第32話 初めての訓練場
「今日はもう遅いから、明日これからのことを説明をする」
ラストラドに到着して、まず案内されたのは客室用の部屋だった。
明日以降は部下の人たちと同じ部屋を使うことになるらしい。
二日間の長時間移動に疲れていたので、すぐ寝ることにした。
ああ、部屋は落ち着くな。
森で一泊したときはいつ襲われるかとヒヤヒヤした。
明日からの鍛練のために、しっかり英気を養うぞ!
こうして、俺は眠りについた。
カンカンカンッ
「はぅぇッ!?」
朝っぱらから鐘の響く音がうるさい。
そのせいで俺はベットから転げ落ちた。
「あイタタタ。なんだよ、こんな早朝から。近所迷惑じゃないか・・・」
ブツブツと愚痴を言いながら、閉じていたカーテンを開けた。
窓から差し込む陽がまぶしい。
目が慣れるまで少し待ってから、俺は窓の外を覗いた。
「!」
そこには、賑やかな大勢の人がいた。
昨夜は誰も歩いていなかったが、こんなにも活気のある場所だったのか!
俺は急いで支度をして、ボルスさんとの待ち合せ場所に向かった。
「おはようございます、ボルスさん!」
昨夜入ってきた門の傍にボルスさんが立っていた。
「来たか、ビッグマウス君。それじゃあ早速、ラストラドの案内をしようか。細かいことはその後話すよ」
ボルスさんに連れられて、俺はラストラドを散策した。
ラストラドとは、エリーナが説明していた通り、訓練場である。
ここにはボルスさんの部下が大勢いて、日々鍛錬をしている。
ゆえに、宿舎が併設されているのだ。
「訓練場と聞いていたが、想像以上の広さだな」
歩いてみた感じ、かなりの面積がある。
小さな町と同じくらいなんじゃないか。
それと、ここは森から隔絶されている。
周囲をぐるりと外壁に囲まれているのだ。
出入口はあの門だけだと思われる。
「ここが訓練場だ。今日からここで鍛錬をすることになる」
「おおっ!」
城壁で囲まれた敷地の中心には、広大な土の平地がある。
それが訓練場だ。
周囲にはいくつか建物があり、武器や鍛錬の道具を保管している。
訓練場の地下にはいくつか部屋があり、そこには体力や筋力を鍛えるトレーニング設備が整えられている。
今も鍛錬をしている人が何人もいる。
「全員集合っ!」
ボルスさんが大きく叫ぶと、周りからゾロゾロと人が集まってきた。
「新しい仲間を紹介する。ビッグマウスのショウだ!」
その紹介はとても恥ずかしいな。
これでは、ビッグマウスの肩書が定着してしまう。
俺は決してビッグマウスなどではない!
挽回をせねば・・・。
「ゴホンッ!ご紹介に預かりました、ショウと申します。これから精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願いします」
オオーッ!!
自己紹介を終えると、周りが一斉に声を上げた。
地面が震えるほどの雄叫びだ。
さすがボルスさんの部下というべきか。
元気いっぱいだし、バカみたいにうるさい。
これはあれだな、野球部のノリだ。
何でもかんでも盛り上げたがる。
まぁ、悪くはないが。
「本格的な鍛錬は明日から始める。今日は模擬戦だけやるぞ」
「分かりました!」
俺は壁の隅に置かれていた防具を身に着け、訓練場に足を踏み入れた。
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今まで説明していなかったのですが人型の魔物については、「~な人」といった表現をしています。
特に「人間」といった意味はありません。
説明が遅れてしまい、すみません。




