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最低でもビートルズ  作者: 林広正
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2

 爺さんが倒れたとき真っ先に爺さんを助けようと立ち上がったのは、爺さんの隣の席に座っていたジョージだった。ショウはあまりにも衝撃を受けたのか、腰が上がらず、椅子ごと背後に倒れていた。その意識はパニック寸前でもあった。そんなショウを正気に戻したのがチャコだ。チャコはすぐにショウの顔を持ち上げ、何度も頬を引っ叩いた。爺さんを助けたいんだろ? しっかりしろよ! そんなチャコの言葉と行動によって、ショウは正気を取り戻した。二人が一緒にいなければ、爺さんを助けることはできなかっただろう。

 それからもう一人・・・・ ショウがそこまで口にしたとき、ドアが開いた。

 お爺ちゃん! ドアが開いたと同時に声が聞こえ、それと同時に女の子が爺さんに抱きついた。

 よかった! 死んじゃうのかと思ったじゃない!

 おいおい、あまり強く締め付けないでくれよ。苦しくて死んじまうよ。

 爺さんのそんな言葉に、女の子が笑顔を見せ、そっと身体を離した。

 もう! 本当に心配したんだからね。そう言いながら、爺さんの肩をポンと叩いた。

 この三人が助けてくれたんだ。話をしたことはあるだろ? この歳でもう十六年生なんだぞ。文字の解読だって、時間の問題だしな。

 爺さんの言葉を聞いたショウ達三人は、なんだか少し誇らしげな表情をする。そしてショウが、僕達だけじゃ助けられなかったよ。と言ったんだ。この子からの連絡があったからなんだ。爺さんの薬のことなんて、少しも知らなかったんだから。本当に死んじゃうのかと思ったよ。

 お前がヨーコを呼んだのか? どうやって? 私はてっきり、スティーブの非常用機能が働いたんだと思ったよ。

 なにを言っているのよ。と、爺さんの言葉にヨーコが答える。ここでは非常用は働かないって知っているでしょ? だから薬を持たせていたんじゃないの。

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