引越し
社会人になるから、会社の近くに引越しすることになった。
格安で引っ越す為に、おじさん1人と私で引越し作業をすることになった。
大手の引越し業者はしっかり対応してくれるが、結構値段が高め…
社会人なる前のニート期間で飛んで行くのはキツい。
荷物を急いで詰めて、新居へ向かうとおじさんに伝えた。
「車でおっちゃん行くけど何時頃新居着きそう?」
とてもフランクで人見知りの私でも緊張しないおじさんだ。
「お昼食べて行きたいので、13時迄には着くようにします!」
おじさんもそれくらいに着く、と言い残し車へと向かった。
そして大学4年間を過ごした部屋に忘れ物はないか、確認をしお辞儀をして、駅へ向かった。
思えばあの部屋で色んなことがあったな。
ゲーム大会、ホラー映画会、ピザパ…思い付きで行動出来たフットワークの軽さがあった。
あんなせっまいワンルームに8人もよく入って酒で騒いでた。
よく4年間で1回も苦情入らなかったよね…
あの部屋の色んな思い出を思い返していると、目的の駅に着いていた。
コンビニで適当にお昼を購入し、足早に新居へ向かった。
何も家具がなく、生活感がない部屋でおにぎりを頬張り引越しのおじさんを待った。
今の時間は12時30分。
おじさんの約束よりも随分早く着いてしまった。
まぁ、早すぎて悪いことは無いけど…
床に寝転びながら携帯をいじっていると、インターホンが鳴り響いた。
あれ…?私この時間に何か届く様にしたっけ?
家具とかWiFiは絶対今日じゃないはずだけど。
私は恐る恐るモニターを確認した。
だが、画面は真っ暗のままで何も映らなかった。
使い方がわからないが、鳴っていないようだ。
聞き間違いかな?
でもハッキリ聞こえたんだけど…
私は耳と鼻が異常にいい。
例えば私が教室の端に居るのに、真反対で話している内容が聞こえてくれるくらいには地獄耳だ。
近くの人がタバコを吸ってたらすぐ気付くし、匂いによってはどこに寄ってきたかが分かるのだ。
お陰で周りから犬並と言われる程だ。
慣れない引越しで疲れてるのだろうと思い、携帯を再びいじり始めた。
寝転がりながら携帯をいじっていると、右耳だけ耳鳴りが始まった。
流しているYouTubeの音が聞こえないくらい、とても激しい耳鳴り。
こんなの人生で初めてだ。
寝転んでるのか、寝込んでるのか分からなくなってきた。
耳鳴りに耐えていると、携帯が震えた。
無理矢理画面を見ると、引越しのおじさんからの電話だった。
決死の思いで、電話に出ると新居のエントランスに着いたとの事だった。
すぐに降りる旨を伝え、電話を切ると耳鳴りが収まっていた。
普段ならないことが立て続けになるなんて、きついな。
新居の鍵を取り、急いでエントランスへ向かった。
エレベーターを降りると、おじさんは既に家具を運び出していた。
そこから、無我夢中で引越し作業をした。
やっと引越し作業が終わったのはもう外が暗くなった頃だった。
おじさんに料金を渡し、部屋を片付けようとしたが疲労が勝り風呂へ向かった。
髪を洗っていると、耳鳴りが始まった。
今度は両耳だ。
でもさっきみたいに立てないほどじゃない…
私は恐怖感を感じながら、髪を洗い続けた。
急いで終わらせ、リビングに向かった。
この部屋に来て、何だか調子が悪い。
今日はもう寝ようと思い、ベッドに横になった。
こんなに身体が疲労困憊なのに、眠れない。
慣れない環境だからなのだろうか。
寝るポジションを探すべく、身体をゴロゴロと動かしているとまた耳鳴りが始まった。
今度は左耳だ。
なんでこんなに耳鳴りが続くんだ…
早く寝たいのに。
ベッドの上で蹲っていると、妙にハッキリと音が聞こえた。
ピンポーン
今の時間は23時過ぎ。
確実に宅配便では無い。
そして友人には引越したことを伝えていない。
耳鳴りが鳴っているのに、インターホンだけずっと繰り返し聞こえる。
そんな状況がしばらく続いた。
怖くて、恐ろしくて、ずっと目を瞑っていた。
なんで????
どうして???なんでインターホンが鳴り続けるの??
誰かの声が聞きたくなり、友達に電話かけようとした。
その時
ガチャ
玄関の方から、鍵が開いた音がした気がした。
怖くて目を開けれない。
誰??誰なの……?
私が何をしたって言うの!!!
携帯を握り、110番を押しあとはコールする状況にし意を決して目を開けた。
ー「続いてのニュースです。
本日駅前に引越しをした22歳女性が、死体で発見されました。
女性は何故か、インターホンを破壊し自身の耳を切った状態で発見されました。」
貴方の部屋は大丈夫ですか?