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足元を中心に探したが、それらしき物は見えなかった。入るときこそそれなりの幅があった隙間だが、進むにつれて先細りになっていく。真ん中を過ぎた辺りから、横向きにならなければ進めなくなり、さらにその半分を進むと、身動きができなくなってしまった。ここで引き返さなくては完全に挟まってしまう。ショウはほんの少しだが恐怖を感じた。そして、冷静さを取り戻そうと顔を上げ、深呼吸をする。
あっ! あれじゃない? ショウは独り言のつもりでそう言った。すると、背後から二つの声が聞こえてくる。
ひょっとしてあれ? 空に浮かんでいるやつ?
ショウが振り返ると、すぐ背後にチャコとジョージの姿を感じた。どうしてここに? と思ったが、来てくれたことが嬉しかった。このまま挟まって身動きが取れないかも知れないとの恐怖が和らいでいく。
ちょっと待ってて。こういうの俺、得意なんだよ。ジョージはそう言うとすぐ、両側の壁に手足を突き、するすると飛び上がっていった。そして少しの悪態を吐きながらも、挟まっていた物体を取り外した。
やったー! 双子の置物! 大当たりだ! そう叫び、するする飛び降りて来た。
ジョージからそれを受け取ったショウは、本当によく似ている。けど・・・・ なんだかこっちの置物の方が表情が硬いな。そう呟いた。するとその置物が、ぱあっと明るい笑顔に変わった。と、ショウは感じたそうだが、真相は分からない。俺が見る限りでは、二つは全くの同じ置物にしか見えない。それはチャコやジョージも同じ考えだったようだ。
これを向こうに置けばいいのかな? それともこっち? ショウがそう言った。
男の人は向こうに並べて欲しいと言ったんでしょ? だったら向こうに並べようよ。チャコがそう言う。
けれどこんなことで世界が変わるのかな? ジョージがそう言う。
よく分かんないけどさ、そんなことはどうでもいいんじゃない? こうして楽しい冒険ができた。それだけのことだよ。
ショウの言葉を聞いて、二人は、そうだよねー、と笑顔を見せる。
ショウ達三人は、反対側に周り、双子の置物を並べて置いた。当然だが、なにも起こらない。ショウは、男がもう一度現れることを期待したが、そんな気配はなかった。三人は連結型スニークに乗り、それぞれの家に帰って行った。




