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最低でもビートルズ  作者: 林広正
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 思い立ったらすぐに行動をする。ショウの気質は子供の頃から変わらない。チャコとジョージに全てを話し、早速双子の捜索を始めた。誰かに聞くことはできない。この場所がスティーブに混乱を与える場所だとしても、この場所を離れれば知られてしまう危険が多いってことだ。そんな危険を犯そうとは、子供だって考えたりはしない。全てのスティーブがたった一つの生命体だということは知っている。それがどういう意味なのかも、漠然とはいえ知っていた。記憶を抑える方法は、たいていが五歳くらいで学ぶものだ。親がそういう風に子供を導くのが常識になっている。もちろん、スティーブには内緒で。

 ショウ達三人は、とりあえずは横浜の街を歩きながら考えることにした。近くにいるといってもどれだけの範囲なのか? どんな場所にいるのかも分からない。きちんと飾っているとは考えにくい。もしもそうなら、別の誰かがとっくに探し出しているはずだ。どこかの陰に転がっている。そう考えるのが正しいように感じられた。ショウ達三人は、建物の隙間を中心に駅周辺を歩き回った。

 こんなことして意味あるのかな? 建物の隙間を歩きながら、チャコがそう言った。

 隙間って言ってもさ、人が簡単に入れる場所にあるのかな? きっと、こういう場所じゃないんだ。

 じゃあどこなんだよ! 少しイラっとしながらジョージが言う。

 近くじゃないかってその人が言っていたんでしょう? 僕もそう思うよ。双子なんだし、似たような場所にいるのが自然だと思うからね。けれどこの辺りにあそこと似ている建物なんてないしさ、ひょっとしたら、同じ場所にあるんじゃないかな。あの隙間の奥に転がっているんじゃない?

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