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最低でもビートルズ  作者: 林広正
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4

 その日の演劇は、仲のよくない二つの良家の物語だった。お互いが両親の商売敵の子だとは知らずに恋に落ち、悩んだ挙句に死を選ぶ。その死は両親やその身内を騙すための演技だったが、そうとは知らずにその死を目の当たりにした彼が、彼女を追って命を落とし、それを知った彼女も命を落とすというなんともかやりきれない悲劇だ。その物語の内容も素晴らしかったが、演劇としての見せ方も素晴らしかったが。建物の二階の窓から顔を出す彼女と、外に立って見上げる彼女との愛のやりとりが印象的だった。

 興行が終了すると、ショウは席から立ち上がり拍手を送った。他の観客もショウに倣い真似をした。拍手の手を止めショウは指笛を吹こうとしたが、俺の母親が慌ててそれを止めていたよその判断は大正解だって思うよ。

 家に帰るまでの道程、二人は大いに盛り上がっていた。あのシーンが良かったとか、あの役者の動きが素晴らしいとか、あの背景が綺麗だったとか、話は尽きない。

 カオリはさ、演劇に向いてるんじゃないかな?

 ショウがそう言った。

 どうかな? なんて言う彼女は、まんざらでもない表情を浮かべる。その結果、二人はちょっとばかりの迷走をするんだが、案外と後の評価は高かったりする。俺としては、あまり観たいとは思えない代物なんだけどな。

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