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最低でもビートルズ  作者: 林広正
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 ショウが通っていたその場所は、連結型スニークのターミナル駅がある横浜の中心街にあった。

 連結型スニークとは、決められた道だけを走ることが出来るスニークだ。詰め込めば数百人が入ることができる箱型スニークが十台前後繋がっている。俺は当然乗ったことなんてない。実物すら見たことがない。しかし、当時使用されていた駅は今でも残されている。横浜駅という名も、いまだに使用されている。

 横浜駅から南に下って行くと、川を渡ってすぐの所に三角柱型の建物がある。ショウはその建物の裏で、不思議な置物を見つけた。裏に並んでいる建物との間に、挟まるように置物台があり、その上に置かれている。おっちゃんのような顔をしているが、その背格好が不細工で、田舎道でたまに見かける地蔵さんに似ている。

 地蔵さんってのは、その由来は分からないが、大昔から存在している置物で、田舎道で見かけることが稀にある。石を削って作られている。その大きさは、ショウよりは小さいが、フルチンほどの背丈があるものが標準的だ。まん丸の頭をしていて、笑顔で町並みを眺めている。胴体と足が繋がっているのは、前掛けをつけていることを表現しているからだと思われる。右手を肩前に上げている。なにか杖のようなものを手に持っていたようだが、今ではその杖が残っている地蔵さんは少ない。左手はお腹に当てている。

 ショウが見つけた置物は、地蔵さんに比べるととても小さい。石ではなく、木で作られている。しかし、通り過ぎる人達がよく触って行くのだろう。手脂により茶色く光っている。その肌も、地蔵さんのようにつるつるしている。

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