トムandジェリー10
創作漫才「トムandジェリー10」
二人 「どうも〜こんにちは〜トムandジェリーで〜す」
トム 「私がトムで、こいつがジェリー」
「二人合わせて、」
二人 「トムandジェリーでーす」
パチパチパチ、パチ(拍手)
トム 「今朝は、寒かったね〜」
ジェリー「寒かったね〜」
トム 「寒いと言ったら鍋だね〜白菜や肉やキノコを煮込んで、アツアツをフーフーしながら食べる鍋。こりゃまた、たまらん〜」
ジェリー「とは限らんよ」
トム 「?」
「湯気で曇ったメガネを、拭き拭きしながら皆んなで囲んで食べる鍋。こりゃまた、たまらん〜」
ジェリー「とは限らんよ」
トム 「?」
「最後の閉めには、沢山の旨味が染みこんだ汁にうどんを入れて食べる鍋。こりゃまた、たまらん〜」
ジェリー「とは限らんよ」
トム 「おいおい、さっきから聞いていれば鍋を否定ばっかりしているけど、何か恨みでもあるのかい?」
ジェリー「君〜鍋は、鉄や陶器でできているんだよ、食べられるわけないだろう」
トム 「私が言っているのは鍋の具。鍋を食べたら歯が折れるぞ」
ジェリー「そうか?この前食べた鍋は、コーンでできていて全部食べられたぞ」
「沢山の旨味が染みこんだコーン鍋をバリバリと食べる。こりゃまた、たまらん〜」
トム 「どこで食べたんだよ、そんな鍋!アイスクリームのコーンかい」
トム 「しかし最近の鍋は、いろいろな味があって楽しめるね〜キムチ鍋とか豆乳鍋とか」
ジェリー「とは限らんよ」
トム 「?」
「トマト鍋なんか、イタリアン風で美味しかったよ〜」
ジェリー「とは限らんよ」
トム 「?」
「おいおい、さっきから聞いていれば、変わり鍋を否定ばっかりしているけど、何か恨みでもあるのかい?」
ジェリー「どんな鍋でも味は同じ〜ただ匂いが違うだけ〜」
トム 「そんなわけないだろう、キムチ鍋と豆乳鍋は色も違うし、味も違う。鍋店に怒られるぞ」
ジェリー「君は騙されてる〜鍋店に騙されてる〜」
「実は、ここだけの話なんだけど。あれは催眠術なんだ」
トム 「催眠術?、そんなわけないだろう」
ジェリー「世の中の人々は〜催眠術をかけられて、ただ同じ味の鍋を食べてるだけ〜」
トム 「そこまで言うなら、証拠を見せろよ」
ジェリー「お前こそ、証拠を見せろよ!」
トム 「?」
ジェリー「きさま、鍋店の回し者だな!」
トム 「違うよ、ただ鍋料理が好きなだけだよ」
ジェリー「その鍋みたいな頭が、怪しいな〜」
トム 「おいおい、この頭は、ただのヘアースタイル。ちょっと個性的だけどな」
ジェリー「ヘンなヘアースタイル」
トム 「大きなお世話だ」
ジェリー「じゃあ、質問するぞ。鍋は、どんな音がする?」
トム 「グツグツ」
ジェリー「やっぱり、鍋店の回し者だな」
トム 「誰だって、そう答えるよ」
ジェリー「そうか、鍋を叩いたらカンカンと音が鳴るぞ」
トム 「そりゃあ、何も入ってない鍋を叩いたらそう鳴るよ」
ジェリー「じゃあ、この鍋をジッと見てみろ」
トム 「わかった」
ジーーーー、ジーーーー、
ジェリー「だんだん鍋が熱くなっきて〜具がグツグツと煮えてきて〜その具が〜だんだんと動き出す〜」
「あなたは、だんだんと〜グツグツと〜眠くなる〜眠くなる〜」
トム 「おおっと、眠りそうになったじゃないか」
ジェリー「そうだろう、そうやって皆んなを騙しているんだな」
トム 「じゃあ、どうやって味を騙すんだよ」
ジェリー「催眠術の時〜キムチの匂いを嗅ぐとキムチ鍋〜」
トム 「それで」
ジェリー「トマトの匂いを嗅ぐと〜トマト鍋〜」
トム 「じゃあ、カレーの匂いを嗅ぐとカレー鍋なのか?」
ジェリー「それはカレーライスです」
トム 「なんだよ、おかしいじゃないか。カレーの匂いを嗅いだら、絶対カレー鍋だろう」
ジェリー「ジャガイモやニンジンや玉ねぎや肉を炒め、スパイスを加えグツグツと煮込む。沢山の旨味が溶け込んだルーをライスにかけ、湯気で曇ったメガネを拭き拭きしながら、アツアツをフーフーしながら食べるカレーライス」
「こりゃまた、たまらん〜」
トム 「おいおい、鍋の話じゃなかったのかい!」
二人 「失礼しました〜」




