21/21
最終話 ——私を選んでくれた人
朝の光がカーテンの隙間から差し込んで、柔らかく部屋を包み込む。
ライナルトが私の髪を指に絡めながら、微笑んでいた。
「……また、そんなに見つめて。どうした?」
「何を考えていた?」
「いいえ、ただ……」
自然と笑みがこぼれる。
「壁の花だった私が、今こうしてあなたの隣にいるなんて。夢みたいで」
その言葉に、ライナルトはわずかに目を細めた。
そして、すぐに私をそっと引き寄せ、耳元で低く囁く。
「そうか。でも、今の俺をみてくれ」
「ら、ライナルト様……!」
次の瞬間、唇が重なって、世界が静かに溶けていった。
彼のぬくもりの中で、私は確かに感じていた。
——もう私は、壁の花なんかじゃない。
あなたの隣に咲く、たったひとつの花になれたのだと。




