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最低でもビートルズ  作者: 林広正
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10

 あんた達、なにを遊んでいるんだい。おばちゃんの呆れ声に、ミッキーは頭を掻きながら部屋の中を見回す。そこには、ヨーコとチャコもいた。ショウが知らない五人の男女に、ジョージの姿も混ざっていた。

 これで今回の事件は解決だな。あんた達、これからはもう少し気をつけるんだな。スティーブには、あまり踏み込んじゃいけないってことだ。いくら大学で研究しているお偉いさんでもな、踏み込んじゃいけないって領域があるんだよ。それは身を持って分かっただろ? さぁ、早いとこ帰るんだな。

 ショウの言葉を受け、五人の男女はそそくさと部屋を出て行く。俺には不思議だった。誰一人として、ミッキーにもおばちゃんにもお礼の一言どころか、挨拶すらしなかったんだ。

 なぁ、これってどういうわけなんだ? 助かったとはいえ、ジョージはなんだか放心状態だよ。ちゃんと説明してくれるんだよな?

 ショウはミッキーとおばちゃんを交互に見ていく。二人が頷くのを確認し、その視線をヨーコとチャコに移していく。

 その様子だと、ヨーコもチャコもなにも聞いていないようだね。

 そうなのよ。いきなりおばちゃんが来て、こっちに連れて来られたばかりなのよ。本当にさっき来たばかりなのよ。話を聞く時間すらなかったんだから。

 ヨーコがそこまで言い終えると、すぐにチャコが口を開いた。

 そうなんだ。僕たちまだ、ジョージとも話をしてないんだよ。

 そうみたいだね。それは分かったよ。とにかく今は、早く真実を知りたいね。

 そんなショウの言葉に、おばちゃんがため息をついた。

 さっきの聞き屋の言葉を聞いたわよね? 大学の研究が少し、エスカレートしたのよ。スティーブの機能や歴史を研究するのがさっきの子達のテーマだったのよ。けれどまぁ、深くまで踏み込んじゃったのよね。そういう研究は、こういう場所でやるべきなのよ。まぁ、最低でも感情を心の奥に押し込む訓練はするべきだったわよね

この子だけはそれができていたから、捕まるのが遅かったのよ。しかもこの子がまだ捕まる前に事件に気がついたからこそ手遅れになる前に解決できたのよ。あの子達はもっとこの子に感謝しないといけないんだけど、それはまぁ、諦めるしかないわね。あの子達もこの子も、今回の記憶は全て消えるように設定してあるのよ。今まさに、その最中なのよね。後十分もすれば、記憶の書き換えが終了するわね。その前にさっさと話を終えなきゃならないのよ。放心状態に見える今を超えると、ちょっと厄介なのよ。この話はね、後からでも絶対にこの子には言わないことよ。脳がパニックになっちゃうのよ。

 おばちゃんはジョージに近づき、そっと頭を撫で、話を続けた。

 この子達はね、スティーブの秘密を掴んだようなのよ。あまり詳しくは説明しないわよ。それで意味は汲み取れるわよね。文明以前との繋がりを示す証拠に辿り着いたらしいのよ。

 スティーブが文明以前から存在しているんじゃないかって噂はよく聞くが、いまだに証拠は示されていない。スティーブがそれを拒んでいるってことだ。それこそがその噂を真実と証明しているとも考えられる。

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