表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼロの魔術書  作者: リューク
プロローグ
5/28

世界の成り立ち

 

 この教会ではこの世界の成り立ちや歴史についても教えてくれている。

 ただし、教会なのでどこかサーガの様な神話の様なお話になっているので、どこまで本当か僕も確信を持てないでいる。

 

 今日はそんな世界の成り立ちについての話をミリアム神父が教えてくれるそうだ。

 

 「さて、今日から新しくトーマも加わりますので、創世記から簡単におさらいしましょう」

 そういってミリアム神父は聖書の最初の方を開いて話し始めた。

 

 「遥かなる昔、まだこの地に太陽と海しかなかった時代に我らが、大陸神ガレアがこの大陸『ミッドランド』をお創りになられました。ガレアはミッドランドを創ると、太陽神アレーに日差しを海洋神ポルセウスに雨を降り注ぐよう頼みました。そして、創造神ブランダによって神の似姿である人間と、それぞれの神の化身である動物、植物を地上にお創りになられました。ただ、人間を作った時、神々は人間から悪意を取り除き、地下にと貯められました。この悪意は、人が増えるのと同時に地下に溜まっていき、邪神ヤハンが誕生したのです。このヤハンは天上の神々に対抗するため、自身の化身である魔物を生み出し、その中でも最も強力な者に魔王を名乗らせ、地上へと送り込みました」

 そういってミリアム神父は顔を挙げて僕に確認してきた。

 だいぶゆっくり話してくれたのと、アイリが隣で少し説明してくれたのでなんとなく理解できた。

 

 「では、今日は邪神と魔王のその後ですね。魔王デモリアスは地上に対して侵攻を開始しました。最初は彼らの圧倒的な力に押されていた人間たちですが、神々の祝福を受けた存在である勇者とその仲間達の活躍によって魔王軍を地下世界に封印する事ができました。その勇者の末裔がこの国ローランド王国の国王である、アルフレッド・ローランドになります。アルフレッド王は初代から数えて17代目に当たります」

 そこまで話すと、不意に教会のドアがノックされた。

 これは勉強終了の合図であり、休み時間の合図でもある。


 「おっと?復習にちょっと時間を使い過ぎましたね。では今日はこれで終わりにしたいと思います。次回は歴代国王の偉業について学習します」

 ミリアム神父がそういって出て行くのを合図にそれぞれが休み時間を過ごしに出て行くのだった。

 

 「どうだった?話の内容はわかった?」

 そういって声をかけてくれたのは、隣に座っているアイリだ。

 

 「話、難しい」

 僕がそういうと、アイリは仕方が無いという表情で、僕にもう一度ゆっくり教えてくれた。

 そんな風にして過ごしていると、シスターアマンダから呼び出しがあった。

 それも、僕とカインの2人である。

 どう考えても先日の喧嘩の件での話だろう。

 あれからも僕らは度々衝突していた。

 基本的にカインから喧嘩を吹っ掛けてきて、僕がそれに怒り、殴り合いになる。

 そんなサイクルを繰り返していたのだ。

 

 僕がシスターアマンダの部屋に入ると、既にカインは部屋の中に居た。

 僕が入るのを見てアマンダは手招きをしてカインの横に立たせた。

 叱られる時の定位置である。

 そしてそれを、シスターエリーが後ろの扉の隙間から覗いているというのがいつもなのだが、今日はエリーが居ないので不思議に思っていると、アマンダが話始めた。

 

 「さて、今日君たちを呼んだのは、どうやったら少しでも仲良くできるか私なりに考えた結果考えついた事を伝えるために来て貰った」

 

 「何をするの?」

 僕が質問をすると、アマンダが話の続きを始めた。

 

 「私なりに考えた結果、君たちには二人で山に入ってもらう」

 アマンダがそう言うと、カインが驚いた様な怯えた様な表情をした。

 

 「もちろん入るのは、『封魔の山』だ」

 

 「封魔の山?」

 

 「あぁ、トーマは知らなかったね。封魔の山と言うのは、街に魔物が出ない様にする為の結界がある山でね、その山にだけは魔物が出ないんだよ」

 え?普通に魔物って出てくるの?と不思議に思って横に目をやると、カインは先程とは違い安堵した表情になっていた。

 

 「封魔の山は比較的安全な山だよ。鈴さえつけていれば熊は寄ってこないし、山菜なんかも豊富にある。けど、協力していないと命の危険があるのは山の常識だ。そこで、2人で入って山菜取りを一日かけてしてきてもらう。もちろん麓には私が待機しているから安心する様に」

 要するに、あんまりにも仲の悪い2人を危険地帯に放り出して呉越同舟を狙おうというのかな?

 本当に大丈夫なのだろうかという俺の不安もよそに話は進み、明日出発という運びになった。

 正直不安しかないけど、どうにかなる事を願うしかない。

 

 


明日は、12時と18時に投稿します。

評価、感想、ブックマークよろしくお願いします。

今後もご後援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ