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不良から悪役令嬢にジョブチェンジ

今日もいつもと同じ日々を過ごしていた。


いつもと同じく朝起きて。

いつもと同じく妹と戯れて。

いつもと同じく学校に行って。


いつもと違うのは帰り道だった。


今日は妹の誕生日で、プレゼントに大好きだった恋愛ゲームのグッズを買ってあげたのだ。

妹の喜ぶ顔を思い浮かべると顔が綻んでいった。


その時、子供がボールを追いかけて道路の方に走っていった。

前からは車が来ていた。


「危ねぇ!!!」


気付けば、体が動いていた。

子供を押し飛ばし、自分が身代わりになっていた。


俺の体に鋭い痛みが走ったと思うと段々と瞼が重くなってきた。

頭から血が流れて視界が赤く染まっていく。


(今日は、あいつの誕生日なのに…早く帰らねぇと…)


朝、妹には「早く帰ってきて」と言われていた。

妹の笑顔が頭の中に浮かんできて意識が途切れた。


「………て、………フ…きて……」


肩を叩かれて声をかけられる。

うるせぇな……今は眠いんだよ………


「フラン!起きて!」


泣きながら大きい声をかけられて勢い良く目を開けた。

すると、目の前に泣きながら俺に抱きついてくる綺麗な女性がいた。


「あぁ、フラン!大丈夫?怪我はない!?可哀想に…頭をぶつけてしまったのね。」


そう言うと、また泣きだしてしまった。

それはそうと、誰なんだろうかこの女性は。

それにフランって誰のことだ?


「どうしたの、フラン?頭が痛むの?」


「いや、フランって誰のことっすか…?」


女性は俺の反応を見て顔を真っ青にした。

そして、慌てて隣にいたメイド服を着た女性に言った。


「頭を強くぶつけて記憶が混乱してしまっているわ!メリッサ!すぐにお医者様を連れてきてちょうだい!」


…………は?何を言っているんだ?

記憶が混乱?確かに身に覚えのない人達に囲まれて混乱はしているが…。


そういえば、いつもより視線が低い気が……

服も赤いドレスを着てるし…

手もちっちぇ…


……………………どういうことだ。


この時は、自分の置かれている事の大きさにまだ気付いていなかった。

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