第18話 肉担当の見学 2
狩りは順調に進み、気がつけば日が沈もうとしていた。
「もうすぐ暗くなる。今日の狩りはここまでだ」
俺たちは狩った獲物を担いで、魔王城に向かった。
道中、ワーウルフたちと会話を楽しんだ。
狩りをしているときは話す機会がなかったので、ちょうどよかった。
どうして食事のときにヴォル二クさん以外のワーウルフがいなかったのか疑問に思ったため、聞いてみることにした。
「どうして皆さんは魔王城の食事にいなかったのですか?」
「俺たちワーウルフは基本的に住処を持たない。だから、魔王城に住まずにこの周辺の森で暮らしているんだ」
なるほど。じゃあ、なんでヴォルニクさんは食事にいたのだろう?
「ただし、俺だけ食事に行くことがある」
「わっ!?」
気づくと目の前にヴォルニクさんがいて、会話に入ってきた。
「魔王様に用事があるときとかは食事に行くぜ。例えば、見学の話だったりな」
そうか。あのときヴォルニクさんは俺の見学の話をエリーナにするために食事に来ていたんだ。
「楽しく会話をするのはいいが、あまり気を抜きすぎないようにな」
そう注意して、ヴォルニクさんは先頭に戻っていった。
それなりに歩いたが、かなり遠くまで狩りに来ていたので、まだ魔王城までは時間がかかりそうだ。
辺りは次第に暗くなり始め、視界が悪くなってきた。
でも、周りには仲間がいるから不安はない。
そう思ったときだった。
バシュッ
「うああああっ」
ワーウルフの一人が腕を押さえて倒れた。
よく見ると、腕に矢が刺さっている。
「奇襲だ!全員、戦闘態勢に入れ!」
ヴォルニクさんの声を聞いて、緊張が走る。
辺りを見渡しても、敵の姿は見えない。
俺はスキル「探知」を使った。
「! ヴォルニクさん、右後ろの木の上にいます!」
「わかった!」
ヴォルニクさんは俺の言ったほうに手を向けた。
スキル「炎魔法」!
すると、ヴォルニクさんの手から勢いよく炎が出て、辺りの木々を燃やし尽くした。
すごい威力だ。
だが、
「ショウ、敵は!」
「まだ生きてます!」
すると、炎の中から人影が現れた。
「お前は、人間か!!」
ヴォルニクさんの声から怒りを感じる。
俺は、この世界に来てはじめて、人間に遭遇した。




