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ゼロの魔術書  作者: リューク
プロローグ
8/28

その後の話

 僕がカインと山でロンリーウルフに遭遇してから3日後、知らせを受けた王国の魔導騎士団は、封魔の山を探索した結果、結界に綻びがあった事がわかったそうだ。

 綻び自体はそこまで大きなものではなく、小さいものだったので、たまたまその綻びを見つけたロンリーウルフだけが入って、たまたま近くで山菜取りをしていた僕たちの所に出てきたのだ。

 僕はまだこの時知らなかったことがある。

 それは、僕たちが山菜取りをしていた場所から結界の綻びがあった場所は4キロ以上も離れた場所だったのだ。

 そして山の4キロはとてつもなく遠く、ロンリーウルフが僕たちを見つけるには遠すぎるという事も知らなかったのだ。

 

 ただ、そんな事情を知らない僕たちの日々の生活は続いていた。

 山菜取りの時にアイリがカインから聞いた喧嘩の理由もわかって、彼には直接シスターエリーに特別な感情が無い事を伝えた。

 それを聞いたときの彼は、興味無さ気にしていたが、後で聞いた話では、暫く顔がにやけていたらしい。

 

 そんなこんなもあって、今ではカインは僕の事を支えてくれる頼りになる仲間だ。

 シスターアマンダからは、官僚コースと冒険者コースの2つを頑張るように言われた。

 特に実技を重点的にしごかれるはめになってしまった。

 お陰で毎日ボロボロだ。

 

 そんな僕の様子を、相変わらずシスターエリーは、心配そうに建物や木の陰から見守っている。

 まるで昔再放送で見た「巨人の○」のお姉さんの様な気がしてきてしまっている。

 となると、アマンダはさしずめ頑固親父で僕は主人公かな?

 「俺は今猛烈に感動している」と言ったり、目から炎出したりしないといけないのだろうか?

 などと、くだらない事を考えていると、最近そのエリーの陰にもう一人、アイリの姿も見える様になってきた。

 

 ただ、その時のアイリの顔は僕を見るというよりは、エリーを物凄い形相で睨んでいると言った方が良いのかもしれない。

 お陰で僕は、怖くて未だにその事を誰にも話せていない。

 

 そんな日々を過ごしながら、僕はこの世界の事をたくさん学び続けていた。

 この世界では、成人は16歳らしい。

 僕に残された時間は後4年だ。

 この4年のうちに、字を覚え、言葉を覚え、武術を覚えなければいけない。

 そんな日々に焦りもあるものの、楽しみもある。

 それは、成人式で配られる自分だけの魔術書(グリモワール)だ。

 

 この魔術書は、自分にあった物が、成人式の最後に出現するらしい。

 この出現した魔術書によって自分の使える魔法やランクが決まるらしい。

 魔法の系統は多岐にわたっていて僕にはまだ理解できていないけど、ランクは全部で10あるらしい。

 それぞれのランクでできる事が変わるらしいのだけど、このランクは成人式で手に入れた時のランクが一生のランクになるらしい。

 だから1ランクしかなかったら、一生1のままという事だ。

 人によってランクは様々だけど、魔法は基本1系統で2~3ランクが普通らしい。

 10ランクなんかもらった日には、大魔導士の仲間入りができるそうだ。

 

 まぁ、それも才能があればの話なので、普通の人と同じくらいのランクがあれば良いな程度で僕は考えている。

 そんな事を考えながら今の僕は、日々の訓練と勉強に勤しんでいるのだ。

 


20時にも投稿します。

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