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第34話 めぇぇ~んッ

バーグさんとの模擬戦が終わると、それを見ていて他の人とも手合わせする流れになった。

最初はスキル禁止で、少しすると使用の許可が出る。

スキルなしの俺では面白くないのだろう。

バーグさんのみならず、皆まで俺をバカにするのか。

誰も俺のことを見てくれない。皆が見ているのはスキルだけだ!

そんなんだったら、スキルと付き合えばっ!


・・・

なんて、恋愛漫画の主人公みたいなことを言っているが、俺はスキルに感謝している。

おかげで死なずに生きてこれたのだから。

それよりも、ここまで貧弱な身体が憎い。

外骨格で覆われているから、筋肉のつけようがない。


ああ、悲しいかな 

蚊の一生は


そんなことを考えつつ、模擬戦はどんどん進んでいった。




「はぁ~」


どれくらい戦っていただろう。

時刻は昼を迎えていた。


少しは休憩をさせてほしいものだ。

こちとら連戦で身体がボロボロだ。

体力も精神力も悲鳴を上げている。


「次は僕と模擬戦をしてください!」


ああ、また来た。

元気いっぱいの好青年だ。

目には希望とやる気が満ち溢れている。

若いって素晴らしいな。

ブラック企業に10年も勤めていたおじさんサラリーマンには眩しすぎる。

こんな子が死んだ目をして働くことがない世の中にならないかな。

あっちの世界(地球)のことは手の出しようがないが、願うことくらいしよう。

若者の将来を憂うのがおっさんという人種だ。

・・・俺も老いたのかな。


まぁ、そういうことで、若い者の挑戦を無下にするわけにはいかない。


「よし、やるか」



互いに木剣を握りしめ、戦闘のスタンバイをした。

鋭い視線が交錯する。

空気にも緊張の波が伝わっている。


ドンッ


先に動いたのは青年のほうだ。

ものすごいダッシュで俺のほうに近づいた。

それと同時に剣を振り上げ、攻撃の構えもした。

素直でシンプルな戦い方だ。

やはり心も純粋なのだろう。


「はあああっ!」


青年の剣先が俺の頭に迫ってきた。

これを回避するため、俺は右に跳ぼうとした。

そのときだった。


カンカンカン


朝と同じ鐘の音だ。

お昼の合図だろうか?


「はあああ!!」

「あ」


鐘の音に気をとられ、一瞬だけ油断してしまった。


バコーンッ


俺は頭にデカい一撃を食らった。

剣道ならキレイな一本だったろう。

俺は脳の震えを感じながら、その場にうずくまった。


「大丈夫ですかっ!」


全然大丈夫じゃないです。

多分、ヒビ入ってます。

今すぐ泣き叫びたいくらい痛いです。

だが、ここは大人の余裕を見せなければ。

こんな無垢な子に心配を掛けないように・・・


「ああ、問題ない!」


俺は最高の笑顔で返事をした。


「頭から血が流れてますよ!?打ちどころが悪くて痛みを感じてないのでは!?早く医務室に!」


逆に心配を掛けてしまったようだ。

ごめんよ。


俺は担架に乗せられ、訓練場に併設する医務室まで運ばれた。

まぁ、休憩できるから良いか。(さっきの鐘は昼休憩の合図だったので、どちらにしろ休憩はできた)



医務室に到着すると、医者らしきおじちゃんが俺の頭を診た。

どうやら、傷が深いらしい。

周りにいた看護師の人が慌てて薬やら包帯を持ってきた。

だが、昨日新たに獲得したスキル『超再生』のおかげで傷はすぐに回復した。

それを見ていた医者のおじいちゃんは口を大きく開け、目をまんまるにした。


俺は医務室から出て行こうとしたが、念のため今日は安静にしろとおじちゃんに言われ、鍛錬の終わる夕方まで医務室で待機させられた。

途中であの青年が謝りに来たが、傷は治っていたので、気にしないよう伝えた。

今回は大人の寛大さを見せれたようで嬉しかった。

ちなみに、彼の名前はフィンガーというそうだ。

機会があったら、また話をしよう。




夕方になり、鍛錬の終了を伝える鐘が鳴った。

それから少しして、ボルスさんが医務室にやってきた。

今から俺を宿舎の部屋に案内するらしい。


俺は医務室の人に感謝を伝えてから、宿舎へと向かった。


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