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こっちから連絡してみるか。
夜が明けた頃、ショウが呟いた。
今日は休みなんじゃないの? ヨーコがそう言った。
ヨーコは普段、仕事をしている。そのため仕事がある日はこの場所にはやってこない。が、この日は世界的に休みの日だ。
この世界では、三日に一日に休みがあるんだよ。と言っても、ボブアンドディランのような娯楽施設に休みはないが、学校などの公共施設や、一般的な会社ではそうと決まっている。ヨーコが働く会社のように、休みの日の前日も休みなんてのは珍しい。ヨーコは、三日に一度しか働いていない。
ヨーコの仕事がなんなのかは分からないが、十歳で卒業しているんだ。相当な待遇が与えられていても不思議ではない。
三日に一度しか仕事のないヨーコだったが、この日のように二日間も続けてショウの側にいるのは珍しいことだった。
ショウはヨーコに顔を向けたが、なにも言わずにそのまま顔の向きを戻し、ジョージに連絡をする。スティーブを使って、ジョージに通信を入れる。
ジョージに通信が届いていることはスティーブが教えてくれる。しかしなかなか、ジョージは答えない。
なぁチャコ、本当にジョージがなにをしているのか知らないの? あいつが僕からの連絡に応えないなんて、おかしいんじゃない?
チャコは本当になにも知らないようで、確かにおかしいね。なんて言いながらなにか考え事をしていた。
うーん。こんなことってあるのかな? ジョージの位置検索をしたんだけど、所在不明になっているんだよね。
そんなわけないじゃない! ヨーコが叫びをあげた。
確かに、生きていたとするならあり得ないことだが、そこまで興奮するヨーコに、ショウとチャコは驚いた。
通信が届いているってことは、生きてはいるんだよな。矛盾しているってことだね。チャコがそう言う。ジョージはスティーブについての研究をしていたはずだから、なにかまずいことでもしたのかな・・・・
やっぱりなにか知ってるだろ? ショウがチャコを睨みつけ、そう言う。
いや、本当になにも知らないよ。ただね、スティーブの研究って、かなり危険らしんだよ。ここ数年で何人かが行方不明になったっていう噂は聞いたことあるよ。その事実は分からないし、真実なら当然隠蔽されているだろうしね。
そんな・・・・ ヨーコは絶望したかのような声を出し、その場で顔を手で覆い項垂れた。




