第21話 肉担当の見学 5
人間との戦いの後、怪我をしたワーウルフたちは魔王城へ運ばれた。
特にヴォルニクさんは重傷だ。
心臓は外したようだが、矢がかなり深くまで刺さっていた。
ヴェイルズによると、魔王城には回復系のスキルを持った者がいるらしい。
その人のスキルなら、瀕死の状態でも回復することが可能なのだとか。
俺は、ワーウルフたちが助かると聞いて、ホッとした。
魔王城に帰ると、中は慌ただしかった。
「ショウ、無事だったかい!?」
侍女長のサニティアさんが心配そうな顔で俺を抱きしめた。
「はい、無事に帰ってきました」
サニティアさんの胸の温もりを感じる。
なんだか、安心する。
「それにしても、城内がザワザワしてますね。怪我人が多いからですか?」
「それもあるけど、一番の原因は緊急会議が行われるからだよ」
「緊急会議?」
サニティアさんによると、今回の人間の侵入に関して、魔王城の人が集まって話し合いをするらしい。
「緊急会議なんて、今まで一度もしたことがないよ。だから、みんな慌てているんだよ」
人間が魔王城の近くまで侵入していたことは異例らしい。
そして、その会議には俺も召集されていた。
「それでは、緊急会議を始めます」
エリーナが、真剣な面持ちで会議の開始を告げた。
以前に朝食で見た雰囲気とは異なり、緊張の糸が張り切っている。
「皆もすでに聞いていると思うけど、魔王城の近くに人間が現れた。そのため、これからの指針を決めるために話し合いをしたいと思う」
エリーナはまず、俺に今までの経緯を説明することを求めた。
俺は、現れた人間の特徴や戦闘の様子を説明した。
説明を聞いている人たちの顔は、話が進むにつれて、次第に深刻そうになっていった。
10分くらいで俺の話は終わった。
話してみると、短い間の出来事だったのだなと思った。
あのときは、永遠のようにすら感じたのに。
「ショウ、話してくれてありがとう。疲れているだろうから、今日はもう休んでいいよ」
「ありがとう、エリーナ」
俺は会議を途中で抜けて、自分の部屋に向かった。
エリーナの言うとおり、俺はかなり疲れていた。
身体も、精神も。
自分の部屋が近くなると、侍女が一人、部屋の前に立っているのがわかった。
「どうかしました?」
俺が尋ねると、彼女は答えた。
「ショウ様ですね。お待ちしておりました。ヴォルニク様より伝言を預かっております」
ヴォルニクさん!
無事に怪我から回復したのだろうか・・・。
侍女が伝言を話し始めた。
「今から、俺のいる病室に来てくれ。話したいことがある。病室まではその侍女が連れて行ってくれる」
話したいこと?なんだろうか。
心当たりがなく、不思議に思いながら、俺は侍女に連れられて病室に行った。
すみません、最近忙しくて最新話の更新ができていませんでした。
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