大半はお前と似たような状況になっていて結構鬱陶しいんだよ。だからいっそのこと、そんなやつらをまとめたら面白くなるかなと、思ったんだが」

 「言ってること、結構やべえぞ!」

 「で、作らないか?」

 「別にいいけど……。けどこれは部活にできるのか?」

 「なぜ部活にする必要がある?」

 「えっ、だって組織を作るなら部活にしたほうが良くないか?部室とかで集まれるし」

 「部室棟と呼ばれる場所は空いている部室が結構あるからそこに侵入すればよくないか?」

 「それ、やっていいことなのか?」

 「そのことはとりあえず置いておくとして、別に部活でなくても何とかなるだろ」

 「置いておくなよ!先生に指導されるだろ!」

 「そうならないように俺が証拠隠滅しておくから大丈夫だ」

 「お前はいつか犯罪をしそう」

 「もうした」

 「もうしたのかよ!」

 「とにかく『小白ファンクラブ』に入りたいやつらが集まっているから早くお前も来い」

 「怪しげな組織に入りたいやつ、他にもいたんだな!」

 「校舎裏に行けば大丈夫だ」

 東村はそう言うとどこかに行ってしまった。……あいつすごく怪しげな雰囲気があったんだけど。

 俺は東村に言われた通りに校舎裏にやって来た。

 集まった野郎どもを見たところ、頭の良さそうな感じのするやつからムキムキやつまで様々だった。そして、この集団の前にリーダーのような感じの男がいた。

 「お前たち!下駄箱に入っていた手紙を読んだ、もしくは東村氏に誘われてここに来たであろう!」

 下駄箱に入っていた手紙?ここにいる野郎どもで東村に直接誘われていないということなのか?

 リーダーのような男は続けて言った。

 「俺は、『小白ファンクラブ』の創設者である東村氏に推薦されてこの組織の会長をすることになった畑外(はたけそと)だ!よろしく頼む!そして東村氏直々に誘われたものはこちらに来い!」

 俺は畑外会長のそばまで行った。

 会長は続けて言った。

 「お前らはこの組織の幹部だ!これからよろしく頼む!」

 え!急に幹部にされたんだけど!

 「お前らに1つ確認したいことがある!小白さんなる女神に近づく変態の男がいたらどうする?声を大にして言え!」

 「「「「「処刑する!!!」」」」」

 「その通りだ!主な活動はそのようなことをする!」

 「よっしゃー!漲ってきたぜ!」「小白さんに近づく男は全員八つ裂きにしてやる!」「小白さんのためならブラのかわりにだってなってやるぜ!」「これを理由にストーカーできるぜ!」「いっそ小白さんに近づく女子もヤっちゃうか?」「小白さんの写真をいっぱい撮るぞ!」

 『小白ファンクラブ』のメンバーは好き放題言っていた。まあ俺もこの活動は結構楽しそうだと思っているが。

 「で、早速だがお前たち、初任務だ!小白さんの情報がなければ小白さんに近づく変態野郎を処刑できない。したがって、今日は小白さんに関する情報を収集するため、小白さんの追跡を行う!」

 「「「「「ひゃっほー!!!」」」」」

 今日から始まる高校生活はとても楽しみになった。

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