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物語の内容は、一人の少女の不思議な冒険譚だった。爺さんがその本に魅力を感じたのは、挿絵が素晴らしかったからだ。内容を知り、さらにその本を気に入った様子だった。
運命っていうのは、哀しくもあり、美しくもある。この次の日に、爺さんは亡くなった。一冊の本を解読した記念にと、家に招待をした。形のある本の話は一切しなかったが、愛する家族と愛するショウ達三人に囲まれ、終始笑顔のまま息を引き取った。不思議なことに、そこにいた誰一人として涙を流さなかった。哀しみは、爺さんの心に吸い込まれていく。爺さんの笑顔の前では、涙を流すことはできなかった。
爺さんが死んだことにより、ショウ達三人は、以前のように毎日は形のある本の溢れるあの場所に顔を出さなくなってしまった。管理をする人が代わったからが理由ではない。代わりの管理者は、いつも双子の置物の前で声をかけてくるおばちゃんだった。足が遠退く理由はない。顔を出さなくなった理由は、文字の解読が一段落したことと、興味が別に向かってしまったからでもある。ショウはヨーコとの時間を優先し、チャコは医療関係に興味を抱き、ジョージはスティーブの研究を始めた。しかし、ショウ達三人がバラバラになったわけではなかった。一緒にいる時間がほんの少し減っただけのことだ。




