表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼロの魔術書  作者: リューク
プロローグ
2/28

出会い

この後22時にも投稿します。


 目を開けるとそこは、見知らぬ場所だった。

 

 「え?あれ?僕、マンションの屋上にいたはずじゃ……」

 

 頭の中が混乱しているのがわかるけど、どうしたら良いのかがさっぱりわからない。

 僕は自殺しようとして、マンションの屋上に居て、その後変な光に包まれて、気づいたら知らない場所に立っていた?

 

 「あ、あ、あ、あ、ど、ど、ど、どうしおう?」

 

 あ、変な所で噛んじゃった。


 「ま、まずは、深呼吸をしよう。吸って、吸って、吸って、吐いて~。よし、少し落ち着いたぞ、まずは、ここどこだろう?」

 

 深呼吸したおかげか、少し落ち着いて周りをみる事ができた。

 周囲は僕が知っているコンクリートで作られた街ではなく、石かレンガみたいなので作られている家ばかりだった。

 周りを歩いている人は……。

 あれ?なんか頭に耳が生えている人とか、剣とか槍?を持っている人がたくさん居るんだ?

 

 「って事は、ここは地球じゃない所?これって前に読んだ本に載ってた異世界って所!?」

 

 どうして僕なんかがこんな所に、場違いも良いところだよ。

 どうしたら良いんだよ……。

 

 そう思うと、少し涙が出てきた。

 こんな事になるなら、イジメももう少し我慢しておけば良かったのかな?

 自殺の方法をもっと目立たない方法が良かったのかな?

 けど、そうなると誰にも知られないんだよね?

 どうして死にたかったんだろう……。

 わからなくなってきた……。

 もう、父さん、母さん、弟、妹にも会えないのかな?

 

 「……なんで僕、死のうとしたんだろう」

 

 今になって、死のうとした事に後悔の気持ちが出てきた。

 もう二度と会えない、もう二度と話す事ができないと考えたら、自然と涙が出てきた。

 

 そんな俺を見かねたのか、一人の女性が声をかけてきた。

 

 「○×▽?□◇?」

 

 あぁ、何しゃべってるのかわからない。

 

 言葉さえ通じない事に、僕は不安と寂しさから大声で泣いてしまった。

 そんな僕をこの女性は優しく手をつないできて、どこかに連れて行ってくれるらしい。

 後で考えるとかなり危ない気がするけど、その時の僕は不安と、心細さと悲しい気持ちで何の抵抗もなく、手を引かれていくだけだった。

 

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 副業にしている病院での回復魔法治療で、今日は大勢の人がやって来た。

 そのお陰もあって、久しぶりに臨時収入が入ったので、孤児院の子供達に何か買おうと思って街までやって来た。


「さぁて何を買って帰ろうかな?ご飯が良いかな?けど、リンダの服が小さくなったって言ってたから服買ってあげないといけないよね。どうしようかな?」

と、一人でブツブツ言いながら久しぶりのお買い物に気分が乗ってきていた。

考えた結果色々見て回って掘り出し物を探そうと街の真ん中のバザーを物色しようと移動すると、街のど真ん中で変な服装をした男の子が泣いているのを発見してしまった。

 

周囲の様子を確認してみるも、親らしき人物は見当たらない。

 これは、迷子か?

 

 私は、周りを確認しながら彼の元へ歩いて行って声をかけた。

 

 「どうしたの?迷子?」

 

 私が話しかけた事に反応した男の子は、一瞬こっちを見てくれたのだが、急に大声で泣き出してしまった。

 

 「えぇ?どうしよう、この子こんな所に一人で置いておく訳にはいかないし……」

 

 もう一度周りを確認して親らしき人物が居ないか確認してみるも見当たらない。

 どうやら本格的な迷子、もしくは捨てられた子の可能性が高い。

 このままここに放置するのは危険だと思った私は彼の手を引いて、孤児院へと帰る事にした。

 幸いな事に彼は、私に手を引かれても拒否することなくついてきてくれている。

 余程不安だったのだろう。

 孤児院に着いたら温かい飲み物を出してやって、落ち着いてから話を聞こう。


評価、感想、ブックマークよろしくお願いします。

今後もご後援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ