第27話 十大魔将
今日は森に行って、実戦訓練を行うことになった。
「バンバン魔物を倒して、スキル獲得&強化をしていくぞ!」
俺はやる気満々だ。
「ビッグマウス君、調子に乗って死なないでくれよ?」
後ろを振り返るとボルスさんがいた。
そして、その隣には青年もいる。
誰だろうか。
魔王城では見たことない人だ。
「ボルスさん、その人は誰ですか?」
「こいつは俺の部下で、ライムって名前だ。今日からお前と一緒に鍛錬をする」
ボルスさんが紹介をすると、ライムという青年は一歩前に出て、自己紹介を始めた。
「初めまして、ライムっす。これからよろしくお願いします、ショウさん」
俺は、この世界に来て初めて後輩のような存在ができて興奮した。
後輩がいるといないとでは、身の入り方が違うってもんだ。
「俺はショウ。これからよろしくな、ライム」
自己紹介を終えた俺たちは、さっそく森へ入っていった。
「うわ~、マジで魔物の血を吸うんですね。マズくないんですか?」
ライムは何事にも興味深々だ。
俺が魔物の血を吸うところを面白そうに見ている。
「のんびりしてないで、次行くぞ」
ボルスさんから声がかかる。
相変わらず、ボルスさんの進むペースは早い。
血を吸す時間どころか、魔物を倒す時間すら無いときもある。
まだまだ足元にも及ばないと痛感させられる。
俺とライムは急いでボルスさんの後を追った。
「そういえば、ライムはどこに住んでいるんだ?魔王城では見かけなかったけど」
「そりゃ、魔王城では見かけませんよ。あそこに住んでいる戦士は十大魔将だけですから」
「十大魔将?」
「え、十大魔将を知らないんっすか!?」
ライムによると、魔王城には十人の戦士が暮らしており、彼らは十大魔将と呼ばれているそうだ。
十大魔将は戦闘において圧倒的な力を持ち、中には大勢の魔物を率いる者もいるそうだ。
「だから、魔王様の命令で動く魔物の数は、人間の一国の軍隊よりも遥かに多いらしいっす」
そうだったのか。
俺は何も知らなかった。
エリーナもちゃんと魔王なんだなと思った。
それにしても、十大魔将か。
確かに朝食には10人くらいいた気がする。
彼らが十大魔将なんだろうか。
待てよ、ということは・・・。
「ライム、十大魔将の名前って全員覚えているか?」
「え?もちろん覚えてますよ」
「教えてくれないか?」
「いいっすよ。え~と、ボルスさん、ヴェイルズさん、ゼファルドさん、マートさん、ルネールさん、ポールさん、ルナさん、ソラさん、リリスさん、テリーダさんっす」
やっぱり。
ヴェイルズは十大魔将だったんだ。
ていうか、ゼファルドさんも十大魔将だったのか。
マートさんは、病室にいたおばあさんだよな。
・・・まじか(一番衝撃だった)。
ということは、俺の知らない十大魔将があと6人いるのか。
これから強くなっていくためにも、いつか戦闘の指導とかご教授してもらいたいな。
そんなことをのんびりと考えていたら、目の前から魔物が襲ってきた。
でも、俺は瞬時に魔物に対応できた。
なぜなら、スキル「探知」を発動していたからだ。
ヴォルニクさんの一件以降、俺は慎重になった。
どんなときでも、緊張の糸を切らさないように心掛けている。
もう、あんな事は起きてほしくない。
そう思っている。
特に何事もなく、初めての実戦訓練は終わった。
常にスキル「探知」を発動するのは疲れるので、時々は己の五感で周囲を警戒した。
まだ知らない6人の魔将たち。
これからの鍛練で、新しい出会いがあることに期待したい。
あわよくば、戦闘の鍛練をしてほしいな。
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