第33話 模擬戦
「おうりゃっ!」
「・・・うそだろ」
俺は、訓練場にいた顎鬚のおじさんと模擬戦をしていた。
互いに武器は木剣を使用している。
スキルの使用は禁止。
お互いにハンデはなし。
自身の肉体のみで競っているのだ!
「お前さん、戦闘に向いてないんじゃ?」
「・・・」
そう、この戦い(模擬戦)は平等のもとに行われている!
つまり!
「蚊の俺には貧相な身体しかないんだよっ!」
勝ち目は一切ないのだ!
仕方がないだろ?
だって、蚊なんだもの。
スキルが使えなくなった俺なんて、そこらのホーンラビット以下なんだから。
食物連鎖の下側の生物と同じだ。
俺が勝てるのは植物だけなんだよッ!
「それじゃあ、スキルを使ってもいいよ。ただし!致命傷になるようなのはダメね」
「おお!それなら良い勝負ができるかも」
ということで、第二ラウンド開始っ!
「食らえ!」
スキル『咆哮』
「!?」
よし!
予想外の攻撃に判断が追いついていないな。
ここまま畳みかける。
スキル『高速移動』
「何っ!」
「そしてぇぇッ!!」
スキル『頭突き』
「グハッ!?」
ドッシャァァッ
俺の『頭突き』が腹に直撃したおじさんは後方に吹っ飛んだ。
模擬戦を見ていた人たちがざわめいている。
おじさんが立ち上がる気配はない。
どうやら、俺が勝ったようだ。
やっぱり、スキルってのは偉大だな。
こんな蚊でも筋骨隆々のおじさんに勝てるのだから。
「いい勝負でした。ありがとうございます」
俺は倒れたままのおじさんに手を差し伸べた。
・・・あれ?
おじさんが消えている。
さっきまで目の前のいたのに。
なんか、嫌な予感がするな。
そう思って後ろを振り返ると、時すでに遅しだった。
「最後まで気は抜くな。お前さんが倒したのは俺の分身だ」
どうやら俺の負けだったようだ。
俺の首には剣が向けられていた。
顎鬚おじさんもスキルを使ったのか。
相手のほうが一枚上手だったな。
「降参です」
やっぱり、熟練の人ってのはスゴイな。
実戦経験の差、とでも言うのだろう。
戦い慣れているのがよく分かる。
「お前さんは面白いな。生身だと相当弱いのに、スキルを使うと一気に強くなる」
それは侮辱しているのか褒めているのか。
まぁ、実際そうなのだが。
「今日はまだ時間がある。他の奴らとも手合わせしてこい」
「分かりました。ええっと・・・」
「俺の名前はバーグだ」
「バーグさん、これからよろしくお願いします」
俺はバーグさんと熱い握手を交わした。
最近になって気付いたことなんですけど、この作品のあらすじが某探偵漫画のあらすじと似てますよね。




