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第51話 ツンデレ

「これからよろしくな」


晴れて、アキは一緒に鍛錬をすることになった。

俺は彼女の前に手を差し出し、握手を求めた。

友情の証、というやつだ。(手と言っても、蚊だから指はないが)


アキは無言のまま、俺の手を軽く握った。

少し顔が赤くなっている。

照れているのか?


・・・

少しアキをいじってみようか。


「顔が赤いぞ?もしかして、手を握るのが恥ずかしいのか?」


俺はニヤニヤしながら、彼女の顔をチラリと見た。


「はぁ?そんなわけねぇーし!」


あら、さっきまで女々しかった顔が元通りになってしまった。

しかし、頬はまだ赤い。


それに、どうも怒っているようには思えない。

むしろ、楽しそうにしているような・・・。

そうか、アキはツンデレなのか。


俺は一人で納得して、うんうんと頷いた。

それをアキとマンガスさんが不思議そうに見つめるのだった。



「よし、話は終わったことだし、鍛錬を再開しますか!」


マンガスさんが元気ハツラツに声をあげた。

さっきまでは生まれたての小鹿のごとくプルプルと震えていたのに。

俺とアキの冷たい視線に気づくことはなく、マンガスさんは歩き始めた。

まぁ、マンガスさんらしいか。

俺も部隊長のあとに続いた。(マンガスさんは一応、カコピオスの部隊長です)




「ふぃ~」


今日も一日、よく頑張りました。

我ながら、ハナ丸をつけてあげたい。

額から垂れる汗を拭き、水を勢いよく飲み干した。(虫は汗をかくのだろうか)


その横では、マンガスさんが「ぜぇぜぇ」と息を荒げながら、身体を大の字にして、仰向けで地面に倒れていた。

いつもの光景なので、もうすっかり慣れたものだが、この人は部隊長として大丈夫なのだろうか。

今さらだが、どうしてマンガスさんがカコピオスのリーダーに選ばれたのだろう。

・・・

本当になんでだろう。

気になるところではあるが、また今度聞くことにしよう。

今のマンガスさんは酸欠との戦いだろうから。


一方、新たに加わったアキは、とても満足そうな顔をしている。

汗をかくのは久しぶりだったに違いない。

今までのような暗い表情が嘘のように、活力に満ち溢れた顔をしている。


うん、やっぱり鍛錬をしたかったんだな。

俺はアキを見て、確かな手ごたえを感じた。

この調子でカコピオスの皆をやる気にさせていくぞ!


どれほど時間がかかるか分からない。

だが、皆が鍛錬を全力でやっている、そんなシーンを想像することが今はできる。

確実に変化は起きている。

諦めずに、最後までやりきってやる。



ふと空を見上げると、そこには紅に染まった大きな雲がいくつも浮いていた。

鍛練の終わりを知らせる鐘の音がラストラドに響き渡る。

こうして、今日の鍛練も無事に終わった。


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