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最低でもビートルズ  作者: 林広正
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第一章 1


   第一章


 ショウが生まれたのは、日本という国の、横浜と呼ばれている街だ。港街の印象が強いが、実は山だらけだったりする。俺も日本生まれだが、横浜じゃない。東京って街が、この国では一番賑やかなんだ。俺の母親が、そういうタイプだった。どの国でも構わないが、賑やかな街でないと生きて行けない。ひっそりと田舎暮らしが出来るような人じゃなかった。

 そんな山の一つの天辺にある病院で、ショウは生まれた。チャコもジョージも同じ病院だよ。あの三人は生まれる前からの結びつきがあったんだ。だからこそあれほどまでに息が合っていたんだろう。まるで三つ子の兄弟のようである。顔も態度も、その魂の根元がそっくりだった。

 病院での出会いは、記憶の底に沈んでしまっていた。俺がそれを無理矢理に探し出したのは、 その事実を知っていたからだ。ノーウェアマンの三人が出会った瞬間を目撃したかった。

 同じ病院で生まれても、すれ違ったり夜を同じ空間で過ごしたりはしても、当然のように交流はない。会話もできなければ一人では寝返りも打てないんだから当然だ。しかし、目が見えていなくても、側でお互いを感じ合っていただけでも大きな繋がりがあったとも言えなくはない。

 ショウが生まれた病院では、基本的に赤ん坊は専用の部屋で過ごすことになる。保育室と呼ばれていて、退院するまでの間、赤ん坊はその部屋で看護師に面倒を看てもらう。母親は別の部屋で入院をし、おっぱいの時間やオムツを替えたり、沐浴や抱っこをしたりするために会いに行く。赤ん坊にはすでにチップが埋め込まれているため、取り違える心配はない。コメカミとお尻のチップは、出産直後に埋め込まれている。

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