表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最低でもビートルズ  作者: 林広正
71/99

第七章 1

   第七章


 ノーウェアマンのために造られた地下のお店は、キャベランという名前のライブ専門のお店になった。名前のアイディアはショウが出しているから、きっと文明以前の言葉を引用したんだろう。

 キャベランでの興行は、ノーウェアマンが登場した日は大成功ではあったが、それ以外の日では、それほど多くの人を集めることができなかった。始めた当初は、ライブを専門と謳っていたが、実際には学生の余興や会社のパーティーに使用されることが殆どだ。しかし、もう少し後になってだが、ノーウェアマンに影響を受けたバンドが登場し、キャベランを賑わせることになるんだ。しかも、今でもキャベランは残っていて、多くいる音楽家達に聖地と崇められている。

 ノーウェアマンは、キャベランでのライブを三日に一度のペースで行っていた。にも関わらず、連日満員だ。ちょっと異常だよな。今の時代ではもちろんだが、当時のその後に起きた音楽ムーヴメントのときでさえそんなペースで千人規模の会場を満員にできた音楽家なんていなかったよ。

 どんなにライブが盛況でも、それだけで満足するショウじゃなかった。様々な本を読んでは真似をして、自分のスタイルへと吸収していく。しかし、ショウの心は、違うなにかを求めていたようだ。

 Like a rolling stone 最近凄い人気なんだってさ。僕達みたいに専用のライブハウスがあるみたいだよ。

 チャコがそう言った。もちろん、文字を喋るなんてことはしない。ライクアローリングストーン。そう読むそうだ。

 ライクアローリングストーンの曲ってさ、なんか凄いよね。僕達には永遠に真似ができない。そんな感じがするのはなぜかな? 映像を見たけどさ、演奏している楽器も僕達のそれとは別物だよね。形は似ているけど、音が違う。曲そのものも不思議な感じでカッコいいんだよね。

 チャコの言葉を聞き、ショウはたまらずその場でライクアローリングストーンに連絡を入れようとしたんだ。スティーブを使って、メンバーの名前を確認し、連絡先を尋ね、いきなり通信を始めたんだ。ショウのその行動力は、死ぬまで変わらなかったよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ