序章「朧想街」
趣味十割で書かれた小説です。
ところどころ有名作品のオマージュが見られるかもしれませんが温かく見守って下さると幸いです。
更新は不定期ですがご了承ください。
――現は 幻と 同じく
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戴照時代・日本。
文明開化と産業革命、あとはその他諸々の要素によって科学も魔術も全てが発展して生活が豊かになった時代。
何もかもが解明された世界。
移動は自動車、自動二輪車、飛行機、ヘリ、船……そして座標転移魔術に瞬間移動能力。
住む場所も地面の上から地底世界、雲の上、コロニー、他の惑星、異次元、霊界。
通信も手紙、インターネット、テレパシー、念写。
なかなかに圧巻だと思う。
人間の適応能力もあるだろうが宇宙人の齎した科学技術、神魔の恩恵である術……要因を挙げればキリが無いが、つまりそれだけの協力によって世界はこんな事になってしまったという訳だ。
そんな日本の目立たない所の山と海に囲まれた土地に『それ』はある。
あらゆる神魔と人間が集まった街。
始まりと終わり。
刹那と永遠。
零と無限。
神聖と邪悪。
真実と嘘。
進化と退廃。
創造と破滅。
朝と夜。
光と闇。
表と裏。
現と幻。
陳腐と奇妙。
美と醜。
その名を『朧想街』という。