第19話 朝の甘いひととき
城の窓から柔らかな朝日が差し込み、新しい一日が静かに始まる。
ベッドの中で眠るエリスの茶色の髪が光を受けて輝き、薄緑の瞳はまだ夢の中。寝顔は無防備で、穏やかで柔らかな表情をしている。
ライナルトはそっと彼女の肩に手を置き、見つめる。
「……起きてるか?」
小さな囁きに、エリスはまぶたをゆっくり開け、半分眠ったままの瞳でライナルトを見つめる。
「おはようございます……ライナルト様……」
声がまだ眠そうで、柔らかく震えている。
ライナルトは少し申し訳なさそうに頭を掻く。
「昨日、少し無理をさせてしまったな……済まない」
エリスは頬を赤くしながら微笑む。
「ライナルト様……私は大丈夫です」
彼はそっとエリスを抱きしめる。
「でもな……朝から君を見ると、どうしても抱きしめたくなるんだ」
「そ、そうですか……ライナルト様……」
エリスは顔を赤くして彼の腕に身を預ける。
ライナルトは優しく頭を撫でながら囁く。
「……寝ている君も、起きている君も、どちらも美しいな」
「……そ、そんな……ライナルト様……」
言われたエリスは頬をさらに赤くして俯くが、ライナルトの手がそっと顎を持ち上げ、目を合わせさせる。
「今日は、もっと君のことを感じていたい。甘えてくれていいんだぞ」
「……ライナルト様……っ」
小さな声が漏れ、胸が高鳴る。
ライナルトは額にそっとキスを落とし、エリスを抱きしめ直す。
「……無理に我慢しなくていい。俺の腕の中では、ただ甘えていてくれ」
「……あ……ライナルト様……」
エリスは戸惑いながらも顔を埋め、彼の胸に身を預ける。
「……もう……離れたくないです……」
「俺もだ、エリス」
朝日の中、二人は抱き合いながら穏やかな笑顔を交わす。
ライナルトが肩を抱き寄せるたび、エリスは小さく吐息を漏らし、彼の腕にしがみつく。
「……今日も一緒に、ずっとこうしていような」
「はい……ライナルト様……」
外の小鳥のさえずりや柔らかな風が、二人だけの世界を包む。
ライナルトは内心、エリスを守りつつ、甘やかな日々を共に過ごすことを誓う。
エリスもまた、ライナルトの胸の中で、これ以上ない幸福を感じていた。




