人は生きる為に生きている訳ではない。死ぬために生きているのだ
Q 初めのベオウルフとの戦いはどうなったんですか?
ステータスに凄い差があったと思いますが?
A 勝ちました。
ステータスに凄い差があったとしても、1回叩けば1ダメ入ります。
ですから、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何百何千回とベオウルフの攻撃を回避して叩いて勝ちました。
正直に作業ゲー。
意識が溶けて行く感覚。
思考が弛くなる。
意識が、気持ちが、心が、命が溶けて行く。
これが死。
これが終わり。
終焉。
何と心地よい事か・・・
自分が消えていく感覚にエドワードは身を委ね、静に終わりを待つ。
だが、一向に終わりが訪れない。
5分、10分と過ぎ去り。
流石に変だな?と思ったエドワードは目を開ける。
「あ、やっと起きたのかい?こっちは待ちくたびれたよ」
そこには白色の椅子に座り、黒いカバーの本を読む金髪の少年。
エドワードが目を開けた事に気付き。
パタンと読んでいた本を閉じる。
「君が寝ていた?死んでた?間に君の人生を読ませて貰ったよ。
エドワード・シュレティンガー。享年95歳。
家族は妻リリアーナ・シュレティンガーを先に亡くし、子供はユリアナ・シュレティンガー。ダイモン・シュレティンガーの二人。亡くなる時はダイモンの子供。エリザベス・シュレティンガーに看取られその命を終える・・・か」
少年は他にも「へー!ほー!」と黒いカバーの本を開き驚きとも言える声を挙げる。
(・・・君は一体誰なんだ?それにその本は・・・?!声が・・・)
「あぁ、この本かい?この本は君さの人生がこの本に書いてある。全部ね。
あと、声なら出ないよ?だって君は既に死んでいるもの」
カラカラと笑う少年に、エドワードは納得した。
そして思い出した。
自分の最期を。
(・・・そうか、私は死んだんだったな・・・と。言う事は君は誰なんだ?)
エドワードの質問に少年は
「おっと、自己紹介がまだだったね」
と、頭をポリポリと掻き口を開く。
「僕はダムドレート。運命・生命を司る神さ」
少年、ダムドレートは手を胸に置き、軽く会釈をした。
(ダムドレート・・・確かダムド教の信仰する神だったか。本当に居たんですね神様)
「うん。他にも居るけど、まあ。そこは置いておくよ。
さて、本題に入ろうか?」
「ぐっ!こいつ我の攻撃が当たらん・・・くっ!?この!?」
「・・・なあ、この戦い何時まで続くんだよ。もう三日目だぞ?」
「・・・だな。そろそろ飽きてきたんだけど・・・あっ!倒れた!」
「まじ?いや、流石最弱最強だわ。持久戦の鬼だわ」