第19話 肉担当の見学 3
「やれやれ、見つかってしまったか」
目の前に現れた人間は、余裕の表情をしている。
見た目は普通の男性、格好もかなり軽装だ。
でも、ダメージを負った様子もない。
「人間ッ!!」
ヴォルニクさんは、再び男に向かって炎を出した。
「何度やっても無駄だよ」
「!?」
直撃したはずなのに、男は無傷だった。
「君たちでは、僕に勝てない」
そのとき、攻撃した炎の後ろからヴォルニクさんが男に切りかかった。
間違いなく、不意を突いたはずだった。
「油断したな、人間!」
ヴォルニクさんの剣が男の胴体に届こうとしたときだった。
「うっ!?」
「ヴォルニクさん!!」
何もない空間から矢が現れ、ヴォルニクさんの胸を貫いた。
「クソッ、人間め!」
怒りに駆られ、ワーウルフたちが一斉に襲い掛かった。
でも、男は笑っている。
「逃げてっ!!」
俺は嫌な予感がして、叫んだ。
でも、もう遅かった。
襲い掛かったワーウルフたちの頭上に、数え切れないほどの矢が現れ、降り注いだ。
「やめろーっ!!」
ワーウルフたちに次々と矢が刺さった。
辺り一面を血飛沫が覆う。
「あははは!魔物は愚かだな。僕に勝てるわけがないと言っただろ?」
俺の中に怒りが溢れてくる。
これが人間なのか?
どうして、こんなにも残酷なことができるんだ。
許せない。
「・・・・せろ」
「あ?なんだって?」
冷静にならなければいけないのは分かる。
でも、怒りが抑えられない。
目の前の人間が、ワーウルフの皆を傷つけた敵が、憎い!
「ここから、消え失せろ!」
スキル「咆哮」!
これくらいの攻撃が効かないのは分かってる。だから、
スキル「頭突き」!
間髪入れずに、懐に飛び込む!!
「速い!?」
この距離なら、もう矢は間に合わないだろ。
それに、さっきのヴォルニクさんの攻撃、スキルは防いだのに、剣は防ごうとしなかった。
近距離の攻撃は防げない理由があるに違いない。
「これで、終わりだ!」
俺の「頭突き」が、相手の腹に直撃した。
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