第26話 スキルの当たり外れ
午前中にかなりのスキルを獲得できたから、午後からはスキルを試すことになった。
こんなに大量のスキルを獲得したのは初めてだったので、自分がどれほど強くなったのか楽しみだ。
「ビッグマウス君、好きなように攻撃してくれ」
俺がスキルの試し打ちをする相手はボルスさんだ。
スキルがどんなものなのか詳しくは分からないが、ボルスさんなら大丈夫だろう。
俺は遠慮を一切せず、スキルを使ってボルスさんと戦った。
そして、気づけば、俺はすべてのスキルを試し終わっていた。
もちろん、ボルスさんに勝つことはなかった(マジで強すぎ)。
結果としては、スキルにも当たり外れがあるということが分かった。
例えば、身体能力を強化するスキルは意識するだけで使える。
一方、「酸唾」や「粘糸」といったスキルは使うことさえできなかった。
この原因は、おそらく感覚によるものだと考えられる。
蜘蛛は本能的にお尻から糸を出すことができる。
つまり、「糸を出す」という感覚があるのだ。
でも、蚊である俺にはそんな感覚はない。
そのため、糸を作り出すと思われるスキル「粘糸」を使うことができないのだ。
言い換えるなら、特定の生物のみが扱えるスキル、だ。
このことについては、ボルスさんも仕方がないと言っていた。
そもそも、スキルとは魔物の種類によって決まっており、それは魔物の身体の一部のようなものだ。
同じスキルを別の魔物が使えること自体、本来はありえないことだ。
考えてみれば、スキル「咆哮」だって、発声する器官がなければ使うことができない(蚊の俺はなぜか発声できるが)。
それと同じなのだ。
俺はスキルを使えないことに落ち込みつつ、新しく手に入れた力に可能性を感じていた。
今はまだ戦いの中で使うだけで精一杯だが、使いこなせるようになれば、スキル同士を組み合わせることでより効果的にスキルを利用できるだろう。
もっと強くなって皆を守れるようになるためには、まだまだ練習が必要なようだ。
当分、ボルスさんの鍛錬は継続しそうである。
少し内容が短くなりました。
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